スイスの一部で屋外禁煙に
スイスは、あんがい遅れていたのですね。
ジュネーブ、バス停や子供の遊び場などの屋外スペースも禁煙に
=『SWI swissinfo.ch』2023/05/05=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“スイス西部ジュネーブでは、6月1日から、バス停、子供の遊び場、学校付近などの屋外も禁煙となる”
“ジュネーブの運動場、学校や託児施設の周囲9メートル以内での喫煙が禁止される。また、屋外プールから9メートル以上離れた場所に喫煙ゾーンが設けられ、バスの停留所でも禁煙となる”
“違反者には、100〜1千フラン(約1万5千〜15万円)の罰金”
“州政府は2022年1月、若者を含め国民の健康を守るため「煙のない健康的な屋外環境」を目指すとし、公共の場での喫煙に関する法律を改正。同法は、来月から施行”
“しかし、レストランやカフェのテラス席での禁煙は適用除外”
“スイスでは約4人に1人が喫煙しており、過去10年の喫煙率は横ばい……喫煙者の大半(57%)は未成年の時に喫煙を始めたという調査結果も”
“2010年5月1日以降、スイスでは、レストラン、公共施設、オフィス、公共の交通機関といった閉鎖された公共の場での喫煙は禁止されている”
プールから離れたところに設置される「喫煙ゾーン」とは何でしょう? ゾーンというと区域とかの意味ですが、日本のようにいちおうは囲まれた「喫煙所」ではなくて、喫煙自由な広場みたいなものでしょうか。
公共施設の屋内では2010年から禁煙、ということは日本初の屋内規制の神奈川の条例(’10年4月施行、罰則は’11年4月施行)と同時期ですが、神奈川と違っておそらくみな禁煙になったのでしょう(先進国はたいていそのようですから)。しかし屋外はようやく子どもの来るところだけで、日本よりは少し遅れているようです(’22年1月に改正があって施行が’23年6月というのも遅いですね)。
そこでスイスの喫煙事情について検索してみると、2019年のこんな記事もありました(上記と同じメディアです)。「喫煙ゾーン」についても触れ、向こうの禁煙団体の人が反対しています。
評判悪いスイスの喫煙文化、観光業にダメージ?
=『SWI swissinfo.ch』2019/05/31=
“観光客は大方のことには満足して帰るが、その例外はスイスの喫煙文化だ。この事実をスイス観光業界はどう認識しているのか?”
“「ただそこにいただけなのに、またも電車を降りた瞬間にタバコの煙。信じられない!」……「どこもかしこも信じられないほど喫煙者だらけ!そのせいで全て美しさが半減」……「他の何をおいても許せなかったのはタバコ。スイス人は健康的だと聞いていたのに、喫煙者が多いしとにかくどこでも吸う。建物の出入り口のすぐそばでも吸うから、出入りするのに煙の壁を通り抜けなくちゃいけない。酷すぎる」”
“スイスでは2010年に施行された受動喫煙防止法により、オフィスや閉ざされた公共空間の喫煙が禁止されている。とはいえ、レストランのテラス席で隣のテーブルから漂う煙が食事を台無しにすることがよくある。ホテルやアパートのバルコニー、屋外のスポーツ・音楽施設でも同じ問題がある。最たる被害者は鉄道駅の利用者……電車内や駅の建物内は2005年に禁煙になったが、プラットホームでの喫煙は完全に合法だ”
“反喫煙団体……会長は、喫煙はスイスのイメージを傷つけると強調……「今日の先進社会では、喫煙は望まれないうえに時代遅れだ。第三者に影響を与えている場合は失礼で思いやりに欠ける」……「我々は駅の『喫煙ゾーン』には反対だ。閉ざされた空間で成人しか入れない『喫煙所』は悲しいことだが反対はしない」”
“受動喫煙を避けたい観光客へのアドバイスは?「ない。どの施設が完全に禁煙かについて、信頼できる情報を得ることはできない。念を押すが、ホテルやレストランが全面禁煙になるべきとは思っていない。周りに迷惑をかけなければ、喫煙室には反対しない」”
あちらでも禁煙、受動喫煙撲滅に頑張っている人たちがいるのですね(当然といえば当然ですが)。
そして同年10月にまた同じメディアから、規制についての報道が。
スイスはつい最近まで喫煙大国だった
=『SWI swissinfo.ch』2019/10/31=
“スイスで喫煙が許可されている場所は、過去20年間で減少の一途をたどっている。政府が標的にしたのは、たばこ企業よりも寛大な消費者たちだった”
“喫煙者のふるまい、社会での立ち位置は過去20年間で劇的に変化した……だが喫煙者の数は1997年から2017年までほとんど変化していない”
“ 1990年代は、職場、公共交通機関、そして病院でさえたばこが吸えた。しかし受動喫煙対策の新しい規制ができたことで、この自由は厳しく制限されることに”
“2010年以降、公共の屋内、また複数の人が職場として使用している場所での喫煙が禁止された。ここには学校、病院、ショッピングセンターが含まれる。レストラン、バー、ディスコにも適用される。ただ喫煙室を設けることは可能だ。今年6月1日からは、指定場所を除く駅構内での喫煙も禁止された”
“規制により、受動喫煙の被害は大幅に減少した。2002年時点では、非喫煙者の26%が少なくとも1日1時間、たばこの煙にさらされていたが、2017年には6%まで低下”
ヘルプマーク、ではなくスイスの国旗です。
(クリックするとスイスの情報が出ます)
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓で引いてみてください。
外国では、屋外も禁煙化がすすんでいます ’18年11月
パリも路上での受動喫煙・吸いがら不法投棄を規制に ’23年3月
外国人が「あり得ない」という日本の受動喫煙 ’20年2月
1箱2000円前後、でも路上は無法喫煙だらけ? ~ ロンドン ’22年8月
“タバコのない国”へ、吸うこともできなくなります ~ ニュージーランド ’22年8月
世界の喫煙率は? 2022年版 ’22年8月
スイスは日本と同じで資源がないため、タバコ産業と政治家が癒着しているのです。(しかし、資源がない国は世界中に多くあるにも関わらず、なぜ日本とスイスだけが癒着したのか、どなたか調べていただけますでしょうか。)
その結果、JTIは日本から撤退したのち、スイスに本社を移しました。スイスが厳しくなれば、JTIもまた居場所が無くなります。
日本に【禁煙カウンセリング】が存在していない原因も、誰も知りませんが、実はスイスが原因です。信じられないと思われますが。日本にカウンセリングを導入した臨床心理学者は皆、スイスのユング研究所に留学したからです。そのため、今は日本心理臨床学会がJTと癒着しています。だから、日本には最も必要な禁煙カウンセリングが存在していないのです。