「時代に逆行」する喫煙所を「受動喫煙から守る」と言い増設する自治体 = 広島県福山市

 その喫煙所からの受動喫煙・三次喫煙は全くないのでしょうか?
 被害が絶対なくて、路上喫煙を確実に減らせるというのなら、その通りだと思いますが――。

 しかし横浜市など、多くの自治体で、そのような名目での喫煙所がどんどん作られ、結局、受動喫煙の軽減どころか増加になっている例を見てきています。
 期待してよいのでしょうか? 

  喫煙所増設は「時代に逆行」?JR福山駅に新たに2か所…市「受動喫煙から守るのが先決だ」
  =『讀賣新聞オンライン』2024/01/10 16:00=

 以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“路上喫煙制限区域のJR福山駅南口で新たに2か所の喫煙所を設置した。分煙環境を整えるためで、2月中旬には駅北口にも1か所新設する”

“ 南口の2か所は……昨年12月28日から使用……10平方メートルと12平方メートルで、高さはいずれも2・5メートル防犯のため壁の一部は透明の強化ガラス製で、出入り口は煙が出にくいよう屈折した形状。整備費は3か所合わせて1500万円

“2022年4月に駅周辺の路上喫煙を制限する条例を施行。駅南口から約170メートルと300メートル離れた2か所に喫煙所を設けたが、ビジネス客らから「遠い」「場所がわかりにくい」などの声が寄せられていた”

“ 市廃棄物対策課は「増設は時代に逆行するとの意見もあるが、路上喫煙やポイ捨てをなくし、たばこを吸わない人を受動喫煙から守るのが先決だと判断した」”

 本サイト記事公開の直後、より詳しい地元紙の報道を見つけました。

 こちらは市民の疑問の声をあげ、題からして少し批判的に書いています。

 なんで今どき1500万円かけて喫煙所を増設? 福山駅前に3カ所 受動喫煙を減らすためでも晴れぬモヤモヤ
  =『中國新聞デジタル』2024/1/21= ※同紙ネット記事は無料登録で全文が読めます。

“福山市が昨年末……増設した2カ所の喫煙所について、「禁煙の流れが進む中、税金を使って作る必要があるのか」などと疑問の声が中国新聞備後本社に寄せられた”

“市は分煙を進めて受動喫煙をなくすための暫定的な施設と説明”

“専門家は、禁煙の啓発強化と両輪で進める必要性を指摘”

“ 喫煙所は、駅南側のバス案内所の横と五浦釣人(いづらちょうじん)像の近くに増設。煙が漏れないよう仕切りで囲った……2月、駅北側に1カ所を増やす予定で、3カ所の設置費用は計約1500万円と見込んでいる”

“ 市は駅周辺の路上喫煙を禁止する条例を2022年4月に施行。同9月には駅の南約200メートルの南口地下道と駅の西約300メートルの三之丸町に喫煙所を設けた。ただ、駅構内の観光案内所にはその後も1日50件前後、ビジネス客たちから喫煙場所の問い合わせが相次いでいた。遠さや分かりにくさを指摘する声が多く、市は増設を決定。案内所には喫煙所の地図を載せたサイトに誘導するQRコードを掲示した”

“昨年10月、駅前のにぎわいづくりを官民で議論する「駅前デザイン会議」に増設計画を説明した際には、非喫煙者の委員から「公共空間に喫煙所が要る理由が分からない」「子どもも集まる場所なのに」などと否定的意見が相次いだ”

“ 市廃棄物対策課……課長は喫煙所は暫定的な施設とした上で「望まない受動喫煙の被害から守るために必要」と説明……改正健康増進法などを踏まえて国も分煙環境の整備を促しているとし、理解を求める……禁止区域のパトロールを継続……「喫煙所があれば『指定場所で吸ってください』との声かけをしやすくなる」と強調”

“委託業者を通じ、毎月1回、平日に禁止区域のぽい捨ての数を調べている。昨年4~12月の平均は839本で、最も多い12月は1182本”

“ 官民でつくる福山市路上喫煙防止対策協議会の副会長を務める福山大の杉原成美教授(衛生薬学)は「誰もたばこの害を受けない社会を目指す上で、喫煙所はそのステップの一つ。維持か撤去か常に検討するべきで禁煙の啓発と両輪で対策が必要」と指摘”

画像は横浜市の喫煙所群(『STOP受動喫煙 新聞』42号)。

 
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓やカテゴリーで引いてみてください。
 周囲での違反喫煙多発で、喫煙所が撤去される ~ 宮城県仙台市 ’23年12月

 喫煙所を撤去した大学が再設置! しかし学外での喫煙は減らず!? ~ 明治大学 ’23年11月

「公共の喫煙所ゼロ」鎌倉市の取り組みは…? ’23年2月

 喫煙所があっても「ポイ捨て」「路上喫煙」の解決にはなりません ~ 論説・ジャーナリスト石田雅彦氏 ’22年5月

 喫煙所を「卒煙支援ブース」としたら、効果が…? ’23年11月

 《44号発行》『STOP受動喫煙 新聞』(’23年・秋号) 市が運営する喫煙所の問題、松沢議員とともに担当課へ面談・要望書提出! 横浜市の回答は? ~ その他、申し入れ・法令問題を特集 ’23年10月

 【45号発行】『STOP受動喫煙 新聞』’24年冬号 = 新幹線「禁煙化」まだ続く問題!/受動喫煙の発生を続ける横浜市!/職場の受動喫煙撲滅へ、市が立ち入り!/「用語事典」……などなど、有用な情報満載です! ’24年1月

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「時代に逆行」する喫煙所を「受動喫煙から守る」と言い増設する自治体 = 広島県福山市” に対して1件のコメントがあります。

  1. 受動喫煙は大人の問題です。灰皿があっても受動喫煙させてはいけません。 より:

    「公共空間に喫煙所が要る理由が分からない」「子どもも集まる場所なのに」同感です。
    費用のかかった喫煙所にしても「出入り口は煙が出にくいよう屈折した形状」とあるように、煙は出ます。受動喫煙防げません。

    少しならいいだろうとか、許容範囲とかそんなのではダメだと思います。もういい加減、まわりに甘えて、子供にまでも健康被害をあたえて、赤ちゃんを突発死させてまで、大人がタバコを吸う必要があるでしょうか?

    喫煙者は受動喫煙させたら、被害の大小に関わらず、責任を取るべきだと思います。そうでもしないと、いつまでたっても、甘えて、周りに健康被害を与えながらタバコを吸い続けるでしょう。

    喫煙所から煙が漏れて、受動喫煙させられたら、この場合は、市や駅員さんになるのでしょうか、「喫煙所からの」受動喫煙被害にあったと、喫煙者を注意しに行ってもらいましょう。

    市廃棄物対策課も「たばこを吸わない人を受動喫煙から守るのが先決」と言っていることですし。
    我慢しては絶対にダメです。病気になってからでは遅いです。未然に防ぎましょう。

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