在宅で同居人からの受動喫煙が増加・・・がん研アンケート
感染騒動とタバコに関連しての、意識調査を「がん研」が行なったそうです。
喫煙者は重症になりやすいと思う・喫煙所は感染源となると思う、といった回答が過半数、
そして、「家で受動喫煙が増えた」が少なからずあるとわかりました。
新型コロナウイルスとたばこに関するアンケート調査の報告書公表 喫煙所は感染しやすい場所、閉鎖・使用停止に賛成という意見が約6割
=「国立研究開発法人国立がん研究センター」公式サイト2021年5月31日=
図4 ステイホーム・在宅勤務による受動喫煙について
【非喫煙者】現在たばこを吸っていない方にお伺いします。新型コロナウイルスの感染拡大に伴うステイホームや在宅勤務などによって、同居人の喫煙による受動喫煙は増えていますか。
10%といっても、全体の7割弱をしめる「同居人に喫煙者がいない」を入れての割合ですから、「喫煙者がいる」家庭のみで計算すればもっと多く、3人に1人ほどになるわけです。(以下の報道によると33.7%)
また、同居人の喫煙に限定した調査ですが、喫煙同居者がいなくても、近隣からの受動喫煙が増えたという例も加えればもっと多いでしょう。(末尾、過去の記事参照)
「減った」というひとは、なぜでしょうか。喫煙同居人が、感染を恐れて喫煙を減らしたり、ほかのところに吸いに行ったり、ということでしょうか。
大手紙による、各報道を見てみましょう。(囲み内は抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります)
コロナ下、受動喫煙が3割増 外出自粛や在宅勤務が影響 国立がんセンター調査
=『日本経済新聞』(共同通信)2021年5月31日 11:00=
“国立がん研究センターは31日、新型コロナウイルス流行による外出自粛や在宅勤務の影響で、たばこを吸う同居人からの受動喫煙が増えたと答えた人が33.7%に上ったとする調査結果を発表した”
“喫煙者はコロナに感染した際の重症化や死亡のリスクが高いことが示されているのに加え、生活様式の変化によるストレス増加で喫煙量が増えることが心配されている”
“同居人からの受動喫煙に関する質問では、同居人の喫煙の有無にかかわらず、回答が得られた吸わない人818人のうち「受動喫煙が増えている」と答えたのは10.6%だったが、喫煙する同居人がいる人に限ると33.7%に上った”
“副流煙の有害物質、主流煙の数倍
たばこの煙には多くの有害物質が含まれ、非喫煙者が他人の煙を吸い込む受動喫煙にも病気のリスクがある……国内では推定で年1万5千人が死亡している。受動喫煙で吸い込む副流煙は、ニコチンなどの有害物質が喫煙者が吸う主流煙の数倍も含まれている。〔共同〕”
在宅でたばこ増えた? 見えたのは「自分に甘い傾向」
=『朝日新聞DIGITAL』2021年5月31日 11時00分=
“喫煙量が「増えた」と答えた人は18%、「減った」という人は11%、「やめることができた」は1%だった。「変わらない」は70%だった。
増えたという180人に主な原因を聞くと、「ストレスの増加」を挙げた人が49%で最も多かった。
次いで、「職場は禁煙だが自宅は制約がない」が34%、「周囲の目が自宅では気にならない」が10%と続いた”
“喫煙が減った人とやめたという人合わせて124人にも、その理由を聞いた。「飲み会や会食がなくなり、喫煙の機会が減った」が30%で、「自宅では家族の目が気になる、受動喫煙から家族を守りたい」の19%より多かった”
“ 喫煙者に「禁煙したいか」と聞くと、「したい」と答えた人は25%。コロナ流行前の調査とほぼ同じ割合だった”
“ 調査では、喫煙者と非喫煙者の認識に大きな隔たりがあることもあらわになった。
「喫煙者は新型コロナに感染すると重症化しやすいと思うか」と聞くと、非喫煙者の59%が「しやすいと思う」と答えたのに対して、喫煙者は37%にとどまった”
“「喫煙所は感染が拡大しやすい場所だと思うか」……非喫煙者の63%が「そう思う」としたのに対し、喫煙者は39%”
“「喫煙所の閉鎖、使用停止についてどう思うか」……喫煙者の30%が「賛成」、31%が「反対」……非喫煙者は64%が「賛成」で、「反対」は4%”
“ 結果をまとめた……若尾文彦・がん対策情報センター長は「……喫煙者はリスクを過小評価し、自分に甘い傾向が見えた」と指摘”
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「在宅で受動喫煙」問題・その3 ~ 家族・他人がいないところで吸っても「三次喫煙」の被害がある ’20年6月
ベランダ喫煙を法的に禁止させるには ’21年1月
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