内閣府が再調査、タバコ臭は「不快」増加・「喫煙所を減らせ」多数

 タバコの煙(というよりニオイ)が誰にとってもクサイ、ということは昔から当然のことで、こんな調査は前にもありましたが――、(→末尾に過去記事リンクを記載)
あらためて政府が調査、以前よりは「不快」な人が増え、受動喫煙対策を求める割合も増えているようです。

 発表全文はこちらですが、→たばこ対策に関する世論調査(令和4年8月調査)=内閣府「世論調査」= ※末尾に前回調査リンクを載せています。
 初めのほうは受動喫煙ではなくタバコの害などで(6枚目・5ページから受動喫煙に関して)、全文を追いかけていられないでしょうから、以下の報道概略をまずお読みください。

 多くのマスコミが取り上げていますので順に列記します(『共同通信』『NHK』など、早く非公開になるものもあると思いますので)。例によって囲みは抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

 たばこの煙、不快83% 受動喫煙に懸念、内閣府調査
  =『共同通信』2022/11/04=

“ 内閣府は4日、18歳以上の約83%が、たばこの煙を不快に感じているとの世論調査結果を公表……改正健康増進法が2020年4月に全面施行されたが、回答者の半数近くが引き続き対策強化を政府に求めており、多くの国民が受動喫煙に対する不快感懸念を抱いていることが分かった”

“ 調査では、煙を「不快に思う」と回答した人が56%強、「どちらかといえば不快に思う」と答えた人が26%強……男性ではこれらの合計が75%余り、女性では89%余りに”

“ 不快に感じた場所は複数回答で、路上が最多の約70%”

  たばこの煙を不快と感じた場所、7割は「路上」…政府への要望は「受動喫煙対策の強化」が最多
  =『讀賣新聞』2022/11/05 08:09=

“ 内閣府は4日、「たばこ対策に関する世論調査」の結果を公表……煙が「不快に思う」との回答は……83・3%に上った。政府への要望(複数回答)では受動喫煙対策の強化が48・3%で最多

“不快に感じた場所(同)を聞くと、路上70・2%で最も多く、食堂やレストランの50・9%、居酒屋やバーの39・9%、屋外喫煙所の近くが39・4%”

2019年に面接方式で行った調査では、食堂やレストランが6割超で最多だった。20年に改正健康増進法が全面施行され、屋内での禁煙が進んだことが背景にあるとみられる”

“求める対策を複数回答で聞くと、病院・学校・行政機関の敷地内の禁煙が61%、屋外の喫煙場所削減が59・4%で多かった”

 『時事』は他の報道と違う点もあげています。

 路上スモーカーに7割「不快」 受動喫煙対策、半数が強化求める
  =『時事ドットコムニュース』2022年11月05日11時42分= ※元の記事が非公開となったため、別の引用サイトのリンクに差し替えました。

“周囲のたばこの煙を「不快に思う」「どちらかといえば不快に思う」と答えた人は計83.3%で、そのうち不快に思った場所は「路上」との回答が70.2%で最も多く、「食堂など食事を提供する店舗」50.9%、「居酒屋など酒類を提供する店舗」39.9%が続いた”

“改正健康増進法が2020年に全面施行されてから初の調査。改正内容で知っている点を複数回答で尋ねたところ、最多が「多数の人が利用する施設内が原則禁煙になった」72.5%で、19年の前回調査(46.0%)比26.5ポイント増加した。「病院・学校・行政機関などは屋内に喫煙室を設置できない」61.8%、「小規模飲食店は屋内でも喫煙できる店とできない店がある」51.5%が続いた”

“ 政府に求める対策では、受動喫煙対策の強化(48.3%)、未成年者教育(46.8%)、たばこ税増税(38.9%)が上位”

“具体的な受動喫煙対策としては、最多が「病院・学校・行政機関など敷地内の禁煙」(61.0%)で、以下「屋外喫煙できる場所を減らす」(59.4%)、「小規模店舗を含む飲食店の禁煙」(50.7%)”

“ウイルス対策で調査方法を対面形式から郵送に変えたため、前回調査と単純比較はできないとしている”

 路上の受動喫煙が不快という人が増えたのは、決して「路上喫煙が前より増えた」というわけではないでしょう。路上よりもっと身近に煙をあびていた飲食店や職場の禁煙化が進み、受動喫煙のないところを選択できるようになったので、逃げられない路上がきわだつようになったのだとおもいます。

 たばこの煙「不快」8割 内閣府調査、受動喫煙を懸念
  =『日本經濟新聞』2022年11月7日 14:30=

“内閣府は7日までに、18歳以上の約8割がたばこの煙を不快に感じているとの世論調査結果を公表……改正健康増進法が2020年4月に全面施行されたが、回答者の半数近くが引き続き対策の強化を求めた”

“煙を「不快に思う」「どちらかといえば不快に思う」の回答の合計が男性で7割超、女性で9割近くに上った”

