受動喫煙のせいで化学物質症に! “香害”、有害な柔軟剤・シャンプーでも発症! 専門医が講演
「化学物質症」の問題について(注)、真剣に取り組む医師が講演を行いました。地元紙を引用します。(同紙ネット記事は無料登録で全文が読めます。)
注:私は、「過敏症」という語は、身体・体質の問題であるように表現して、本来の原因物質の有害性から目をそらさせ、企業の責任を隠蔽する、発症者を冒涜する、間違った名称と考え、用いないようにしています。
主催した市民団体の代表の方は、受動喫煙のせいで発症に至ったそうです。
「香害」が大半 化学物質過敏症 柔軟剤、シャンプー…消臭ブームの陰に 小児科医・渡辺さん札幌で講演
=『北海道新聞』2023年10月12日 05:00(10月12日 13:41更新)=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。導入文のあとに医師の講演の要旨が続きます。
“化学物質に体が反応し、さまざまな不調が現れる「化学物質過敏症」。当事者らによる市民団体「化学物質過敏症・電磁波過敏症の生活を考える会」(札幌)は……学習会を開いた。患者を多く診療してきた札幌市白石区の小児科医、渡辺一彦さん(72)が……原因と対策について講演”
“ 1990年代に増加した、建材や塗料で発症するシックハウス症候群は、2003年に建築基準法が改正され、業界の努力もあり激減……一方、柔軟剤や化粧品などの香り付き製品によって、頭痛、めまい、吐き気、しびれなどに苦しむ「香害」の患者さんは、2010年代から急増”
“ 現在、私のクリニックで診る過敏症患者の約8割が、香料に含まれる化学物質が原因で発症……背景には「消臭・香りブーム」が”
“柔軟剤をはじめ、芳香剤、防虫剤、スプレー剤、たばこなど、身近な日用品に香料が使われ、香りの効果が長持ちすることをうたう商品が広がっています”
“アルコール消毒液がきっかけで発症する人も多い”
“ 他人の衣服に付着した柔軟剤やスプレー剤の香りにより、頭痛やめまいが起き、通学できない子がいます。私のクリニックを訪れた19歳の女性は、幼少期から強い香りが苦手で、13歳の時に教室で過呼吸のパニックを起こしました。同級生の使う柔軟剤やシャンプー、ワックスが原因とみられ、頭痛や不眠、手足のしびれで登校できなくなりました”
そして、受動喫煙が発症のきっかけである人の例も。
「極めて微量でも反応するように」とありますが、まさしくその通り、当機構への相談者も「以前はたいして気にならなかったのに」「一度発症してから、すごく鋭敏になった」という人が大半です。
また受動喫煙の被害者と同じ、差別的な見方をされる問題も言及しています。
“ いったん過敏症になると、極めて微量の化学物質でも反応するようになるのが、この疾患の特徴……60代の女性患者は、夫としゅうとのたばこの煙がきっかけで発症し、せき込みや倦怠(けんたい)感、動悸(どうき)が……その後、合成洗剤や車の排ガス、道路のアスファルトのにおいにも反応が出て、家に引きこもるように……この方の娘と息子にも同様の症状が”
“中には家族4代で過敏症という患者も……この疾患には遺伝的な素因があるとみています”
“患者は、周囲から大げさな人、神経質な人などと言われて、孤独を深めることも多い……2次的にうつや不安障害といった精神疾患へ進展する例もありますが、化学物質過敏症は紛れもなく身体疾患です”
“ 日本では09年に化学物質過敏症が病名登録されました。世界保健機関(WHO)は認定していませんが、海外でもドイツやデンマーク、フィンランドなど認定国は増えています”
“原因となる製品を使わない「フレグランスフリー」の先駆けとして、米国の疾病対策センター(CDC)の取り組みがあります。職員約1万5千人に対し、香り付き洗剤や柔軟剤で洗濯した衣類の着用を自粛するよう呼び掛け”
“ これ以上患者を増やしてはいけません。フレグランスフリー社会の実現が求められます。有害な化学物質を含む日用品を開発、販売してきた企業と、それを容認してきた国の責任を追及するとともに、被害者への支援と補償が必要です”
最後に記者によるまとめ。
“化学物質は肺から吸収され、血液を介して中枢神経に到達することで、頭痛や呼吸困難などさまざまな症状を起こすと考えられている。2009年に保険適用となった”
