条例による健康面の効果はごく一部? 限定的? ~ 兵庫県受動喫煙防止条例、今後の対策は
外国では、厳しい“禁煙法”の制定で、受動喫煙・能動喫煙に関連する病気や死者が減少したなどの、健康面の効果があったという報道はよく聞いていましたし=『STOP受動喫煙 新聞』10号(2015年)にネット記事引用(元記事は非公開に)=、日本でも、地方都市での効果はあったはず(“小さな街でも条例は効果的” 入院数減少・罰則なしでも有効 ’20年6月)なのですが――、
神奈川県に次いで施行された兵庫県の受動喫煙防止条例では、健康効果に関しては、神戸市でしかよい結果がなかった、という、困った調査報告がありました。
本当にそうなのでしょうか。他の条例化した都市も、影響がないところが多いのでしょうか? だとしたら、しっかり対策をとらなくてはいけません。
受動喫煙防止条例の効果は限定的?急性心疾患、神戸では減ったけど…
=『朝日新聞DIGITAL』2023年8月23日 11時45分=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“ 兵庫県の受動喫煙防止条例(「受動喫煙の防止等に関する条例」)が施行されてから、急性心筋梗塞(こうそく)などの減少がみられたのは神戸市のみ――。そんな研究結果を、県立尼崎総合医療センターの藤原久義名誉院長らがまとめた”
“ 県では2013年4月、都道府県で2番目に受動喫煙防止条例が施行。学校や病院、官公庁など多くの人が出入りする空間での禁煙が義務付けられ……藤原さんらはその後7年間……急性心筋梗塞と不安定狭心症の入院患者数の推移を地域ごとに分析……神戸市では……約3割減ったのに対し……その他の県内地域では減少がみられなかった”
“ 神戸市と尼崎市が対象の別の研究では、条例の認知度や禁煙店の割合が神戸市でより高かった……「……条例の周知や市民の意識の高さが関係しているのではないか」”
“ 神戸市の担当者は……「他の地域と比べて啓発がよくできていたのかどうかは分からない」と首をかしげた”
“患者の減少は喫煙習慣や高血圧などのリスク要因のないグループでみられ、リスク要因のあるグループでは減少しなかった”
“ 喫煙習慣などがなく健康志向の高い人の方が条例に敏感に反応し、受動喫煙を避ける行動につながったのではないか……「もしそうなら、リスク要因のある人に集中的に広報するなどの対策が考えうる」”
改正健康増進法については、喫煙者のほうがよく知っていた、という調査結果(以下過去記事)があったばかりなのに、不思議ですね。
しかし、喫煙しない人たちのほうが、疾患が減った・健康になった、ということは、わかるような気もしますが、でもそれは条例とは関係ない面もあるのでは、とも思います。
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓で引いてみてください。
法律を知らない人がたくさんいます ~ 「改正健康増進法」施行から丸3年の問題 ~ 「がん研」調査より ’23年6月
条例施行するも、禁煙区域にいまだ喫煙者が多数 「知らなかった」条例の強化策は? ~ 広島県福山市 ’23年4月
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