日本の受動喫煙対策は「前世紀並み」夫のタバコで妻がガンに・職場でも毎年3600人以上が死亡
受動喫煙についてよく載るようになった『読売』の健康情報面、
「日本は前世紀並み」とのするどい指摘もされています。
夫が一日1箱以上吸うと、妻の肺腺がんリスクは2倍に…日本の受動喫煙対策は「前世紀並み」
=『ヨミドクター(読売新聞)』2020年5月26日=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“肺がん以外にも、ほとんどすべてのがんを増やします”
“日本では受動喫煙がまだ多いことも背景に……日本人の場合……日々の受動喫煙でがんのリスクが高まってしまい、喫煙者と非喫煙者の差が欧米ほどつかないというわけです”
“「受動飲酒」はありませんが、たばこの場合は、受動喫煙でもがんが増え、「自業自得」では済みません。たばこの最大の問題は受動喫煙にあり、自らに原因がない不本意な健康被害という点では、原発事故に近い性質を持つと言えるかもしれません。実際、受動喫煙の発がんリスクは、100ミリ・シーベルト程度の被ばくに相当します”
“発がん性物質の濃度は、喫煙する本人が吸う主流煙より、周囲の人が受動喫煙する副流煙の方が高く、3~5倍になります。……吸うご主人と暮らしていると、奥さんの「肺腺がん」の危険は約2倍になります”
“職場での受動喫煙によって引き起こされる肺がんと心筋梗塞 で、年間に男性1814人、女性1811人、合計3625人もの人命が失われていると推計されています”
“ 飲食店の規制ばかりが話題になっていますが、「コンビニとたばこ」も切っても切れない関係にあります。コンビニの売り上げの約4分の1はたばこです。健康・自然志向をうたう店舗でも、公然とたばこが販売されている姿には正直、違和感を覚えます。
日本も締結国の一つである「たばこ規制枠組条約」のガイドラインには、「たばこ製品の陳列と露出は、広告および販売促進に相当するため、禁止しなければならない」と規定していますから、コンビニでの店頭販売は大きな問題です”“WHO(世界保健機関)からは、日本の受動喫煙対策は「前世紀並み」ときびしい指摘を受けています”
“ 東京オリンピック・パラリンピックが1年延期されました。これを、「タバコフリー・オリンピック」の実現のためのチャンスととらえたいと思います”
職場で受動喫煙にあって死亡するとは、一人であってもとんでもないことですが、その数もすさまじいものです。記事であげている病気は二種のみですので、他の病気の発生も加えれば倍増ではないでしょうか。
なお男女比を見ると、変わりありません。女性も男性も、同様に受動喫煙は危険、ということでしょう。
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