未来の客より今の客? 法の抜け道で喫煙できるようにしたパチンコ店、18歳・19歳の客は「切り捨て」
また、パチンコ店の報道がありました。
わりと詳しく分析、いままでたびたび禁煙化に批判的な記事を載せいていた『SPA』にしてはよいことを書いています。
「未来の客と今の客」、興味深い視点です。
パチンコとタバコ。未来の客と今の客を巡る業界の現実
=『日刊SPA!』2021年11月09日=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“あまり大きな話題にならなかった感もありましたが、昨年の4月1日には改正健康増進法(+東京都受動喫煙防止条例)が全面施行……これで屋内が原則禁煙になったわけです。また女性客の取り込みのために空調設備を重視するホールが増えた結果、最近ではタバコの煙がそれほど気にならなくなっています”
“「もともと喫煙者の比率が高い」のがパチンコ・パチスロファンというもの。禁煙化によって客離れが加速するのではないかと……行政側に働きかけを行ったりも……それでも社会的な意識の変化には逆らえず……喫煙所を作ったりと、できる限りの対策を行うのみ。そして全面禁煙に備え、実際にどうなるのか戦々恐々としていたところ……コロナ禍……営業を自粛し、そのダメージを引きずる形で今もコロナ前ほどの客数には戻っていません。いくつかのホール店長に禁煙化の影響を聞いても、コロナで正確なところはわからないという声ばかり”
そして、“法の抜け道”で喫煙可能となった例に言及。「電子式タバコ」とは、加熱式タバコのことです。(ニコチンを入れていない電子タバコなら未成年でも吸えます)
“コロナなのか禁煙の影響なのか分からないとしても客数が減っているのは確実で……苦肉の策とでもいうべきアピールをするホールが増えています。それが喫煙可能、しかも喫煙室ではなく席で打ちながらタバコを吸えるというもの”
“ なんだ、全面禁煙じゃないのかとか、そもそも法を守っていないんじゃないかと思う人もいるかもですが、電子式のタバコについては一定の条件のもとで禁煙や分煙が不要とされ、「タバコ吸えます」なんていうポスターが掲出されています。ただ一定の条件というのはタバコを吸えない20歳未満がいないという前提で、電子式タバコが吸えるエリアには従業員はもちろん客も20歳未満では入れません”
“パチンコ・パチスロは18歳になってからであり、つまり電子式タバコをOKにしている店はそういう若年層の客を完全に捨てていることに……若年層を切り捨てても喫煙者を集める方が経営的には正解なんでしょう”
“「将来の見込み客を切り捨てるのと同じですよね」という質問もホール店長……にぶつけることもありますが、それは分かっているけどという答えが……要は未来の客より今の売上げであり、将来のことを考える余裕などないのが今の業界なんでしょう”
“喫煙エリアに18歳の客がいたって、あえて身分証でもチェックしなければ分からないのも確かでしょう。でも高校生が制服で打ってても特に厳しく言われなかった時代ならいざしらず、今は明らかに若く見える客がいたら身分証の提示を求めるくらい厳しくなっています。
行政に見つかったら一発で営業停止案件だけに、そこだけ見て見ぬふりをしているとしたらそれはそれで大問題……18歳未満同様に厳しく対応すべきでしょう”“ いずれにしても禁煙化は避けられない流れだけに、店内に20歳未満が入れない場所を作ってまで電子式タバコを解禁するより、18歳になったらパチンコ・パチスロが堂々と打てるという分かりやすさが大事なんではないかなと個人的には思います。タバコを吸いたくなったら喫煙室に行って、頭をちょっと冷やすのも悪くないですし”
いまは違反が行政に見つかったら一発で営業停止になるのですか。
では、パチンコに行ったらよく見て、喫煙席に若い子を入れているような店は、役所に通報してやってください。
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