「例外」に守られる喫煙者
[本記事は、受動喫煙撲滅機構の関係団体の投稿です]
健康増進法が改正され、受動喫煙の防止策が進められている中、当サイトのニュースなどでお知らせしたように、喫煙者を優遇する、法の抜け穴と思われるような例外が大きくまかり通っています。
ニュースでもたびたびお伝えしています。
「臭い」奈良県庁の喫煙所から漏れる煙 専門家は「直ちに撤去すべき」
その例外を振りかざす人たちに対して、疑問視する声が上がっているのが現状です。なんと、法律として成立したことを、スムーズに進めたくない人達、足を引っ張る人達がいるのです。
あきれるばかりです。
昨今では、タバコの煙がどれだけの健康被害を引き起こすのかが、広く知られることとなりました。
それでも、人が集まる禁煙区域でさえ、タバコを吸いたい人たちが存在するのです。
ただ、ルールを守って喫煙をされている方も多くいらっしゃることも事実ですので、ここでいう「喫煙者」は一部の“例外的”喫煙者を対象とします。
タバコを吸うのは自由!・・・そうですね、自由です。ただし、「誰にも迷惑をかけないようにするなら自由ですよ」、ということなのです。病院・学校・行政機関などで屋内の喫煙所が廃止されましたが、タバコを止めることなどできないということで、敷地外で吸っている人達。煙は流れていくのです。敷地外にも人はいます。そのような喫煙者のせいで新たに受動喫煙の被害に遭う人が生まれているのです。
そして、喫煙後にすぐに室内に戻れば、三次喫煙=サードハンドスモークの被害をこうむる人もでてきます。
「三次喫煙=サードハンドスモーク」とは?
映画館で「三次喫煙」有害性が研究で立証 ~ 喫煙者から有害物質が発生しています
ニュース 役場敷地内に“闇喫煙所”!
また、マナーのない喫煙者たちが屋外で違反喫煙をし、そのために近隣からの苦情を受けた側の解決策として、「それなら新たに喫煙所を設置する」という、喫煙者を優遇しているとしか思えない話が出てきます。呆れてしまうくらい、安易で、お金のかかる解決策・・・いや、解決策とは呼べませんね。
このようなことが新たな被害や問題を生み出してしまっています。目先のことしか考えていない、姑息(その場しのぎ)な対応という印象しかありません。
ルールを守らない喫煙者に対しての苦言ばかりになってしまいましたが、私たちは健康な生活を送る権利があります。それを、知らない他人に妨げられるなんて、おかしい・・・そう、とてもおかしいのです。
何故、受動喫煙がこれほど問題になっているのか、もう一度考えてみましょう
そもそも受動喫煙防止に関する法律は、喫煙者を除け者にするためのものでなく、受動喫煙で健康を妨げられることの無いよう、誰もが受動喫煙の被害に遭うことなく安全な環境で生活ができるように、受動喫煙で苦しむ人々を救済することにつながるように、という目的のために作られたものです。法律として成立させなければならない程、受動喫煙は人々に深刻な健康被害をもたらしていたからです。
ちなみに、駅から降りて家路に急ぐ人のタバコの煙は、20メートル以上先まで流れることがあります。
受動喫煙で救急車に! 20mはなれていても…路上喫煙の撲滅をツイッターで訴え
また、吐く息のタバコの臭いが消えるのは最低でも喫煙後45分後と言われています。
喫煙後はエレベーター不可
“分煙”では受動喫煙が発生! 職場のこれからの対策は/“喫煙の自由”は?
さらに、帰宅しても身体や髪には長時間タバコの臭いが残っています。つまり、健康被害をもたらす化学物質が残留しているということです。
あなたの大切な家族が、受動喫煙の被害に遭うことになるのです。
一部の喫煙者の人たちには何も響いていないということがいえます。
また、「一部の喫煙者」というと、ごくわずかの人たちに聞こえますが、被害に遭っている人にとっては、人数が多い少ないの問題ではなく、平気で自分の健康を脅かす人が存在するという、恐怖にも似た体験なのです。
どこまでも平行線が続く論争です
どのようにしたら、理不尽な受動喫煙の被害がなくなるのでしょうか。たとえば、喫煙者だけを雇う会社にする、喫煙者だけが通る道とする・・・しかしこれらは実現できそうにないどころか、あったらおかしな話です。
どこにいても受動喫煙の被害に遭う確率が高いというのが現実なのです。○○にある××会社の社員、または△△店の従業員と特定できれば苦情の申し入れもできますが、思わぬところで被る受動喫煙の被害はどうすることもできません。直接相手に注意をすることも大事ですが、その後に起こる別の被害を想像すると、大半の人がためらってしまうのです。ほとんどの人は、少しの間我慢すれば・・・と声を上げることができないでいるのです。
解決できない、うまく苦情を申し入れることができない、と悩んでいる方は、一度「受動喫煙撲滅機構」へご相談ください。これまでにも受動喫煙で苦しんでいる方の相談に乗り、改善につながった例があります。
たとえ地道な活動でも一歩先に進むことができます。
※相談は、会員制です。入会・『STOP受動喫煙 新聞』のご案内