加熱式タバコの受動喫煙=悪臭の上に発ガン成分…“室内可・安全・迷惑にならない”はすべてウソ! ~ 大和浩教授が実験をもとに解説
先日、大和浩教授が保健・医療のサイトで、職場の喫煙・受動喫煙問題について書いている記事を紹介しました。
→職場の受動喫煙撲滅はどう進めるか~大和浩教授が解説 自宅での他家への受動喫煙も言及
そのシリーズの第三回で、今度は加熱式タバコについて書かれていました。主に受動喫煙に関する点を引用します。
No.3 「加熱式タバコ」がもたらす害について
産業医科大学 産業生態科学研究所 教授 大和 浩
=『保健指導リソースガイド』「オピニオン/保健指導あれこれ」2022年11月07日=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“ 紙巻きタバコは天井まで立ち上る副流煙と口から吐き出される呼出煙があきらかに視認できること、強烈な刺激臭があることから非喫煙者が居る閉鎖空間の禁煙化が進んだ”
“ 職場の禁煙化は常識となり、敷地内禁煙の企業も増え……改正健康増進法(2020年)が施行されたことで……居酒屋の禁煙化も進みつつある”
“ところが、その流れに逆行するかのように大手のタバコ会社が……加熱式タバコの販売を始め、それを使用する人が急増している”
なぜ「急増」したのか。“良いモノ”と思っているのか? その事実は。
“調査では若〜壮年層の半数弱が加熱式タバコに切り替わった、あるいは、紙巻きタバコと併用していることが報告……数千円もするデバイスと、1箱580円もするスティックを購入して加熱式タバコに切り替える/紙巻きと併用する理由は以下の3点と考えられる。
●周囲の人への迷惑になりたくない
●自分への健康被害を軽くしたい
●紙巻きが吸えないところでは加熱式でニコチン補給をしたい”“本当に「空気を汚さない」のか
加熱式タバコはグリセロール(独語では「グリセリン」)などの有機溶剤を加熱して、発生するエアロゾル(霧・ミスト)にニコチンを乗せて肺に届ける仕組み……広告では「空気を汚さないので室内で使うことができる」とアピールしているが、加熱式タバコからも受動喫煙に相当する二次曝露は発生している”
“呼吸器は、口〜喉〜気管〜気管支〜肺胞と連続しており……1回の呼吸量は500mlだが、気管支までしか吸入されなかった約150mlの空気は次の呼気にそのまま呼出される。
つまり、……加熱式タバコのエアロゾルを含む空気の約3割は、肺胞での吸収が行われずにそのまま呼出されてくるのだ”“口元から30cmほど白いエアロゾルが呼出される様子が視認できるが、部屋の照明を落として、背後から二次元に拡がるレーザー光線を照射すると写真のように呼気の勢いに乗って約2m先までエアロゾルが呼出される様子が確認できる。
”“周囲には加熱式タバコ独特の嫌なニオイ、つまり、加熱式タバコの有害な成分が拡がる。その中には、図に示すようにホルムアルデヒドやタバコ特異的ニトロソアミンなどの発がん性物質も含まれている”
“加熱式タバコにも発がん性物質は含まれる
……もう一つのアピール「有害性成分90〜95%低減」は、「病気のリスクも大幅に減少する」ことを期待させるためのフレーズである。しかし、さきほどの図で示したように、加熱式タバコにも発がん性物質が含まれている。
発がん性物質は「5〜10%に減らしたから口に入れてよい」というものではない。たとえば「排泄物の量を1割にしたから」といって口に入れるだろうか? 発がん性物質は一切摂取しないことが大切なのだ”
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