何メートルも離れていても、喫煙者は被害者を発症させる…!「路上喫煙は絶対にやめてほしい」
化学物質症についてです。(注:私は「過敏症」という、原因物質から目をそらせ、発症者の体や心の問題にすり替える語は使いません)
『週刊SPA』は、社会の禁煙化についてケチをつける記事をよく載せてきた雑誌ですが、ここではいいことを書いています。
「数メートル離れた喫煙者の臭いでめまいが…」化学物質過敏症に苦しむ女性。柔軟剤や香水にも反応
=『日刊SPA!』2023年07月23日=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“ 障害者や難病のハンディを抱えた人との共生社会の実現に向け、世の中は動き始めている。だが、周囲に理解されず生きづらさに悩む実情をどれだけの人が理解しているだろうか”
“事務職の矢沢芳江さん(仮名・34歳)は1年半前に化学物質過敏症と診断され、現在まで会社を休職している。
「7~8年前から、隣のデスクの喫煙社員の衣服についたタバコの臭いで頭痛に襲われるようになりました」
……体のセンサーはどんどん鋭敏化……数メートル離れた喫煙者の臭いでめまいが生じるようになり、会議室の残り香にも耐えられない。頭がふらふらして机に顔を突っ伏したり、自分で何を話しているかわからなくなったり、記憶が飛んだりする症状が急加速していった”“「タバコアレルギーや貧血なのかと思いましたが、ツイッターでこの病気を知って、専門医で診断が下りました。排ガスや人工香料の柔軟剤にも反応するようになり、洗剤関連はすべて無添加に替えました。外に出ることも難しくなり、酷いときは1か月半も家から一歩も出られませんでした」”
“ 今でも通院で月1、2回外出する程度で、コロナ禍が明けても、マスクが手放せない。“コロナ脳”と揶揄されそうで人目も気になる”
“「……外に出られず家にこもりっきりで孤独……会社復帰も難しそうなので、完全リモートの職場に転職するしかありません。大好きな旅行にも行けないし、生きている意味がわからなくなります。どうか強い柔軟剤や香水で苦しむ人がいることを知っててほしい。路上喫煙は絶対にやめてほしいです」”
“無添加”がよいというわけではない
ところで、合成洗剤はじめ人工合成化学物質の害について活動してきた者として、発症するかたが間違えないように補足します。
記事の被害者が、「洗剤関連はすべて無添加に替えました」とありますが、「洗剤」が合成洗剤=合成の界面活性剤であれば、無添加であろうと有害性があります。
「洗剤」でなく、天然の界面活性剤である「石けん」に替える、また石けんすらほとんど使わない生活がおすすめです。(石鹸でも大手などは合成添加物のある商品があります)
なお洗濯用の「石けん」については、基本的に炭酸塩という原料が入っているのですが、それを入れていないで「無添加」と称する石けんにもご注意ください。炭酸塩はそもそも添加物ではなく、無害で、石けんの水での溶けやすさと、洗浄力を良くする、洗濯には必要なものです。まれにある無炭酸塩の洗濯せっけんは絹・毛糸など弱い素材専用の製品であり、値も高くなるのでそれを木綿やナイロンなどの普通の洗濯に使うのは無駄です。(害はないですが)
しかし、そんな“無添加”をうたう企業もあり、それを信者のように人にも奨めて、間違った知識を広めている“自然派”ミーハー・信者がいますので、注意しましょう。(“専門家”ヅラして配信や講演などで広めている輩は信じないように。石けん普及運動の妨害者です)
発症がなくても避けないと危険です
閑話休題、話を受動喫煙に戻します。当機構の会員・相談者でもこの記事の人のように、受動喫煙、三次喫煙で発症して他の合成物質もダメになったという人はよくいますし、逆に外壁の塗装などをしてから発症し、それまで気にならなかった三次喫煙でも症状が出るようになった人もいます。
世間では受動喫煙を気にしない人、発症者を軽視している人が多いですが、大半の発症者も、もともとはそうでした。明日は我が身と思って、“ちょっとクサイな?”の時点から、受動喫煙の徹底的な回避、撲滅への行動を起こすことをお勧めします。
『STOP受動喫煙 新聞』42号記事より
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓で引いてみてください。
受動喫煙で救急車に! 20mはなれていても…路上喫煙の撲滅をツイッターで訴え ’20年1月
タバコと化学物質過敏症 ’19年2月
加熱式タバコでも“化学物質症”になります ’19年6月
NHKの問題=「受動喫煙」と“香害”(柔軟剤)の助長=に対し、『週刊金曜日』に投書が掲載されました ’19年5月
喫煙者に抱かれるとセキが・・・猫も受動喫煙の被害者 ~ しかし飼い主が即卒煙! さらに合成洗剤など合成化学物質も排除へ ’22年7月
『STOP受動喫煙 新聞』42号 ほか