喫煙者の“吸う人権”は単なる暴論、「被害者側の人権」こそ考えるべき~人権活動家の論説

 3年前の論説を見つけました(最初のきびしい改正健康増進法の案が出たのち、ゆるいものに後退したころです)。今でも有効な、良い主張と思えますので紹介します。

 他人に健康被害を起こすのが「人権」と考える、不思議な国ニッポン
  =『HUFFPOST(ハフポスト)日本版』2017年11月22日18時12分=

 以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“タバコ規制法案の素案が大幅に後退……案の定というべきですが、このままでオリンピックというのは国際的な常識では考えられないので、少なくとも東京でグローバルスタンダードのものが出来ることを願うばかりです”

“この問題で驚くほどよく出てくるのが、「タバコを吸うのも人権だ」というような言葉(暴論)です。そしてそれに対するよくある反論は、「周りにタバコが苦手な人もいるから、その人たちのことを考えるべきだ」というもの……そのどちらもとんちんかんなものです”

“日本では「人権」は「自分勝手なことをする」という風に勘違いしている方が多いように思います。本来人権というのは権力の横暴から市民を守るものですが、日本というムラ社会では「強いものが悪いことをするかも知れない」という発想はなく、目上に「忖度」することが美徳とされます”

“自民党の改憲案の宣伝資料では現憲法で保障されている「人権」は「皆がワガママをして、社会の崩壊を許すもの」とされています。「人権が制限される可能性が」と懸念している弁護士や学者などが大勢いますが、可能性も何も、それが目的そのものなのです”

“「単なる自分勝手」と否定的に捉えられる「人権」を理由にタバコを正当化しようとするのは相当程度苦しいとしか言いようがありません。(念のために強調しますが、そもそも「タバコを吸う人権」などありません。)しかし、「人のことを考えるように」「周りが可哀想ではないか」という反論も的外れなものです”

“私はタバコが大嫌いですが、タバコを規制しようとするのは私のその不快感があるからでなく、受動禁煙で深刻健康被害がありうることが科学的に証明されているからなのです。それはタバコの匂いや煙が気になる人でも気にならない人でも一緒で、主観的な「気持ち」とは何ら関係がありません

“人権イコール「自分勝手」、それに対しては「人の気持ちを」。このような考え方でいると、市民を守る真の人権がいとも簡単に奪われてしまう結果になります”

“ヘイトスピーチ問題でも同じように人権問題が「気持ち」の問題にされ、矮小化されがちです……ヘイトスピーチを規制する必要があるのはその「気持ち」があるからでなく、ヘイトスピーチが社会全体で差別行動を正当化し、暴力に発展しうることを歴史が証明しているからなのです。主観的な「気持ち」の問題ではありません”

“人権イコール「自分勝手」、それに対しては「人の気持ちを」。このような考え方でいると、市民を守る真の人権がいとも簡単に奪われてしまう結果になります”

 「嫌煙」なんて言葉も、死語にすべきですね。

 

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