アカデミー受賞の日本映画に喫煙シーンがすごく多い?! 活動者間で問題に
当機構の理事もおつとめの、おなじみ禁煙運動の歴史上の人物、
渡辺文学氏(「タバコ問題情報センター」代表)より、
「禁煙活動者の間で、問題視されているので、撲滅機構でも取り上げてほしい」
と、活動同志たちからの主張をまとめたワードが送られてきました。
日本映画として快挙を成し遂げた作品ですが、喫煙場面が多いのが気になるとのこと。以下、タクシー運転手と医師の意見をまとめられたという文面を転載します。
『ドライブ・マイ・カー』の喫煙シーンに喝!
日本映画『ドライブ・マイ・カー』がアカデミー賞を受賞し、メディアで大きく取り上げられています。しかしこの映画は、沢山の喫煙シーンが流れています。
いくら、サンルーフやウィンドウを開けたとしても、とっても気持ちが悪くなる、嫌なシーンが多く、呆れるばかりです。
以前私は、神奈川県のタクシー会社に勤務していた際、タクシー内で強烈な受動喫煙被害を受けました。この件で、横浜地裁に訴訟を起こし最高裁の判決まで、長期間にわたり、受動喫煙防止の意見書提出などで沢山の応援支援を頂きました。
裁判ではこの訴えが棄却されましたが、多くの医師と弁護士の皆さんや、応援してくださった禁煙運動関係者の皆様のお陰で、今現在、ほぼタクシー・ハイヤー内では、タバコが吸えなくなっています。
それでも、隠れて吸っているタクシードライバーや、最近では加熱式タバコなどで、煙が出ないと甘くみて、平気で吸う客もいます。喫煙シーンの多い映画は、WHOの「タバコ規制枠組条約」(FCTC)のガイドラインに違反していると思います。自動車内、喫煙者どうしの同乗でも、喫煙は車内環境汚染の原因だと強く訴えたいのです。
2022年3月28日
ハイヤ―・タクシードライバー 大畠 英樹
※(現在も都内のタクシー会社に勤務中)
『ドライブ・マイ・カー』を観て ある医師の感想
アカデミー賞候補ということで、先週の土曜日、『ドライブ・マイ・カー』を劇場で見てきました。ここまで全編タバコにまみれた映画は最近では珍しいというほどの喫煙シーンが繰り返されます。
WOWOWの『MOZU』でも病的に吸いまくっていた西島秀俊氏が、またも紙巻タバコが真の主役ではないかというほど、あらゆるシーンで吸っています。作中、同業の奥さんは彼の留守中にくも膜下出血で亡くなってしまうのですが、彼女のスモーキーボイスのセリフ回し(ネタばれ覚悟)ももう一つの主役です。
映画レビューでは「吸いたくなった」という感想が多く寄せられていました。
愛車の中は禁煙のルールだった主人公(西島)ですが、大きくストーリー転換してから、その禁を犯して準主役のドライバーの女の子と「いい感じ」に吸うのですが、喫煙の正当化です。
JTなどタバコ産業のお金がどのように流れているか分かりませんが、「3時間のタバコCM」がアカデミー賞を獲ったようなものです。
(東京都・A医師)
私(『STOP受動喫煙 新聞』編集局長)はこの作品は観ていないのですが、宣伝や報道の画像では、喫煙場面が見られなかったので、そうとはまったく知らずにいました。
当機構が問題にするのは受動喫煙ですが、もし合成画像や何か安全な処置ではない、ふつうのタバコ使用だったら、制作現場では受動喫煙があったのではないでしょうか。
※この問題提起・活動への、応援や質問などは、「タバコ問題情報センター」など当事者に直接ご連絡ください。
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