タバコさぼりは給料泥棒?! 喫煙者を雇わないことは合法、では違反の処分は?

 同じようなテーマの記事はいままでもありましたが、あらためて。(→末尾に過去の関連記事リンクを記載。)
 つまりこの問題は近年、多く関心がもたれているということでしょうね。

 後半、喫煙者を雇わないとすることはどうなのかも述べています。

 タバコ休憩は給料ドロボーなのか?(桐生由紀 社会保険労務士)
  =『シェアーズカフェ・オンライン』2023/06/26 17:43=

 以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“「タバコ休憩は給与泥棒じゃないんですか?」……日に何回も行っているのに残業時間はきっちりつけるのは納得がいかない……「非喫煙者はお昼休憩しかないのにずるい」と他の社員からの不平不満の声も出て困っているとのこと……そこで雇用の専門家である社労士の立場から、仕事中のタバコ休憩の扱いやタバコを吸う人と吸わない人が不満を抱かない対策について法的な視点から考えたいと思います”

“休憩と言っても「自由に過ごすことが出来ない時間」は、休憩ではなく労働時間になります。例えば、お昼休憩中に交代で電話当番をする場合や接客業でお客様が来るまでお店で待機しているような時間は休憩ではなく労働時間と判断されます”

“自席で同僚と雑談したり、お菓子を食べたり、コーヒーを飲んでリラックスしたりすることはあるでしょう。こういった行為は休憩時間とみなされません。仕事の指示があればすぐに戻って対応したり、電話がかかってきたら取らなくてはならないなど、いつでも仕事をすることができる状態だからです”

“他の私的行為と違いタバコ休憩が目の敵にされてしまうのは、自席を離れて喫煙所に行くからです。またトイレ休憩と違い生理現象だからやむを得ないという理屈も通用しない”

“「労働時間」とは、業務時間中に仕事に従事している時間の他に、仕事中ではないが業務の指示があればすぐに仕事ができる状態で待機している時間(手待ち時間)も含めて労働時間とされています……例えば、お昼休みに電話番をするために席にいて電話が来たらすぐに出る必要がある状態や、飲食店のスタッフがお客様がいない時間帯にお店で待機している状態などは、仕事をしていなくても労働時間(手待ち時間)として扱います”

“「タバコ休憩」についても喫煙所が近くにあり、すぐに業務に戻れる状態であれば労働時間として認められるケースが少なくありません。

一方で喫煙のために職場を離れ、戻るまでに相当の時間を必要とする場合は、休憩時間と判断される場合があります”

“業務時間中は会社の仕事に集中しなければならないという「職務専念義務」があり……簡単に言うと「仕事中は仕事に集中しなければならない」という義務です”

“喫煙の頻度があまりにも多い、一回あたりの時間が極端に長い等、明らかにモラルに欠けている人に対しては、会社として「職務専念義務」の観点から指導したり、タバコ休憩の回数や時間のルールを設けるなど対策も考えられます”

 どうもこの回答者は、喫煙サボリ者の側に立ったような、なだめるような書き方をしているきらいがありますが、結論としては上記引用のように、違反になるほどであれば禁止できるということです。

 次に、喫煙者を採用しないことはどうなのか。

“会社として禁煙が絶対に必要だと考えるのであれば、「喫煙者は採用しない」というのも1つの手段です……企業には「採用の自由」があるため、採用条件は企業が自由に設定できるのが原則です。誰を採用するか(不採用にするか)は企業側の自由なのです”

“「採用の自由」にも以下のような制限があります。

・年齢制限をすること(一定の場合を除く)
・性別を条件とすること
・本人に責任のない事柄や思想信条に関して情報を取得して判断要素にすること

今回の「タバコを吸うこと」は制限のどれにも当てはまらないため「喫煙者を採用しない」という条件は、ただちに違法にはなりません

応募資格として「〇〇の経験者」などと必須の条件が書いてあることがありますよね。この応募資格を「非喫煙者」にすることで、喫煙者は採用しませんというメッセージになります”

“ただし、採用後に喫煙者であることが発覚したとしても、それをもって即クビにしたり、喫煙したからといって処分をすることは難しいので注意しましょう”

 しかし、記事にある「応募資格」を偽った、経歴詐称みたいなこと、解雇にもっていってもかまわないのではないでしょうか? そんなやつ、人間的にも信用できませんし。
 採用時に違反発覚時には処分する、としておけばいいのではないでしょうか。


 
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓で引いてみてください。
 単なるサボリの喫煙室、廃止・社内完全禁煙化は正当 = 社労士「“労働条件の不利益変更”に当たらない」 ’21年6月

 “タバコさぼり”がいつまでもなくならない「日本の問題」 ~ “少しの勇気で環境を変えられるなら、賭けてみる” ’23年5月

 仕事サボリ喫煙者の発想→ “自由に吸えたものを、わざわざ外に吸いに行ってやってる” ’23年3月

 “タバコ休憩”は違反行為 ≪「職務専念義務」違反≫ ~ 法律サイトより ’21年1月

 「喫煙者は採用しない」は法的にも問題なし(弁護士見解) ’18年10月

 “喫煙者「採用不可」”、75年前から禁煙推進、16年前からサイトで告知 ~ 「岐阜セラツク製造所」 ’22年2月

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