「電子タバコ」が世界で規制、では「加熱式タバコ」は? 受動喫煙は?
当サイトや『STOP受動喫煙 新聞』でおなじみの研究者、
田淵貴大医師にインタビューされた新記事がありました。 (当サイト関連既報は→末尾にリンク)
外国で「電子タバコ」の販売禁止や規制が進んでいることが連日のようにニュースになっていますが、では電子タバコとは違う、
「加熱式タバコ」はどうなのか? の興味深い論説です。
加熱式タバコ大国日本。電子タバコ規制強まる中で「加熱式」は大丈夫なの?
=『BUSINESS INSIDER JAPAN』=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“日本で普及しているのは電子タバコではなく「加熱式タバコ」だ。クリーンなイメージで販売されている「加熱式タバコ」なら安全なのか?”
“電子タバコと加熱式タバコは呼称こそ違うが、筒状で発熱する電子デバイスを使用したり、煙のような「エアロゾル」(気体中に浮かぶ微小な液体・個体粒子の総称。ベイパーとも呼ばれる)を発生させたり、見た目や使い方も両者は似ており、一般には区別がつきにくい。新型タバコから発生するエアロゾルは、無害な水蒸気ではなく、有害成分を含むミストだ”
“JTの回答は以下だ。
「弊社のPloom製品……は電子タバコではなく、 加熱式タバコ。……アメリカで問題となっている電子タバコとはそもそも異なる製品」これらの回答に対し、長年にわたりタバコ対策の研究に従事する、医学博士で大阪国際がんセンターがん対策センター疫学統計部副部長の田淵貴大氏はこう指摘する。
「『電子タバコと加熱式タバコは違い……問題になって健康被害で訴えられているのは電子タバコの方です』といった説明は、タバコ会社の思惑通りに世論を誘導するための決め台詞でしょう。中身は違うものですとアピールしたいのでしょうが、電子タバコと加熱式タバコには多くの共通点があり、特にプルーム・テックは電子タバコと非常によく似た製品です。さらに言うと、世界的には、むしろ電子タバコよりも加熱式タバコの方が有害だと考えられています」”
“「広告物に『9割以上低減』と大きな文字で書かれていたら、健康にほぼ害がないと誤解してしまう。実際には、発がん性物質など多くの種類の紙巻きタバコと共通の有害物質が加熱式タバコからも検出されている。
……一律に低減されているわけではありません。さらに、加熱式タバコにはニコチンは多く含まれますから、ニコチン依存はどちらにせよ維持されます」
「未知の物質による有害性も懸念材料の一つ。……加熱式タバコからは電子タバコよりも多量の発がん性物質が検出されています」”“田淵氏は、受動喫煙防止の観点からも、「加熱式タバコ大国」の現状に警鐘を鳴らす。
「……空気を読む国民性だからこそ、マナーに配慮したガジェットなんだと擦り込まれてしまう可能性があります。
……子どもや家族への害に配慮して家や車の中でタバコを吸わなかったお父さんが『加熱式ならいいか』と吸い始めたり、『加熱式OK』のレストランが増えたりしています。日本社会はある意味、時代に逆行しています。これだけ加熱式が増えてしまったのは日本だけであり、大きな問題だと思っています」”
田淵氏監修の、最新刊も出ました。
『あなたのため まわりのため 禁煙マニュアル 』150円+税(社会保険出版社)
同書は同社サイト「出版物のご案内」の「たばこ対策」で詳細があり、注文もできます。
[当サイト主な関連既報]
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(他にもありますので、「加熱式」などで検索してみてください)
『STOP受動喫煙 新聞』連載
第27号 – 2019年(7月)夏号 / 第28号 – 2019年・秋号