主流煙とは?副流煙とは?呼出煙とは?

 [本記事は、受動喫煙撲滅機構の関係団体による投稿です

タバコを吸う際には、煙が発生します。

煙の発生場所や、シーンに対して、名称がついています。

フィルターを通じて口から吸われ肺に入っていく煙を「主流煙」、 その後、口・鼻から出てくる煙を「呼出(こしゅつ)」といい、 タバコの先端から出ている煙を「副流煙」と呼びます。

副流煙については以前の本コラム 副流煙」と「受動喫煙」 違いは?/三次喫煙=サードハンドスモークは受動喫煙か? でも説明しましたが、さらに細かく見ていきましょう。

主流煙(しゅりゅうえん)

喫煙者の肺に入っていく煙を指します。

その後、吐き出されると、呼出煙 と呼ばれます。

呼出煙(こしゅつえん)

タバコを吸っている人物の口・鼻から吐き出される煙のことを言います。

「タバコの煙」というと、こちらをイメージする人が多いのではないでしょうか。

呼出煙

副流煙(ふくりゅうえん)

タバコに火をつけた際に、タバコの先端から出る煙のことを言います。

副流煙

副流煙の有害性

主流煙ばかりに気を取られがちですが、副流煙にも、とうぜん同様の各種有害物質が含まれています。しかも量・有害性が、喫煙者自身が吸う主流煙より多くなっています

下記は、厚生労働省が、主流煙と副流煙の有害物質含有量の比較実験を、カナダの研究機関にて行った結果の報告の抜粋です。

例)ニコチンの収量

主流煙(mg/本) 副流煙(総計 mg/本)
フロンティアライト 0.12 3.54
マイルドセブン・エクストラライト 0.302 5.79
マイルドセブン・スーパーライト 0.438 4.48
マルボロ・メンソールライト 0.601 4.69
キャビン・マイルド 0.66 4.74
マイルドセブン 0.958 5.03
セブンスター 1.44 4.78

報告によると、例えばニコチンに関しては、単純計算で 7.31倍 と出ています(7銘柄の副流煙の「総計」 / 標準7銘柄の主流煙の平均値)。

喫煙者が望んで吸っている主流煙よりも、周りに出ていく副流煙の方が、有害物質が多いと言えます。

※厚生労働省 平成11-12年度たばこ煙の成分分析について(概要)
※実験環境などについては、リンク先よりご確認ください。

受動喫煙と副流煙

主流煙は、喫煙者の吸入により先端から空気(酸素)がとりこまれるため、燃焼温度が高くなった状態(約900℃)で吸われています。(先端が赤くなっている状態)
そのため、「完全燃焼」に近い状態になり、多くの成分が消滅または低減しています。

しかし副流煙は、吸入していないので酸素が少なく、低温(約300℃~400℃)で、「不完全燃焼」になっています。
そのため、有害成分が多く燃え残って、飛散するのです。

実験結果からもわかる通り、副流煙には有害物質が大量に含まれているので、呼出煙以上に注意しなければなりません。

先端から出る煙は、

1 低温で不完全燃焼を起こしている
2 フィルターを通っていない

ことから、主流煙・呼出煙よりも有害物質が多いと指摘されています。※がん情報サービス

喫煙者が煙を吐き出す際、横や上を向いて、人の居ない方向に煙を吐き出し、同席している人に煙がからないように配慮している光景を見ますが、火のついたタバコを置いているときに出る副流煙も、深刻な受動喫煙被害を引き起こす煙です。

副流煙もまた、人に吸わせてはいけません。副流煙も、人にかからない、届かないように配慮しなければなりません。

☆副流煙の害について詳しくは、『STOP受動喫煙 新聞』第10号、シンポジウムでの村松医師の講演の記録にも掲載しています。

三次喫煙とは?

「副流煙」「呼出煙」とは別に、タバコの残留物質によって受動喫煙の被害が発生することがあり、「三次喫煙」と呼ばれています。

これについては、 三次喫煙とは を御覧ください。

STOP受動喫煙 新聞』 季刊・年1200円
 さらなる情報が読める! 各種サービスがある、当機構への入会=『STOP受動喫煙 新聞』のご購読=をおすすめします。

 ☆画像はクリックで「紙面案内・入会特典」ページが開きます。

主流煙とは?副流煙とは?呼出煙とは?” に対して3件のコメントがあります。

  1. ドローン より:

    燃焼により発生したガスの粒子は空気に溶けないです。浮遊します。スモークシャットアウト灰皿が
    売られています、機械で吸い込むのが良いと思います。掃除機は火事に注意してくださいw
    電子タバコは副流煙がでないので、呼出煙のみの対策になります、
    加熱器もたくさんありますね、呼出煙論争の時代がくるのでしょうか。

    1. パンダ より:

      ドローンさん
      最初にタバコ煙やタバコ臭と言ってしまったので、誰もが煙と臭いが問題だと思ってしまっています。
      問題は煙も臭いもない有害物質だという認識が必要です。
      分煙機は全てを吸ってはくれません。
      私は分煙機のある会社で働いていましたが、分煙機のある部屋でも、別の部屋でも一週間でヤニで黄色くなっていました。
      空気清浄機でもタバコの粒子は通してしまうのですから、分煙機も殆ど役に立たないと思います。

  2. パンダ より:

    受動タバコ皮膚炎(タバコの有害物質が皮膚に付着することでアトピー性皮膚炎などになり、かぶれること)も取り上げて頂きたいです。
    タバコの有害物質は皮膚からも侵入します。
    灰皿に入った吸殻は誰が片付けるのでしょうか?
    灰皿を喫煙者本人が掃除をする事は殆ど無く、吸殻は灰皿に入れるだけだと思います。
    事務職などのタバコを吸わない女性が片付けたり、業者に依頼しクリーンスタッフが片付けたり、
    店舗前の灰皿は店舗スタッフが片付けるというのは、受動喫煙と受動タバコ皮膚炎になります。
    顔なども、タバコの煙がかかり皮膚に付着すれば、受動タバコ皮膚炎になります。
    タバコには触らないことが必要です。

パンダ へ返信する コメントをキャンセル

* が付いている欄は必須項目です。
アドレスは公開しませんが、内容確認の場合がありますのでご記入ください。
(名前は記入されたまま公開します。過去のコメント集「被害者のコエ」参照)
公開は内容確認後となります。若干の要約・修正や、公開しないこともあります。
※公開向けではない個人的な相談や意見は「お問い合わせフォーム」へお願いします。
※受動喫煙と関係ないこと、喫煙の非難などは書かないでください。

当機構からの回答や連絡は、必ずあるわけではありません。
投稿の方への、一般の方からの助言・ご意見・励ましの言葉も歓迎しています。
(その方のコメント末尾「返信」をクリックして投稿してください)

※公開したコメントの削除は基本できません。
 (より良くするための修正は検討します)
 コメント文の転載等その後の使用権は、当機構が有します。
 無断転載を禁じます。

*