〈続報〉イオンの就業中・就業前45分からの喫煙禁止 ~ “人権侵害” 論を弁護士が否定
先日紹介した、全グループ従業員、勤務中禁煙・45分前からも喫煙禁止に~イオン の、続報です。
まずはQ&A式の解説報道。
勤務時間中にたばこ吸えなくなる?
=『NHK NEWS WEB』2021/1/29= ※リンクは非公開となりました。以下の引用のみお読みください。
“イオンは、これまでも千葉市にある本社を全面禁煙にするなど取り組みを進めてきましたが、今回は、グループのスーパーやショッピングセンターの従業員なども含め、合わせて45万人を対象に、就業時間内の喫煙を禁止すると打ち出しました”
“テナントの従業員は、別会社のため対象に含まれませんが、敷地内にあるイオングループの従業員向けの喫煙スペースは、順次、撤去されます。会社は、就業規則の中にも、禁煙に関するルールを盛り込んでいくことにしています”
“就業時間内だけでなく、就業時間の45分前から禁煙するよう呼びかけることにしています”
“喫煙後45分間は、喫煙者の息や衣服などから、たばこの成分が出続けているとして、喫煙の影響が、周りの従業員や来店客に及ぶのを防ぐのがねらいです。ただ、あくまでも協力を呼びかけるもので、禁止までするものではないそうです”
“禁煙に積極的に取り組む企業も増えていて、大手飲料メーカーの「ダイドードリンコ」も……全従業員700人余りを対象に、就業時間中の禁煙に踏み切るなど、就業時間中や会社の敷地内での禁煙をルール化する動きは広がっています”
テナント=入居して営業している別の会社・店=は対象外ということですが、もしテナント従業員がタバコ臭かったら、「イオンは完全禁煙と発表があり、清潔・安心と思って来ていたのに、○○店の店員はタバコ臭かった」と苦情を言ってあげて、全体の改善につなげてあげましょう。
ところで、またもや、“人権侵害だ” という屁理屈が、出ているそうです……?
イオン「就業45分前の禁煙要請」は人権侵害?論争が勃発
=『女性自身』2021/01/27 13:00=
“「より快適で安全・安心なお買物環境をご提供するネクストステップとして、お客さま及び従業員間での望まない受動喫煙と三次喫煙を防止し、国内115社の全事業所における 『就業時間内禁煙』『敷地内禁煙』を実施してまいります」”
“今回、物議を呼んでいるのは“三次喫煙”防止の部分。三次喫煙とは、喫煙終了後に衣類や息などに残留した化学物質を非喫煙者が吸入すること。“残留受動喫煙”とも呼ばれ、同社リリースでは三次喫煙の起こりうる時間を“喫煙後約45分間”としている。つまり今回の施策によって、従業員が就業45分前に喫煙することは事実上不可能となる”
“SNS上では《イオンすごい! 禁煙広まれ!》《イオンの禁煙、続く企業たくさん出てきてほしい》と、イオンの“喫煙対策”を絶賛する声が相次いだ”
“プライベート時間での行動について制限をかけることが“人権侵害”だとする声もあるなか、“当たり前”と真っ向から反対する声もあり、論争状態となっている”
“《イオンの出勤45分前から喫煙禁止で「頭おかしい」「人権侵害」ってツイート散見されるけど、パイロットとかは前日に飲酒禁止だし、杜氏なんかは年から年中納豆禁止だぞ……????》”
出勤前からの禁煙は、すでに他社でも行なっています。
本当に“物議”をかもしているのでしょうか。
そして、弁護士の見解の報道も。
イオン「就業45分前から禁煙」検討 「業務時間外」の会社ルールOK?弁護士に聞いた
=『J-CASTニュース』2021年01月26日20時24分=
“喫煙後に衣服などから発生するたばこ成分を周囲の人が吸い込む「三次喫煙」を防ぐため、就業時間45分前の喫煙もやめさせるといった趣旨の説明もあり、ツイッター上では……異論が噴出した”
“「45分前禁煙」をめぐっては、ツイッター上で「イオンの英断に拍手したい」「接客業でタバコの匂いはちょっとあれだから助かる」「子供いる身、タバコを吸わない身からしたらフレッシュな環境で買い物出来るっていいと思う」と肯定的に捉える声が”
“……弁護士に取材すると、「一般に就業時間外に使用者の権限が及ぶのは限定的な場合と考えられている」としつつ、以下のような見解を示した。
「喫煙者の呼気に含まれる総揮発性有機化合物の濃度が喫煙前の状態に戻るまで喫煙後45分かかるとの産業医科大学のデータ等があり、三次喫煙の悪影響の重大性からすれば就業前の禁煙を求めることにも一定の必要性・合理性があるといえそうです。そのため、就業45分前であれば喫煙禁止を求めることも適切な使用者の権限行使と判断される可能性はあります」 ”“「近年は喫煙の有害性や受動喫煙による健康被害の拡大が叫ばれており、禁煙を求めることについても合理性が認められると考えられております。このような状況の下では、従業員が喫煙機会を失い精神的苦痛を受けたとしても使用者が賠償責任を負うのは、使用者の権限が濫用されたような限定的な場合ではないかと考えられます」”
画像は、別のスーパーチェーン「ライフ」の、煙だだ漏れ必至の店内喫煙ボックス。(会員提供、既出)
会員によると、まだ閉鎖中ですが撤去の見通しはないようです。
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