市内「路上全面禁煙」に“異例”の賛否? ~ 大阪市・パブコメ(意見公募)結果公開
万博に合わせて、という、大阪市内の全路上の禁煙化(主な既報は末尾に記載)について、行われていたパブコメ(意見公募)の結果が出たそうです。
“他都市では、禁煙に賛成のほうが多くなるものなのに、大阪市は賛否の割合が近い。これは珍しい”、と、タバコ業界が言っています。そうなんですか。
大阪市路上喫煙全面禁止めぐり異例の賛否拮抗 噴出した反対派の切実事情
=『THE SANKEI NEWS(產經新聞)』2023/12/18 08:00=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“大阪市が2025年大阪・関西万博直前の令和7年1月から実施を検討している市内全域の路上喫煙禁止……パブリックコメント(意見募集)の結果、「賛成」と「反対」が拮抗(きっこう)した……拮抗するのは異例で、大阪市民の喫煙率が全国平均を上回っていることや……飲食業界からの反発が背景に”
“市は一部地域で導入している路上喫煙禁止の対象地域を市全域に広げるため、条例の改正を目指し……パブリックコメントを実施。延べ545件の意見が寄せられ、市は11月30日に結果を公表した”
“ 路上喫煙の全面禁止について「賛成」が69件……千円の過料では「極めて不十分」とする意見も6件……「反対」は88件”
“ たばこ業界関係者……「……他の自治体で同様のパブリックコメントを行えば、禁止に賛成する意見が多くなりやすく、大阪市のように賛否が拮抗するのは珍しい」……市民の4年の喫煙率は17・7%で全国平均の16・1%を上回っており、そうした背景も結果に影響した可能性が”
“「条件付きでの賛成」も27件……条件とは公衆の喫煙所の整備だ。こうした分煙環境の必要性を指摘する声は賛成派、反対派の双方に見られ、「禁止するだけでなく喫煙環境を整備し周知することが重要」(賛成派17件)、「まずは喫煙所の整備を行うべきだ」(反対派11件)”
記事は次に、120も喫煙所を増やすことについて、足りるのかとか間に合うのかとの意見をあげ、またパブコメの内容に戻ります。
どの都市でも、迷惑となっている、飲食店やコンビニの店頭の灰皿について、市が撤去などをすすめると、バカな反対をする飲食店の組合があるものです。
しかし、こういうのは、決して全飲食店の総意や多数意見ではなく、タバコ産業側のものと思えます。
“ 反対(78件)が賛成(13件)を大きく上回ったのが、道路に面する私有地などに設置された灰皿の撤去に関する努力義務規定だ。市は店先の灰皿などを想定し、喫煙者が私有地から道路に出て路上喫煙をするおそれがある場合、灰皿の移設や撤去などを依頼するとしている”
“ この努力義務に反発しているのが……「大阪府飲食業生活衛生同業組合」……府内では万博開幕直前となる7年4月1日……健康増進法より厳しい……店内で喫煙できる客席の面積が100平方メートル以下から30平方メートル以下に引き下げられる。禁煙になる小規模店は店内に分煙スペースを設けることが難しく、喫煙者の客をつなぎとめるためには店先に灰皿を置くことになる……組合……事務局長は「……喫煙者の客離れは追い打ちとなる」……「近くに喫煙所があれば店先に灰皿は必要ないが、120カ所ではカバーしきれない……」”
禁煙店は禁煙店としてやっていけばよいのです。禁煙にして客が来るようになります。喫煙者も禁煙店を利用するのですから。
参考記事(ごく一部)→「喫煙室のある禁煙店」は成功していない ’23年11月
お相手はタバコなんか吸わない人・飲食店で喫煙室の近くはイヤ アンケート結果 ’23年6月
禁煙ホテルは喫煙者も必要としています ’23年12月
喫煙者は外食でこんなことを気にしています? ’23年5月
卒煙して良かった10の事実、受動喫煙の解消も 喫煙者は吸わない人に気をつかっていた? ’23年8月
ちなみに、公募結果の発表は以下。
「大阪市路上喫煙の防止に関する条例の改正の方向性」にかかるパブリック・コメント実施結果について=大阪市公式サイト=
(以下は「意見と本市の考え方」PDFより。クリックで拡大します)
しかし、万博って本当にやるのですかね?
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓やカテゴリーで引いてみてください。
「路上喫煙」が全ての場所で禁止になります ~ 大阪市 ’22年3月
120もの喫煙所を新設する大阪市、「超豪華喫煙所」の効果はあるのか ’22年11月
「野良タバコ」? 屋外を禁煙化する大阪市の“喫煙所はどうなるか、論”・続き ’23年1月
住宅の受動喫煙は「最後の聖域」 『産経』加納裕子記者論説 / 路上喫煙撲滅への意見公募を実施中=大阪市 ’23年8月