職場の受動喫煙・最新調査(’22年12月実施) いまだ4割が受動喫煙被害、6割が対策強化を望むも、約半数の企業が対策なし
職場の受動喫煙についての、新しい調査の結果発表がありました。空気清浄機や“分煙”設備の企業によるものだそうです。(なので最後に“分煙”を奨める宣伝が入っています)
同社のサイトでの発表と、プレスリリース(企業の広報を掲載するメディア)での記事があります。読みやすいほうをどうぞ。
職場における受動喫煙調査(2022年12月)実情と企業が取り組みたい対策を紹介
=「クリーンエア・スカンジナビア株式会社」公式サイト「分煙・空気清浄ガイド」「喫煙問題」2023.2.27=
職場における受動喫煙調査(2022年12月)実情と 企業が取り組みたい対策を紹介
=『プレスリリース』(クリーンエア・スカンジナビア株式会社)2023.03.03 09:30=
以下抜粋(企業サイトより)、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“受動喫煙は非喫煙者にも多大な健康リスクをもたらすので、企業はきちんと対策を検討する必要があります”
“受動喫煙対策は以前から実施されていましたが、あくまで「マナー」の範疇でした。しかし、2020年4月1日に改正健康増進法が全面施行されたことで……取り組みは「ルール」へと変わり、現在は事業者の義務となっています”
“法改正のおもなポイントは、以下のとおりです。
・ 多くの人々が利用する施設は原則屋内禁煙化(飲食店・事務所・ホテル・駅など)
・ 子どもや患者さんに配慮すべき施設は敷地内禁煙(学校・病院・市庁舎など)
・ 20歳未満は喫煙エリアへの立入禁止
・ 屋内での喫煙を認める場合、喫煙室の設置が必須
・ 喫煙室を設置する場合、出入口での標識掲示を義務付け”“職場の受動喫煙対策については、いまだ不十分なケースが多いことも事実です”
ここから調査の結果が記されています。
“非喫煙者の社会人を対象に行なったアンケートによると、「職場での受動喫煙が気になることはある」と答えた方の割合は40%にも上っています”
“受動喫煙が気になる理由としては、「喫煙者からタバコのにおいを感じるから」という回答が特に目立ちました。他には「喫煙者の分煙への意識が足りないと感じるから」「喫煙スペースから漏れ出す煙が気になるから」といった回答も多く見受けられます。
「喫煙者からタバコのにおい」とは、喫煙してすぐ戻ってきての三次喫煙のことですね。
「喫煙者の分煙への意識が足りない」とは、喫煙所以外、禁煙の場所で吸ったりしているということでしょうか。
“「職場では受動喫煙対策が行なわれているか?」という質問……「はい」が52%、「いいえ」が48%であり、おおよそ半々の結果”
“「受動喫煙対策が行なわれていない」と回答された方に、どのような対策を望むか質問したところ……
・ 特に対策は必要ない:71票
・ 社内を完全禁煙にする:38票
・ 喫煙室を設置する:26票
・ 屋外に喫煙スペースを設置する:24票
・ オフィスに空気清浄機を設置する:22票
・ 分煙機を導入する:14票
・ その他:1票対策不要との声が多く上がった一方、完全禁煙化や喫煙スペースの設置など、切実な対応を望む声も多く見受けられます”
「対策不要」という回答者はみな喫煙者でしょうね。あるいはだれも喫煙者がいないので受動喫煙対策の発想がない、というところもあるでしょうか。
“6割を超える方が「職場の受動喫煙対策はもっと強化されるべき」と回答……答えた方を対象に、どのような強化を望むか質問したところ……
・ 社内の完全禁煙化:102票
・ 高性能な空気清浄機の導入:88票
・ 喫煙室の増設:58票
・ 分煙機・分煙キャビンの導入:50票
・ その他:2票「社内の完全禁煙化」が最も多くの票を集めましたが、喫煙者がゼロではない現状で全面禁煙にすることは、多くの企業にとってハードルが高いかもしれません。
企業が完全禁煙を掲げることで、結果的に喫煙者を社内から締め出すことになり、路上喫煙などの社会問題を引き起こす「喫煙所難民」を生み出すきっかけになるおそれがあります。さらには、優秀な人材の流出や生産性の低下といった、企業の業績に直結する重大な損失につながる可能性も否定できません”
“「職場での受動喫煙リスクについてどう思っているか?」という質問に対する回答からもわかるように、非喫煙者の多くは受動喫煙の健康リスクを不安視しているのが実情です。
この調査の企業発表の範囲では、対策として、「喫煙後は臭いがなくなるまで(最低45分など)は戻らないこと」や、「喫煙者を雇用しない」という選択肢もなさそうです。そのような回答は無かったのでしょうか。
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓で引いてみてください。
“完全禁煙”=「敷地内」全面禁煙(喫煙場所なし)の職場で働きたい人がほとんどです ’22年11月
職場の喫煙所の問題・喫煙者からの三次喫煙 = 健康企業による受動喫煙撲滅の啓発(引用その3) ’22年8月
喫煙者が与える損害は、受動喫煙・三次喫煙に加え、さらに…! ~ 実例をあげた論説 ’23年2月
喫煙者を不採用にしたら劇的に良くなった企業=社長の独白の動画 ’19年11月