住宅の受動喫煙、「法的な対策」を専門弁護士が解説しています

 いつもわかりやすくて良い法律相談を公開している『弁護士ドットコム』で、
住宅被害への対処法を、受動喫煙撲滅の旗手・岡本光樹弁護士が書かれている記事を紹介します。
 3年前のものですが、現在でも通用します。

 なお、この記事は、文中にリンクのある前記事で、そこの相談弁護士が
“相手方が応じない場合は、引越すしかない”
 との結論を述べていることに対して、岡本弁護士が即、異議の投稿をして、すぐに掲載となったものです。

 マンション隣の喫煙所とのトラブル、岡本弁護士「内容証明郵便を送るなど対策が可能」
  =『弁護士ドットコムNEWS』2016年09月16日=

 以下、要点の抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“ネット上では「じゃあ誰かが隣でずっと落ち葉燃やしてたらどうよ? 怒るでしょ? たばこはなんとなく許される意味がわからない」、「いっそのこと『喫煙者専用住居』にしてしまえばいいのにね」などの声もあがっています”

“受動喫煙に関する紛争をあつかう岡本光樹弁護士は、「今回のようなケースでは、法的な対応はできる」として、次のような対処術を弁護士ドットコムに寄せました。

〈岡本弁護士が考える対処術〉

・弁護士から内容証明郵便を送る。協議・交渉に助力する。

・簡易裁判所の民事調停を利用する。

・訴訟提起によって、喫煙継続を抑止できる場合がある。

・訴訟上の和解による解決もあり得る。

・慰謝料の高額化の可能性もある。”

“「訴訟提起」だけでなく、検討すべき法的手段は複数あります。

まず、弁護士が受動喫煙被害者を代理して内容証明郵便を送るという方法があります。……喫煙継続の違法性に関する法的見解を伝えます。こうした形で、弁護士が、受動喫煙の被害者に助力することによって、解決につながることがあります。

実際、ご本人達がいくら繰り返し要望しても一切改善がみられなかった事案で、弁護士から内容証明を送った途端に、相手は要望内容を受け容れて喫煙所を撤去したという解決事案もありました。”

“簡易裁判所の民事調停を活用するという方法もあります。……調停を活用して和解が成立したという事例もありました。その場合、手続の費用はかなり低く抑えられます。”

“……名古屋地裁の判決は、訴訟提起前に既に喫煙が止んでいた事案です。

他の裁判事件として、店舗入口の喫煙灰皿を問題として路上通勤者が慰謝料請求した本人訴訟の事案で、訴訟提起後、第一回口頭弁論期日前に、被告店舗が当該灰皿を撤去したという事例もありました。

現実には、訴訟提起することによって抑止力がはたらき、被告が喫煙継続を止めるということがあります。裁判開始後も、裁判所の心証を気にせず開き直って喫煙を継続する被告というのは、そう多くないのではと推測します。

このような場合は、お金の問題ではなく、まさに被害者が求めている解決策が実現しているといえます。”

判例は不変の存在ではなく、新たな可能性があり得ます。

職場の受動喫煙に関する訴訟の慰謝料も、最初は5万円の認容額でした……。しかし、その後、職場の受動喫煙訴訟では、80万円(札幌簡裁)、700万円(札幌地裁滝川支部)、50万円(横浜地裁)、100万円(東京高裁)、350万円(大阪高裁)toいった解決金も報道・公表されています。”

● まとめ
……
・弁護士から内容証明郵便を送る。協議・交渉に助力する。

・簡易裁判所の民事調停を利用する。

・訴訟提起によって、喫煙継続を抑止できる場合がある。

・訴訟上の和解による解決もあり得る。

・慰謝料の高額化の可能性もある。”

“事案や相手によって、うまく行く場合、うまく行かない場合があり、勿論、うまく行かない場合も想定しておく必要があります。そうしたことを総合考慮して、相談者・依頼者の方がもっとも納得し得る結論を出すべきだと思います。

私としては、労力や負担の大きい訴訟提起は最終手段と考えて、安易にお勧めはせず、費用の低い、弁護士の内容証明郵便の送付をお勧めしています。”

 以下もご参考まで。

 住宅・タバコ問題解決.net (当サイト「リンクページ」にもあります)

 ’19年9月11日受動喫煙撲滅の弁護士が歩んだ道( 続報『受動喫煙を放置する職場の「そこにある危機」』)

 ’19年7月19日“分煙”では受動喫煙が発生! 職場のこれからの対策は/“喫煙の自由”は?

 ’18年12月13日職場の受動喫煙は「安全配慮義務違反」、損害賠償の可能性あり

 ’19年8月15日住宅や職場などでの受動喫煙被害への対策はあるか?

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住宅の受動喫煙、「法的な対策」を専門弁護士が解説しています” に対して2件のコメントがあります。

  1. パンダ より:

    ユカタンさん、近隣のマンションからも被害を受けているなんて、心が折れそうになりますよね……。
    タバコが禁止にならない限り、受動喫煙は防げません。
    まして受動喫煙症患者は、受動喫煙防止法や改正健康増進法くらいでは、症状が治る事はありません。
    いつタバコ禁止にしてくれるのでしょうか?
    期限の見えない生活に、疲れはててしまう方が先のような気がします。
    タバコを禁止にする時期を先に決めて貰いたいです。

    1. ユカタン より:

      パンダさん、ご賛同ありがとうございます。
      本当に先行き不透明感でいっぱいになり、気持ちが疲れてしまいますよね。
      パンダさんの方も、こんなはずじゃなかった等と思ってしまう毎日だと思います。
      何とか、マナー違反の喫煙者に負けないように、早くタバコからの受動喫煙が完全に悪いものだと指定されれば良いのですが。

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