「タバコがあった」東京オリンピック ・・・その後どうなった?
8月10日にあげた 「タバコのない五輪」会場で選手が堂々と喫煙 の続報です。
「タバコのない五輪」ルールを台無しにした、スポーツマン精神のない最低の選手たち。その違反に対し、運営側はなにかしたのでしょうか。
最近、タバコ問題を鋭く追及している朽木誠一郎記者のレポートです。
五輪閉会式の“喫煙”、その後の対応は?選手村には5カ所の喫煙所も
=『withnews』(運営:「朝日新聞社」)2021/09/01=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“東京五輪の閉会式で、米選手団メンバーと見られる人たちが葉巻のようなものを吸っている姿が確認され、問題になりました。国際オリンピック委員会(IOC)は「たばこのない五輪」を掲げているからです”
“取材すると、選手村にある喫煙所の様子など、「たばこのない五輪」の実態が見えてきました”
“事前の方針では「ルール違反者には注意を促す」とされていました。組織委を取材すると「参加者が閉会式で喫煙していたことは承知しています」と回答。ただし、「喫煙者の具体的な名前や立場(選手・コーチなど)は承知していません」ということで、違反者への注意はできていないことがわかりました”
顔写真まで出ているのに、運営側は「承知していません」と、注意すらしなかったようです。
では、それまではどんな対策をしていたか。「タバコのない五輪」スローガンの徹底は?
“「入場の直前まで、ルールを遵守するよう声かけをさせていただいていました」、今後の再発防止については「パラリンピックに向けて、より一層禁煙についてのご理解を求めていきたいと考えております」”
“組織委によれば、選手村には実際に、5カ所の喫煙所があります。選手村は建物内はすべて禁煙。屋外も原則禁煙であるものの、例外として動線から離れた場所に喫煙スペースを設置……人数や時間の制限はなかったとのことです”
“「たばこのない五輪」を掲げつつ、選手村には喫煙所を設置していた。その延長に、“閉会式での喫煙”という問題がありました”
この「タバコのない五輪」会場に喫煙所を設置していたという大きな矛盾、その結果発生したともいえる不祥事に、記者は何度も追及したところ――、
“なぜ、選手村は例外として喫煙所が設置されたのか……複数回、説明を求めると、最終的に以下の回答が……
《2019年2月……東京2020大会は、競技会場敷地内を完全禁煙とすることとした。つまり、観客が存在するサイト(競技会場等)においては、完全禁煙とし、観客が不在のサイト(選手村等)においては、原則禁煙としつつも、動線から離れた場所に例外的に喫煙スペースを設置し、当該場所でのみ喫煙可としたもの。》
組織委としては「観客の有無」を重視した、ということ……しかし、そんな“ほころび”が、全世界に中継される閉会式での喫煙につながってしまったのではないでしょうか”
私もいろいろと疑問がわいてきます。
1. カメラにしばらく写っていたほどなのに、その場で注意する係は誰もいなかったのでしょうか。
2. 喫煙所が存在していたことは、公にしなかったのでしょうか。
3. 運営側・組織委の、この矛盾には、だれも口出しをできなかったのでしょうか。
同記者によるこの記事、続報もありました。あらためて紹介します。
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓で引いてみてください。
“受動喫煙のない五輪へ” 『日経』が大特集 ’19年9月
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