“不快に感じた場所は複数回答で、路上が最多の約7割、食堂やレストランなどが5割……居酒屋やバーなどの酒を提供する店や屋外喫煙所の近くといった、たばこを吸う人が多い場所でも約4割が不快”

“政府への要望では受動喫煙対策の強化を選んだ人が約5割で最も多かった。そのうち約6割が路上や公園など屋外で喫煙できる場所を減らすことを求めた”

 NHKは結果を表のようにしてわかりやすくしています。

 たばこの煙は「不快」8割超 内閣府の世論調査
  =『NHK NEWS WEB』2022年11月8日 6時08分=

“内閣府は、たばこ対策への国民の意識を把握するため、ことし8月から9月にかけて全国の18歳以上の男女3000人を対象に郵送やインターネットで世論調査を行い、52%にあたる1556人から回答”

“たばこの煙を不快に思うか尋ねたところ
◇「不快に思う」が57%
◇「どちらかといえば不快に思う」が27%で、不快に感じている人が8割を超えました”

“不快に思った場所を複数回答で尋ねたところ
◇「路上」が70%
◇「食堂・レストランなど」が51%
◇「居酒屋など酒類を提供する店」が40%など”

“政府に力を入れてほしいたばこ対策を、複数回答で尋ねたところ
◇「受動喫煙対策の強化」が48%
◇「未成年者に対するたばこに関する教育の充実」が47%
◇「たばこ税の引き上げ」が39%など”

“厚生労働省は「たばこの煙を不快に思うと回答があった現場の状況や実態調査を見ながら今後の対策を検討するとともに、受動喫煙対策を強化した『改正健康増進法』の認知度を上げていきたい」”

 最後に、マスコミ報道ではなく、高齢者向けの情報サイトから。
 結果をグラフなどでうまくまとめ、解説や助言もあって非常にわかりやすくなっています。

 タバコの煙を不快に思う人は「83%」。場所は「路上」
  =『シニアガイド』2022/11/8 00:00=

●タバコの煙についての世論調査
  内閣府が「タバコ対策」についての世論調査の結果を公開しています。
 2022年8月から9月にかけて、郵送で行なわれた調査には、18歳以上の1,556人が回答しています。
 この記事では、タバコの煙についての回答を紹介します。

●不快に思う人が「83%」
 まず、「喫煙者のタバコの煙」に関する気持ちを聞いています。
 「不快に思う」人が多く、「83%」に達しました。
 「不快に思わない」人は、「16%」です。

●不快に感じる場所は「路上喫煙」
…… 一番多いのは「路上」で、70%を超えました。
 路上ですれ違う人が「歩きタバコ」をしていることが多いのでしょう。
 国内では、東京都千代田区のように、条例によって路上での喫煙を禁止し、2万円以下の罰金を課している例もありますが、まだ少数派です。

“次に多いのが「レストランなど食事をする店舗」で、50%です
 その次が「居酒屋など飲酒をする店舗」で、40%でした。
 現在、原則として飲食店は禁煙になっています。
 しかし、禁煙が守られない場合もあるのでしょう。
 また、小規模な店舗では、店頭で表示をすることで喫煙可能となっています。
 タバコの煙を避けたい場合は、入り口で表示を確認してください

●公共性の高い施設は「敷地内」の禁煙を希望
 最後に、政府に期待する受動喫煙対策を聞いています。
 「病院/学校など公共性の高い施設の敷地内での禁煙」が一番多く、次が「屋外で喫煙できる場所を減らす」でした。
 また、「小規模店舗を含む飲食店の禁煙」も入っています。

 そしてこのサイト記事は、最後にとってもよいことを書いています。 

●もう喫煙者は「17%」しかいない
……「国民健康・栄養調査」では、タバコを毎日吸う人は「15.8%」、時々吸う人が「0.9%」……つまり、タバコを吸う人は、全体の17%ぐらいしかいません。
 一方、「タバコを吸わない」人は「75.5%」に達しています。

“ 国内の喫煙者の割合は、ずっと減り続けており、タバコを吸わない人が大半を占めています。
 今後も、喫煙できる場所や状況は、減り続けていくと考えた方が良いでしょう。

 今回の調査PDF→「たばこ対策に関する世論調査」の概要

 『読売』『時事』があげている2019年前回調査はこちら→やはり皆が嫌がる受動喫煙~「78.4%が不快」内閣府調査
  「78%が受動喫煙は不快」続報

 政府PDF→「がん対策・たばこ対策に関する世論調査」の概要

[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓で引いてみてください。
 「喫煙者といて、不快に感じたことがある」約65% ’22年6月

 最新調査(’21年末)「“分煙”はダメ」一般人の過半数を超える ’22年3月

 受動喫煙の規制は「私権制限」には当たらない “タバコの税が上がるのは…?” ~ 教授・数量政策学者の論説 ’22年8月

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