囲いもない! 遅れた屋外“公設”喫煙所にやっと壁1枚が ? ~大分市~「受動喫煙の危険を知る」
横浜市をはじめとした、駅前や商店街、オフィス街などおおぜいが行きかう場所での煙ダダ漏れ・受動喫煙被害者が大発生する喫煙所を、私たちは糾弾し、各地の喫煙所の視察をしてきましたが、こんな昔のタイプの喫煙所を多数設置し、放置している自治体がいまだにあるとは、驚きました。
大分は、首都圏などより10年くらい遅れているようです。(……ということは、他の自治体でもあるかもしれませんが)
このテレビ報道の題、「受動喫煙の危険を知る」は、皮肉か、自治体への啓蒙でしょうか。
【大分】受動喫煙の危険を知る
=『OAB大分朝日放送』)2024/10/23 19:51=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“大分市中心部の街頭にある喫煙所がパーティションで囲われました……「受動喫煙」を防ぐことが目的です”
“この受動喫煙、間違った認識をしている人も多いようです”
“「高さは2m程でしょうか、このガラスによって歩行者へ煙が流れるのを遮ります」……日本たばこ産業が大分市に設置を提案したことがきっかけです”
たった一枚、片面に建てただけで、左右からはダダ漏れでしょうし(高さも不十分)、車道側は何も無いままですので安全速度で窓を開けて通る車には大きな被害があります。
“大分市は条例で中心部での路上喫煙を禁止し15カ所の指定喫煙所を設けていてパーティションはそのうち大分市府内町の中央通り沿いにある喫煙所に置かれました”
“(大分市ごみ減量推進課 高井慎二さん)
「目立つパーティションで喫煙所があるんだと(気づいてもらえる)。風向きによっては煙がくるが遮るものがあることで安心する」
11月以降ほかの2カ所に設置する予定”“(喫煙しない人)
「前は灰皿だけ置いていた。あれよりはいいかな。(タバコの)臭いはやっぱり気になる」”
なんと、15もの喫煙所があって、壁の設置はこの一つだけ、今後の予定もあと二つだけのよう。
しかも「風向きによっては煙がくる」と市の担当も認識しています。
さらにしかも、JTに「提案」されてのもの。横浜市はじめ多くの自治体のように建設費の寄付も受けているのでは。ならば国際条約「タバコ規制枠組み条約(FCTC)」に反します。
【追記’24.11/25】
その後、担当課に電話して聞いたところ、やはりJTからの全額寄付での設置とのことでした。
なお、設置の理由は、中央大通りの美化整備を行うことになったさいのJTからの提案で、広がって吸っていた喫煙者を壁の中だけで吸わせることであり、「受動喫煙防止とは(目的が)異なる」とのこと、その大通りにある3つの喫煙所だけが対象で他の12カ所は変更の予定なしとのことでした。
ちなみにその担当課のページ。大分市ごみ減量推進課
吸いガラ不法投棄の担当部署のようです。
そして、番組による受動喫煙の問題提起、一般的な知識のおさらいが述べられています。
“(大分市保健所 鹿嶋義子さん)
「健康被害があり肺がんになるリスクが受動喫煙を受けない人に対して1.3倍。
近くで吸っている人が見えないけれど、なんだかたばこ臭いなということは見えていなくても有害物質を吸っている」”“受動喫煙は私たちの体にどんな影響を及ぼすのか……実は間違った認識を持った人も多いんです”
“「受動喫煙」とは、本人はたばこを吸わなくてもほかの人のたばこの煙を吸ってしまうこと……
国内、年間1万5千人。
……受動喫煙が原因で病気になり死亡したと推計される人の数なんです”“全国での受動喫煙の場所を見ると、2023年最も多かったのが「路上」が23.6%”
“(下野アナ)
普通に道を歩いていて煙を吸ってしまうという可能性もあるんですね。
ではたばこの煙はどのくらいの距離まで飛ぶかご存じでしょうか。
実は14m先まで届くとも”“今回、大分市の路上喫煙所に置かれたパーティションは完全に仕切られてはいませんので、100%、煙を歩道に流さないようにできるわけではありませんが、喫煙所の場所が目立って認識してもらうことで、路上喫煙を防ぎたいという狙いもあります”
“受動喫煙はどんな健康への影響があるのでしょうか。
国の研究機関によりますと、すぐに現れる症状としては、目の痛みやせき、頭痛、ぜんそくなど……長期的には肺がんや心筋梗塞、子どもは中耳炎のリスク、妊娠している人は流産や早産の危険も”“そして実は意味のない対応をしている人が多い……
まず、家の中の換気扇の下やベランダで吸っているから大丈夫だと思っている方。
これも意味はありません。
たばこの煙は粒子が小さくてすぐに部屋の中に広がってしまうため換気扇では吸いきれません”“また、別の部屋で吸ったとしても、服や髪の毛など全身に煙をまとっているので、部屋の中に持ち込んでしまい……喫煙後45分間は吐く息に有害物質を含んでいる……このデータを元に、大分県外では45分間エレベーターの使用を制限……
職場に戻らないよう制限するという企業も出てきています”“大分市保健所は、吸う人も吸わない人もお互いに思いやりを持ってほしいと話していました”
最後がまた「吸う人も吸わない人も」という“平等”的な偽善表現。しかも、いつもの「~も気持ちよく」ではなく、「吸わない人も……思いやりを持って」とは、いったいどういう意味なのか?!
ここでは、受動喫煙の被害者が、喫煙者を攻撃することが続いているとでもいうのか?
ここで受動喫煙を発生させている主犯は、喫煙者よりも、こんな喫煙所を作っている自治体であること、その責任・負い目から逃げる意識から、出た言葉なのでしょう。
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