加熱式タバコも電子タバコも被害あり「安易に手を出すな」研究医が提言
「加熱式タバコ」と、「電子タバコ」=両方まとめて“新型タバコ”といいますが、この言い方は「新」という好印象を持たせる感があり、あまり使いたくありませんね=について、以前の『STOP受動喫煙 新聞』連載や当サイトでおなじみ、この問題を深く追及されている田淵医師の記事がありました。※末尾に過去の関連記事リンクを記載。
健康に悪影響、明らか~新型たばこ、安易に手出さないで(大阪国際がんセンター 田淵貴大医師)~
=『時事メディカル』2023/08/26 05:00=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“臭いや煙が少ないといった理由で、新型たばこを吸う人が増えている。だが……田淵貴大医師は「新型たばこが有害物質を発生させることは明らかです。安易に手を出さないで」と警鐘を鳴らす”
“ 新型たばこには、主にたばこの葉を使う加熱式たばこと、使わない電子たばこの2種類がある。国内ではニコチンを含む電子たばこの製造販売には医薬品と同様の認可が必要なため、ニコチンが含まれるのは原則として加熱式たばこのみ……霧状の微粒子「エアロゾル」を発生させて吸引する仕組み”
“ 日本では加熱式たばこの販売が2014年に開始された。禁煙できずに、紙巻きたばこと加熱式たばこを併用する人が多い一方、電子たばこはあまり普及していない”
“インターネット調査で加熱式たばこの使用率は15年から20年の5年間で0.3%から10.9%に増加した”
“19年国民健康・栄養調査で、喫煙者の加熱式たばこ使用率は20%を超えた。20~30代では男性が約40%、女性が約50%”
有害性、受動喫煙について。
“有害性については、「販売開始からの期間が短く、長期使用による健康への影響を実証するためには今後の研究、調査を待つ必要がありますが、ニトロソアミン、ホルムアルデヒドなどの発がん性物質が含まれており、健康への悪影響は明らかにあると考えられます」”
“ 20~69歳の約10%がほとんど毎日加熱式たばこによる受動喫煙の害にさらされていることも分かっている”
“ ◇禁煙には「逆効果」
喫煙者の多くが禁煙の足掛かりとして新型たばこを利用しているが、「紙巻きたばこに比べてニコチンが少ない加熱式たばこは、紙巻きたばこより使用頻度が高くなることが報告されています。加熱式たばこを吸っているとニコチン依存で禁煙しにくくなり、紙巻きたばこを再開しやすくなる可能性があります。また、親が新型たばこを使用していると、子どもも吸いたくなるという懸念もあります」”
なるほど、先端から煙(副流煙)が出ない加熱式タバコは、害がなさそうに見えるし、めずらしい機械のようで子どもは興味をそそられるのでしょう。
なお、加熱式タバコのほうが卒煙しにくい、ということの、原因については、別の見解もあります。当機構会員の禁煙外来医師から、加熱式タバコ使用の患者はみな卒煙に失敗する、と聞いたので、活動者らに伝えたところ、別の高名な禁煙外来医師からその衝撃的な理由をうかがったことがあります。以下の記事に書いていますのでお読みください。
紙巻タバコを加熱式タバコのように吸える器具…? 受動喫煙は? / 加熱式タバコのほうが卒煙できない!? ’22年8月
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓で引いてみてください。
加熱式タバコの問題を暴く本が出ました ~ 田淵貴大医師(大阪国際がんセンターがん対策センター)著 ’19年3月
『職場の受動喫煙対策』第5回(田淵医師、最終回)=「社内禁煙と加熱式タバコへの対応」は? ’19年10月
加熱式タバコの受動喫煙=悪臭の上に発ガン成分…“室内可・安全・迷惑にならない”はすべてウソ! ~ 大和浩教授が実験をもとに解説 ’22年12月
加熱式タバコの「大誤解」を暴く 周囲への受動喫煙、健康被害は紙巻タバコ同様に ’22年10月
“新型タバコ”=〈加熱式タバコ〉と〈電子タバコ〉=について、「正しい知識を持ちましょう」~ 自治体広報~奈良市(大和浩教授の研究を参考) ’21年2月
加熱式タバコは紙巻タバコ同様に有害 ~ 甲子園違反県議の地元紙が医師の指摘を掲載 ’22年11月
“ニセの禁煙店” ・・・「禁煙」としているのに加熱式タバコはOKというインチキ店にご注意! ’23年1月