ベランダ喫煙が“在宅”で増えている!? 被害の実際を大和教授が測定

 この問題、何度かお伝えしていますが、あらたな報道がありました。

 機構への相談では、住宅での受動喫煙の訴えは相変わらず多いものの、ベランダでの喫煙による被害は、ここ数年で激減してきていたのですが……、一部では、増えてしまっているようです。

 おなじみ大和浩教授が解説しています。(大和教授のメルマガ配信でこの記事を知りました。)

 在宅勤務の広がりでベランダ喫煙が問題に 受動喫煙の範囲を実験してみた
  =『Wezzy(ウェジー)』2021.07.08 17:00= ※元の記事が非公開となったため、別の引用サイトのリンクに差し替えました。

 以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“施行された改正健康増進法では、屋外家庭内でも「喫煙する場合は周囲の状況に配慮」することが求められている。中でも、戸建ての住宅に比べて集合住宅の「ベランダ喫煙」は、よりデリケートな問題だ。受動喫煙の害に対する懸念から、住民同士のトラブルも少なくない”

“ 「禁煙研究」の第一人者……大和浩教授によれば、ベランダ喫煙などに関する悩みの声や相談が増加しているという”

“ 「お隣がテレワークで在宅時間が増え、たばこの煙や臭いの量が以前よりも増えた」「近隣の方の喫煙が増え、ベランダに衣類を干したり、窓を開けて換気しづらい」などの声が挙がっています。

 ところが、喫煙者の中には、「自宅での喫煙は自由」「自宅で吸って何が悪い」「他人には迷惑をかけていないはず」と考えている人は少なくありません

 “自宅で何をしようと勝手”という喫煙者の精神は、情けないですね。
 「他者迷惑が及んでいる」という視点がないのです。
 (被害者も、それを言われて引っ込む人が多いのが問題です。自宅内・自分だけのことではなく、「他者への被害」であるという視点・姿勢を、被害者も持ちましょう)

 そこで、教授は、実証実験を行いました。

“ では、はたして“迷惑をかけていない”のは本当でしょうか?
 そこで、集合住宅のベランダで喫煙した際に一つ上のフロアと同じフロアの隣家の受動喫煙を評価する実験を行いました

“2階のベランダ(①)でたばこを1本ずつ5本、約30分間燃焼させ、その間に、発生する微小粒子状物質(PM2.5)を、次の5カ所で同時に測定しました。

 「燃やしているベランダ①」「上階のベランダ②」「窓を開けた室内③」「同じフロアの隣家のベランダ④」「窓を開けた室内⑤」です

“結果、ほぼ無風からそよ風が集合住宅に向かって吹く状態では、2階から3階への拡散だけでなく、同じフロアの隣家のベランダへ、そして開いた窓から流入して室内でもPM2.5濃度が高くなることが分かりました。
 明らかな受動喫煙発生することが認められたのです

“ 上階よりも同じフロアの隣家のPM2.5濃度が高かったのは、たばこの煙が避難通路壁の隙間から隣家に拡散したためと考えられます”


 画像は『STOP受動喫煙 新聞』32号制作時にいただいた実験の様子(この画像は未掲載)。

 屋外でも遠くまで煙が及ぶという、別の実験も紹介。

“ 別の実験ですが、喫煙地点から水平方向風下で4m、11m、18m、25mのそれぞれの地点で受動喫煙の影響を測定したところ、風下25mでも受動喫煙が認められています”

“ 一般的なイメージよりも遠い場所で「望まない受動喫煙」が生じていることがおわかりいただけたと思います。
 これでは、喘息や過敏症がある人は通常の生活ができません

“しかし、受動喫煙に悩む人の中には、トラブルを怖れて注意できないケースも多いようです。喫煙する方は、そんな周囲の状況に配慮してほしいものです。改正健康増進法では、屋外家庭でも受動喫煙が発生させないように配慮する義務が発生しています”


 画像は『STOP受動喫煙 新聞』20号掲載の大和教授の実験データ(掲載にあたりデザインしたもの)
 
☆このベランダでの実験は、『STOP受動喫煙 新聞』第32号(’20年10月)の大和教授の連載記事でも掲載しています。

[当サイト関連既報]※他にもありますので、検索窓で引いてみてください。
 「在宅で受動喫煙」問題・その3 ~ 家族・他人がいないところで吸っても「三次喫煙」の被害がある ’20年6月

 ベランダ喫煙「“緊急事態”宣言中の地獄」・・・解決法は? ’21年5月

 ベランダ喫煙を法的に禁止させるには ’21年1月

 ベランダ喫煙に、慰謝料は?! ’18年6月

 ベランダ喫煙の撲滅を~地方紙が特集 ’20年12月

 いまだある「ベランダ喫煙=“ホタル族”」に激怒の声 ’20年9月

 受動喫煙のある・「喫煙者が隣に住んでいる」物件は “入居の前に知らせてほしい!” アナウンサーが番組で訴え ’21年6月

 住宅や職場などでの受動喫煙被害への対策はあるか? ’19年8月

STOP受動喫煙 新聞』 季刊・年1200円
 さらなる情報が読める! 各種サービスがある、当機構への入会=『STOP受動喫煙 新聞』のご購読=をおすすめします。

 ☆画像はクリックで「紙面案内・入会特典」ページが開きます。

コメントを残す

* が付いている欄は必須項目です。
アドレスは公開しませんが、内容確認の場合がありますのでご記入ください。
(名前は記入されたまま公開します。過去のコメント集「被害者のコエ」参照)
公開は内容確認後となります。若干の要約・修正や、公開しないこともあります。
※公開向けではない個人的な相談や意見は「お問い合わせフォーム」へお願いします。
※受動喫煙と関係ないこと、喫煙の非難などは書かないでください。

当機構からの回答や連絡は、必ずあるわけではありません。
投稿の方への、一般の方からの助言・ご意見・励ましの言葉も歓迎しています。
(その方のコメント末尾「返信」をクリックして投稿してください)

※公開したコメントの削除は基本できません。
 (より良くするための修正は検討します)
 コメント文の転載等その後の使用権は、当機構が有します。
 無断転載を禁じます。

*