子どもの受動喫煙・タバコ誤飲事故は「虐待と同じ」
子どものタバコ誤飲と、家庭内の受動喫煙について。
「2歳児がタバコが浸っていた液体を誤飲…」タバコの誤飲は、なぜなくらないのか?【専門家】
=『たまひよ』2021/05/21=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“社会の禁煙化は進んでいるものの、子どものタバコの誤飲事故はゼロになりません”
“40年にわたり禁煙活動に取り組む……齋藤麗子先生に、日本で禁煙が進まない理由について話を聞きました。
「……タバコを吸っている家庭の子からは、尿中コチニンが検出されます。コチニンとは、ニコチンが体内に吸収されるとできる代謝産物です。尿内に排出されたコチニン(尿中コチニン)を測定することで、どれだけタバコの煙が体内に入っているかわかります。尿中コチニンは、喫煙者本人はもちろんですが、受動喫煙によっても検出されます」(齋藤先生)”
“齋藤先生は……乳幼児健診で子どもの受動喫煙の実態について調査をしました。
「4カ月の子のママは、妊娠前から喫煙者で、産後も喫煙を継続。夫婦ともに1日5本、家庭内の換気扇の下などで喫煙していたところ、子どもの尿中コチニンは168μg/mgクレアチンでした。4カ月の子の数値としては深刻です。このままの状態では肺炎、気管支炎、ぜんそく、中耳炎などのリスクが高まります。
……私は約40年にわたって禁煙活動を続けていますが、タバコの誤飲事故はゼロにならないのが現状です」(齋藤先生)”“「……今、日本ではニコチンを含む加熱式タバコのシェアが伸びています。しかし、ニコチンを含まない電子タバコは、あまり普及していません。これもニコチン依存症が根深い証拠です」(齋藤先生)”
三次喫煙にも言及。
“乳幼児ファミリーは、サードハンド・スモークにも要注意
喫煙が周囲に与える害というと受動喫煙……がよく知られていますが、サードハンド・スモーク(3次喫煙・タバコを消したあとに、残留する化学物質を吸入すること)というのもあるそうです。「サードハンド・スモークとは、たとえばベランダに出て喫煙していたパパ(ママ)が部屋に戻ってくると、髪の毛や衣類などについた、目に見えないタバコの有害成分が与える影響のことです。サードハンド・スモークは、加熱式タバコでも同様です。
赤ちゃんがいる家庭では、有害成分がついた服のまま、赤ちゃんを抱っこしたりすることもあるでしょう。また有害成分は、時間とともに下に落ちて行きます。とくに赤ちゃんは、はいはいなどで床を触ったり、床に置いているおもちゃをなめたりすることも多いので健康への影響が心配されます……」”
“小児科の中には、タバコの誤飲事故を2回繰り返した家庭は、保健所に報告することもあるようです。齋藤先生も「子どもの近くでタバコを吸ったり、手の届く場所にタバコを置くなど誤飲事故が起きるような環境で育てるのは虐待と同じ。喫煙する人には、そのぐらいの意識を持ってほしい」と言います”
“誤飲を2回させた家庭は、保健所に報告することも”……、保健所でなく、警察や児童保護施設へ「通報」を、1回でしてもよいのでは、と思います。
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