「在宅勤務中も禁煙」法的には? 弁護士が解説
先日お知らせした報道、→仕事中は≪在宅でも≫禁煙です ~ 続く大企業の“禁煙徹底” の取り組み=「野村ホールディングス」「イオン」「味の素」「カルビー」「SOMPOひまわり生命保険」「ロート製薬」「ヤクルト」「すかいらーく」・・・ の追加情報です。
仕事中は家での喫煙も禁止することへの、法的な疑問に弁護士が回答しています。
在宅勤務中も禁煙を求める企業相次ぐ… 素朴な疑問点に弁護士が回答
=『しらべぇ』2021/09/05 05:00=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“齋藤弁護士:……会社の内部ルールなので違法とまでは明確に言い難いのが現実です。喫煙者は非喫煙者と比較して、休憩時間が長いと考えると公平の観点からの措置とも思われますし、副流煙等の防止の観点と説明される可能性もあるでしょう。
とはいえ在宅勤務中なので、ある意味で従前より自由な時間の使い方ができる状況にあります……『禁煙するものと努める』と記載されるのか、『禁煙にする』と定め法的義務に昇華させることは難しいと理解されてきたところを、決断して押し上げた措置ではないでしょうか。”“(記者からの質問)禁煙制限の詳細は明らかになっていませんが、仮に罰則などが設けられた際は違法になるんでしょうか。
齋藤弁護士:過度な制限であると主張することは十分あり得るのではないでしょうか。喫煙の自由は個人の問題であると主張することはできるでしょうが、例えばこれを国が制限をする法律を明確に定めてきた場合、憲法問題にもなりかねません。
……罰則、たとえば給料から相殺などの措置にすることは行き過ぎであると主張するのは十分あり得るのではないでしょうか。”“(記者からの質問)ニコチン依存者などは、ある種治療が必要な病気であるとも言えるのですが、このような方々が企業に対して反論を行う際は、どのような対応をすることが望ましいのでしょうか。
齋藤弁護士:個人の判断で喫煙をしていることを指摘し、これは個人が何を食べる、何を着るなどを判断するのと同等の重要性があると主張する必要がありましょう。
また、実際に就業中タスクが不履行になっていないなど、実害が生じていないことも指摘できましょうし、軽い飲食などが許容されているのと平仄があわないなどと主張するのも一つだと思います”
最後の「喫煙者の反論」の項、「平仄(ひょうそく)があわない」とはむつかしい言葉ですが、ようするに「つじつまが合わない」という意味です。“「軽飲食が許されてタバコがダメとはおかしい!」と反論しては?” ということですが、職場では受動喫煙・三次喫煙があるので論外ですし、在宅勤務ならたしかに言えるかもしれませんが、仕事に集中すべきということや、本人の健康を考えての、罰則を設けない啓発的な規則です。
勤務中の菓子なども度を過ぎれば近い意味になるでしょうが、タバコはもともと、もっと悪いこと。これを機に喫煙者は生活を見直してはいかがでしょうか。
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