ニュージーランドのタバコ撲滅政策の理由は ~ 石田記者が解説

 ニュージーランドが、タバコ販売の厳しい規制を始めるとの報道は先日お知らせしましたが、
  →“タバコのない国”へ、吸うこともできなくなります ~ ニュージーランド’22年8月22日

 おなじみ石田記者が、法案の内容、制定の理由などについて、詳しく解説しています。

 ニュージーランドはなぜ「強力にタバコを禁止する」のか
  =石田雅彦ライター、編集者 8/29(月) 12:24=

 以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“ ニュージーランド(アオテアロア)政府が議会に提出した喫煙防止法案が話題になっている。これは2009年以降に生まれた子どもは、一生涯、タバコを吸うことを禁じるという法案だ。なぜ、ニュージーランドは喫煙に対し、このように厳しく臨むのだろうか”

“2009年以降に生まれた人に紙巻きタバコを販売した人は15万ニュージーランドドル(日本円で約1270万円)以下の罰金になる可能性があり、同じ年齢の人に無償で譲った場合は5万ニュージーランドドル(約424万円)以下の罰金になる可能性があるというもの”

“加熱式タバコと電子タバコなどは適用外になっている”

 全部のタバコということではないのが不思議です。暫定的なのか、それとも、ニコチン依存の撲滅よりも、受動喫煙の軽減が目的で、加熱式・電子タバコは受動喫煙がないと思ってのことなのでしょうか。

 そして、同様の法案が他国でも進んでいると。

“ 同様に、デンマーク政府は、2010年以降に生まれた人へのタバコ製品の販売を禁じる法案を検討中とされ、マレーシア政府も2005年以降に生まれた人へタバコ製品の販売を禁じる措置を検討中”

“ ニュージーランド政府の今回の動きは、同政府が進める……健康推進計画による……喫煙率を2025年までに5%未満にし、タバコ販売店を現在の10%以下にするという目標”

“同国では受動喫煙を含む喫煙により、毎年約5000人が死亡しているとされ、特に先住民族であるマオリ族や太平洋諸島の住民の健康被害が大きく、これを是正するために提案された”

“ ニュージーランドの喫煙率は、マオリ族、太平洋諸島の住民、白人、アジア人などで大きく異なっている。1980年代の調査ではマオリ族の肺がんの罹患率は世界で最も高く……マオリ族の喫煙率は12歳以上の男性で57%、女性で63%……現在も同じ傾向が続き、毎日喫煙する人の割合は、マオリ族で22.3%、太平洋諸島の住民で16.4%、ヨーロッパ系などの住民で8.3%、アジア系住民で3.9%”

“経済格差による健康格差の影響も大きく、最貧層地域の住民の喫煙率は最富裕層地域の住民の約6倍”

“ 2010年……全体の喫煙率は減少しているが、マオリ族と太平洋諸島の住民の喫煙率は逆に高くなっていた……特にマオリ族の女性の喫煙率は高く、肺がんの発生率も世界的に高い。同調査では、妊婦の喫煙による胎児への悪影響、子どもへの受動喫煙なども問題視され、マオリ族の伝統的な長老文化も破壊される危険性があると指摘”

“ こうした背景があり、ニュージーランド政府は、2020年8月11日に新型タバコを含む厳格なタバコ規制を新たに打ち出し……国民が参加した議論の末に……プランを始めた……”

“法案を提出した同国保健省は「この施策がタバコ産業への強いメッセージになる」としている”

“ 今回の法案は……ACT党以外の賛成を得て成立すると考えられ……可決されても立法までに、国民も参加する専門家などを交えた委員会が設置され……順調にいけば2023年に施行されるという”

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