喫煙所を避難所に?! 東京・大阪で開始…!!
「防災喫煙所」なるものを企てたそうです。
災害時に、避難所とするということでしょうか?
ならば、中に入った一般のタバコなんか吸わない人=子どもや体の弱い人も=は、喫煙所の内側に染み付いたヤニからの三次喫煙にあうのは確実です。
そのさいは、確実に禁煙になるのでしょうか。常識的に考えればそうでしょうが、記事はそれには触れていません。
禁煙にしていても、習慣的に吸いだす奴がいるかもしれませんし、喫煙場所がなくなるわけですから、すぐ外で吸いだす奴がいるでしょう。
そして、すでに東京と大阪で実施、ということは、「防災」名目で各地に増えていくかもしれません。
問題山積みと思えますが、記事はぜんぜん言及していませんね。「報道」ではなくタダの「広報」です。
喫煙所が防災拠点に!? JT、墨田区と大阪に「防災喫煙所」地域住民に防災情報を発信
=『TOKYO HEADLINE』2022.09.01=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“JTは1日、JT東京支社……と大阪市北区の計5カ所の喫煙所を防災情報を発信する「防災喫煙所 イツモモシモステーション」としてリニューアルした”
“JTによると、日頃から地域社会の一員としてさまざまな活動を推進し、地域住民にヒアリングする中で共通課題としての「地域防災」が浮かび上がった。そこで地域との接点である喫煙所と地域防災をかけ合わせた新たな取り組みとして、防災プログラムを開発するNPO法人プラス・アーツと連携し、昨年6月に「防災喫煙所」プロジェクトをスタート”
“「イツモモシモステーション」は街の拠点に設置されて一定の広さがあり、一定の人が滞在する公共喫煙所の特性を生かし、普段は喫煙者と非喫煙者の距離を保ちながら、もしもの時に地域住民を助ける”
“JT東京本社とたばこと塩の博物館の周辺一体が東京都の「避難場所」に指定されたことを受け、今回、JT東京本社に併設された喫煙所2カ所を「防災喫煙所」にリニューアル”
JTの「防災喫煙所 イツモモシモステーション」が墨田区に誕生! = 内覧会レポート
=『ASCII.jp』2022年09月02日 18時00分=
“「イツモモシモステーション」とは、街中にある喫煙所に防災機能を付与する、JTと地域によるプロジェクト。防災情報の発信や、防災設備や備蓄品の整備など……喫煙所から防災の取り組みを推進するもの……第一号として、JTと墨田区が協力して実現した”
「防災情報の発信」といったって、そこに貼ってある情報なら、喫煙者しか見られないのではないですか。
そして反・禁煙運動の記事を続けてきたマスコミも。
「防災喫煙所」が地域貢献の新たな場に!喫煙所から始まるユニークな防災対策
=『日刊SPA!』2022年09月06日=
“本年9月1日……から利用可能となった。JTとしては、……新しい価値を生み出したい。デザイン仕様としても新たな機能性のある喫煙所として完成した”
“入っていくと、喫煙できるスペースと大きな灰皿が1つに、周囲の壁は4コマ漫画のイラストを使用した……かつてはヤンキーが溜まり場で喫煙しているダークなイメージとは大きく一変した印象”
“ JT東京支社長……「より多くの人を巻き込んで正しい情報を取る手段として大変に有意義なものとして仕上がりました」”
“喫煙所の整備を通じて地域や社会に貢献する”
“まだまだ街の至る所では、ただ最低限度のスペースに喫煙者が入りきらずにごった返している喫煙所が多い。たいへんに危ない感じもする現行の喫煙所よりも、せっかくの良い取り組みなのだし、これからもっと各地に広がってほしい”
“「……そう遠くない時期に第2弾第3弾もお届けすることをお約束致します」(JT担当者)”
「多くの人を巻き込んで」って、巻き込む意味が違うのでは。
この情報を見たベテラン活動者から、
「タバコ製品・喫煙所の正当化」
「タバコ失火による火災の隠ぺい工作」
「防災ネタをベタベタつけて、禁煙勧奨ポスターを貼らせないようにするもの」
との意見が寄せられました。
なるほど、大和浩教授も『STOP受動喫煙 新聞』連載37号で、「喫煙所の中には、タバコの害や禁煙外来・禁煙商品など、卒煙につながる情報を多く貼るべき」と主張されていますが、防災の名目でそれを阻止させているのでしょう。
そして、大阪の“広報”。
大阪・梅田の喫煙所が「防災喫煙所」にリニューアル 一服のひとときに「もしも」を考える
=『まいどなニュース』2022/09/02=
“阪急グランドビル28階・31階、阪急三番街北館地下2階の合計3カ所の喫煙所を、『もしも』の時に役立つ防災情報を発信する「防災喫煙所 イツモモシモステーション」にリニューアル”
“「『いつも』は寄る場所、『もしも』の時は頼る場所。」をコンセプトに、街の喫煙所に防災機能を付与することで新しい価値を生み出す”
“防災情報の発信として、内装と外装にそれぞれ防災行動の呼びかけや、災害時に役立つ情報を標語やイラスト等で掲示”
JT、梅田エリアの喫煙所をリニューアル 防災情報発信の場に
=『梅田経済新聞』2022.09.03=
“ JT……は昨年6月、……防災情報を発信するNPO法人プラス・アーツ(神戸市)とコラボし、喫煙所を災害時の「帰宅支援ステーション」や、平時の「防災情報ステーション」として機能させるプロジェクトを立ち上げた”
“ 梅田地区エリアマネジメント実践連絡会(西日本旅客鉄道、阪急電鉄、阪神電気鉄道、一般社団法人グランフロント大阪TMO、大阪市高速電気軌道=大阪メトロ)が展開する「梅田防災スクラム」と連携し、掲示内容やイラストを制作した”
いろんな大企業・組織を巻き込んでやっているのですね。
JTと組んだそのNPOのサイト→防災喫煙所 イツモモシモステーションの情報がダイヤモンド誌にて公開されました!
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓で引いてみてください。
“障碍者の福祉”活動にタバコ会社がからみ、喫煙所を増設 ~ 東京都墨田区 ’21年12月
タバコ会社が喫煙所を寄付! 「煙ない社会を」? 知事が感謝状…?! ’20年10月
“JT出資の喫煙所は「必要」” と市長が言明 ~ 宮城県 仙台市 ’21年3月
「世界遺産の町」の、加熱式タバコ会社と癒着した喫煙所設置「協定」に、「日本禁煙学会」が破棄を要請 ’21年8月
各地の自治体(県や市)が「JTから多額の寄付」を受けています=国際条約違反=日本禁煙学会・『赤旗』紙が追及 ’20年8月
喫煙所があっても「ポイ捨て」「路上喫煙」の解決にはなりません ~ 論説・ジャーナリスト石田雅彦氏 ’22年5月