記念公園のむき出し灰皿に市民が苦情、しかしちょっと移動しただけで被害はさらに発生!? ~ 静岡県伊豆市・狩野川記念公園
昨年、当機構の会員(『STOP受動喫煙 新聞』定期購読者)が、子ども連れも多い公園のひどい喫煙場所について報告してくれましたので、会員による市への申し入れと、回答も、本欄で紹介しました。
→記念公園でむきだしの灰皿が3カ所も! 苦情にも撤去せず、改善なし ~ 静岡県
その後しばらくぶりに会員が行ってみたところ、まだひどい状態だったので、再度の申し入れをしたが……との続報がありました。
子どもを遊ばせるブランコとか滑り台とかの遊具がある区域や、テニスコートやゲートボール場、グラウンドなどがある広い公園ですが、とくに子どもが行く遊具広場のほうでひどい喫煙場所がありました。
今回も以前と全く変わらない状況で、またもや受動喫煙の被害に遭ったので、伊豆市のサイトへ、以下の苦情を申し入れたとのことです。(割愛・修正あり)
(’22年6月13日)
公園の遊具が新しくなったと聞き、久しぶりに行きました。
遊具公園内に喫煙所があったのは知っていましたが、コロナ3年目で、さすがに撤去されていると思い行ってみたのですが、まだあったのに驚きました。2年近く前、公園内で受動喫煙にあったので、撤去のお願いの申し入れをしましたが、「出来ない」との回答を、社会教育課の山地浩司さまから頂きました。
「喫煙所は必要」「遊具から遠く、喫煙所と認識しやすく、火の不始末も確認できることから、現在の場所に設置している」とのことでした。しかしこの日、二時間ほど滞在、風もない日でしたが、ロープを張っただけの喫煙所の向かいのベンチや、ブランコや鉄棒のところにまで、タバコ臭が流れてきまして、再び受動喫煙にあってしまいました。
吸いたくもない有害煙を、子どもと共に吸わされたのです。何故、子ども達が遊ぶ公園で喫煙所が必要なのでしょうか。
駐車場のほう、観光案内所前のベンチ横の灰皿二つは、奥に移動したみたいですが、それも意味はないです。
煙は何十メートルもひろがります。なぜ吸わない人が吸わされなくてはいけないのか。
受動喫煙症、化学物質過敏症、妊婦子どもたちは、綺麗な空気の中にいたい、遊びたいと思ってます。
私達に公園を利用する権利はないのですか。改正健康増進法では、喫煙所に未成年が立ち入ることを禁止していますが、ご存じないのでしょうか。
赤ちゃん、子どもたちが毎回立ち入っている場所です。
国の法の受動喫煙防止、喫煙の配慮義務に違反しています。駐車場のところも、「いろんな人が休憩する(ので喫煙所が必要)」とのことですが、多くの人が利用するからこそ、禁煙にしなくてはダメなのではないでしょうか?
こんな堂々と喫煙所がある公園は、珍しいです。三島、函南の公園には喫煙所はありません。
「植え込みでのポイ捨てが火事のリスクになるから(喫煙所は必要)」とおっしゃっていましたが、植え込みのある公園などいっぱいありますが、みな禁煙です。
善処をよろしくおねがいいたします。
※ご回答は担当部署、お名前含め全ての活動仲間の資料、サイトやブログ、SNS等で公開します。
そして一週間後、伊豆市から回答がありました。(’22年6月20日)
社会教育課佐藤ともうします。
日頃より狩野川記念公園をご利用頂きありがとう御座います。「狩野川記念公園施設の吸い殻入れ撤去の申し入れ」につきましてご回答します。
狩野川記念公園はグラウンド、テニスコートの利用、公園利用、旅行者、ドライバーの休憩なと多くのかたに利用して頂いています。喫煙されるかたも多く、全面禁煙が難しいことから、指摘のとおり受動喫煙につきまして苦慮しているところです。
今回のご指摘に対し、多くのお子さんに利用して頂いている遊具のある公園エリアの喫煙所について、敷地外に移動しました。
受動喫煙の配慮を踏まえ利用者の皆様のご意見を伺いながら喫煙所の在り方を検討してまいります。
今後ともよりよい公園作りを目指していきたいと考えております。
このほどはご指摘ありがとうございました。
意味のない移動?
会員は8月3日にまた行くことができました。
はたして改善されただろうか……、なるほど、遊具場そばの、ロープを張っただけの喫煙所は、なくなっていました。子どもが遊んでいるときに限っては、受動喫煙がなくなったと言えそうです。
しかし、会員の申し入れに「奥に移動した」らしいとある、案内所のベンチ左右にあった2個の灰皿は……、
(前回掲載写真)
そこからは、以下のようになくなっていたのですが……、
(今回撮影’22年8月、以下同)
よく見ると、右のトイレ前に1個が置かれていたのです。
これでは男性も女性も、トイレが利用できません。
それに、トイレの右側は遊具場の入口で、10メートルくらいしか離れていないそうです。
じつはこのトイレ前の灰皿が、「敷地外に移動しました」との、遊具場そばのロープが張られただけの灰皿の、移動先らしいのです。
なぜなら、先の全景の左奥の、パラソルのほうに回ってみると……!
なんと、左のほうにベンチが置かれ、またもや左右に灰皿があるのです。
つまり、ベンチの灰皿2個は、ちょっと移動しただけだったのでした。
そして、今回、園内を回ってみると、テニスコートのそばにも灰皿がありました。以前は行かなかったので気が付かなかったそうですが、前からあったようです。
テニスをする人、そこを通る人に受動喫煙があるはずです。
これでは、遊具広場がマシになっただけで、全体、利用者にとっては何の改善でもありません。トイレはひどくなったのです。
会員が書いてくれた、全体のわかりやすい見取り図、灰皿の位置関係です。
遊具場に行きたい人は、案内所側からではなく、図の手前の道路側から入り、トイレや案内所を一切利用しない、ということしか、受動喫煙の可能性を避けられないということです。
伊豆市という自治体は、受動喫煙について、全く意識がないのでしょうか。
なにが「受動喫煙の配慮を踏まえ利用者の皆様のご意見を伺いながら喫煙所の在り方を検討」なのでしょうか。
なお、「伊豆市 受動喫煙」などで検索してみましたが、ほとんどの自治体で多少なりとも存在はする「受動喫煙対策」のページが、見つかりません。(あればご指摘ください)
会員が書いていましたが、同じ県内の三島市や函南町の公園には灰皿がないそうです。
三島市のサイトはその検索で、路上の対策が出てきました。「路上喫煙はしないでください」
函南町は、出てきません。でも公園に灰皿はないのです。
会員は、公園の受動喫煙撲滅をめざし、再度苦情を入れるそうです。変化がありましたらまたお知らせします。
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓で引いてみてください。
公園が禁煙化、しかし期間限定の「実験」? ~ さいたま市 ’22年8月
抗議あいつぎ喫煙所とりやめ (続報) ~ 宮城県仙台市 ’21年4月
喫煙所の撲滅が進んでいます(“新型コロナ”「喫煙所」「喫煙者」問題その6)=東京都の好例と、まだ閉鎖しない自治体の問題 ’20年4月
各地の自治体(県や市)が「JTから多額の寄付」を受けています=国際条約違反=日本禁煙学会・『赤旗』紙が追及 ’20年8月
「屋外喫煙所」問題に街の声… JTは“受動喫煙は少なく発症はまずない”と…⁈ ’19年5月