全トラックを車内「完全禁煙」に=日東物流株式会社
喫煙者が多く、「運転中も、停車中も、車内で喫煙」のイメージがある、トラック運転手。
このたび、全運転手の車内喫煙を禁止するとした会社が報道されました。
日東物流/トラック車内の完全禁煙化を宣言
=『LNEWS』2021年05月31日=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“日東物流は5月31日、……認定された健康経営実践企業として、10月1日より、トラックや社用車など同社のすべての車両で完全禁煙化を宣言した”
“同社では、運行安全管理の徹底や従業員の生活安全向上の観点はもとより、物流・運送業界全体が抱えるイメージ変革やサービスの質の向上の観点から、喫煙による健康問題に積極的に取り組んでいる”
“構内での分煙化はもとより、喫煙スペースの縮小を推進……2018年より社内「禁煙キャンペーン」を展開……昨年度は55.9%まで非喫煙率を上昇させることに成功、現在も非喫煙率100%を目指し、活動している”
いままでもがんばってきたのですね。
そしていよいよ“三次喫煙撲滅”へ。
“そして、この取り組みを拡大させ、喫煙者だけでなく、顧客や家族など、周囲のすべての人びとの健康維持・増進と、更なる物流サービスの向上を図るべく……10月1日より、運転中・運転外問わず、トラック車内を「完全禁煙」とするもの”
“健康リスクや受動喫煙、ポイ捨てなど、大きな社会問題である「喫煙」。特に物流・運送業界では、ドライバーの喫煙率は一般成人喫煙率と比較して3倍近く……業界でもその喫煙状況が問題視されている”
“運転中の喫煙による安全運転上の問題や……とりわけ問題なのは、会話をする際の呼気や、トラックを交替稼働させる際に残留する煙やキャビンに付着するニコチンなどの有害物質による「三次喫煙(サードハンドスモーク)」により、顧客や非喫煙ドライバーに健康被害を与える可能性がある”
「運転中の喫煙による安全運転上の問題」、は、たしかにあります。喫煙中は何度もの片手運転、落としたりすれば気を取られますし、もとより、喫煙者は喫煙中、集中力が欠けます。さらに、運転中に発作が起きたりしたら大変なことになりますが、実際、喫煙者の健康不良による大事故は起きています。
記事に“運送業界は3倍ほどの喫煙率”とありますが、吸わない運転手のほうがずっと多いのですから、同じトラックを利用する人には、受動喫煙・三次喫煙被害があるはずです。
タバコ臭い運転手や、路上停車で窓を開けて吸っているものを見かけたら、そのトラックに書かれた会社へ、「日東物流を見習っては?」と苦情を言えばよいと思います。
【追記】
その後、物流専門の情報サイトでも取り上げられました。
日東物流 保有車両で完全禁煙化 健康経営に積極的に取り組む
=『物流Weekly(ウィークリー)』2021年6月25日=
“同社は、経産省と日本健康会議が共同で実施する「健康優良法人2021」の中小規模法人部門において、「ブライト500」の認定を受けるなど、健康経営に積極的に取り組んでいる”
“2018年から社内「禁煙キャンペーン」を展開、継続的に従業員の禁煙化に取り組むことで、昨年度は55.9%まで非喫煙率を上昇させている”
“今回の車内禁煙化について、「喫煙者だけでなく、お客様や家族など、周囲のすべての人々の健康維持・増進を図り、さらなる物流サービスの向上を目指していきたい」と話している”
なお同ニュースサイトでは「関連記事」として、去年3月のこんな記事もありました。
健康増進と喫煙問題 「受動喫煙をなくす」
=2020年3月31日=
画像は、同社の車ではありません。以前に機構の近くで停車していたどこかのトラック。助手席の人が喫煙しています。(’19年9月)
運転席の人も喫煙しているかはわかりませんが、もしかしたら、受動喫煙の被害者かもしれませんね。
[当サイト関連既報]※他にもありますので、検索窓で引いてみてください。
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