“日本石鹸洗剤工業会……の調査によると、消費者のうち2割近くが柔軟剤を目安の使用量の2倍以上使っていた。同工業会は18年、柔軟剤の自主基準を改定し、適正な使用量を守るよう容器に表示することを各メーカーに促している”
“ 主催した市民団体の代表、原田弘子さん(60)は19年前に職場の受動喫煙がきっかけで発症……「新たに発症した人から日々相談が来る。環境が変わらなければ、患者は増え続ける。まずはこの問題について多くの人に知ってもらい、社会に変化を訴えていきたい」”
『STOP受動喫煙 新聞』42号、大和教授によるNHKの特集の引用記事より
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓やカテゴリーで引いてみてください。
NHKの問題=「受動喫煙」と“香害”(柔軟剤)の助長=に対し、『週刊金曜日』に投書が掲載されました ’19年5月
何メートルも離れていても、喫煙者は被害者を発症させる…!「路上喫煙は絶対にやめてほしい」 ’23年8月
加熱式タバコでも“化学物質症”になります ’19年6月
タバコ臭い人(非喫煙者でも)を不可としたカレー店がとうとう…… ’19年2月
タバコと化学物質過敏症 ’19年2月
私は受動喫煙症、化学物質症で苦しんでおります。
香料つきでない製品でも、香料が付着しているかもしれないと思った体験談をします。
香りつきでないトイレットペーパーのはずなのに、香料の匂いがする。
購入した化学物質症でない(もしくは自覚症状がない)家族も、香料の匂いがすることを確認。
製品のパーケージを確認したところ、パッケージ袋の原料は確認できたものの、トイレットペーパー自体の原材料名の記載は見当たらない。
リサイクルペーパーであることの記載はある。
「無香料」とも、「香料つき」とも記載が見当たらない。
メーカーに問い合わせたところ、次の事が判った。
[商品について]
製造しているトイレットペーパーはピンク(香りつき)と白(無香料)の2種類ある。
(家族が購入したのは白(無香料)の商品です。)
ピンクのトイレットペーパーは、芯に香料をつけている。
白のトイレットペーパーは、芯に香料をつけていない。
白、ピンク共に、ペーパーに香料をつけていない。
ペーパーは再生紙であり、チラシ、模造紙(コピー用紙)が主である。他は混ざっていたとしても微量である。
[製造ラインについて]
白、ピンクともに同一の芯を2手に分けて、
ピンクのラインでは機械によって芯に香料を吹き付けている。
香料をつける機械はカバーで覆われているが、密閉されておらず、上は開いた状態。
香料をつける機械の、白(無香料)製造ラインとの距離は、短いところで、およそ2mである。
白とピンクの製造ラインに、シキイはない。
天井は、だいたい4階建てくらいの高さであろう。
(途中で交代して電話対応して頂いた、工場スーパーバイザーは、粉紙を吸い上げる設備があるので、香料は絶対にもれないと、確信している)
[商品の検査に関して]
最初に、私がメーカーに問い合わせた際、一度、検査機関で検査するので、現物を送って欲しいということだったので、数個、送った。
現物が届いたと、メーカーから連絡があり、また、検査機関は、紙の厚さや、破れやすさなどを検査するが、香料に関しては検査しないとのこと。
事務所の人、10人くらいで確認したが、紙の匂いはするが、香料の香りは一切しなかった。
結局、商品を送ったものの、検査機関での検査はなされず。
香料の検査にはコストがかかる様子なので、わたくは無理を言わず、メーカーの方には確認できる範囲での対応をして頂きました。
[化学物質症について]
あわせて、化学物質症の認知度チェックをしました。
「化学物質症は知らない」
「テレビなどで、シックハウス症候群は知っている」
「テレビなどで、香害は知っている。柔軟剤。」
「(行政などから、香料についての注意や通達などはありますか?)一切ない。」
以上です。
いつもどおり、化学物質症を知らない人には、化学物質症の説明をしておきました。
メーカーとのやり取り終了後、
国民生活センターに、無香料の製品であっても、香料混入の可能性と、柔軟剤以外でも、香料に対する対策や周知が必要である事例として、上記内容を報告しました。
本当に化学物質症なったら大変です。
家族も、面倒くさくなって「慣れろ」だの、「たばこを吸うやつは偉い」などと言う始末です。
受動喫煙させている人は、責任とって下さい。