感染の危険、「喫煙所」と「喫煙者」~報道その3

 喫煙所および喫煙者の感染の危険性、各報道紹介の続きです。→いままでの関連記事は末尾にリンク
 たばこで重症化率14倍の恐怖 改正法施行後の「危ない喫煙所」
  =『AERA』2020.4.10 08:00(『週刊朝日』2020年4月17日号)=

“志村けんさんに喫煙歴があったことから、「たばこ」と新型コロナウイルスとの関連性に注目が集まっている。重症化が報じられている野球解説者の梨田昌孝氏もかつてはたばこを吸っていた”

“WHO(世界保健機関)のホームページが「やってはいけないこと」のトップに喫煙を挙げるなど、たばこは高齢や持病と並び、重症化の要因と目されている”

“大阪国際がんセンターがん対策センター疫学統計部の田淵貴大副部長……「……武漢で最初に亡くなった2人について、“一見健康そうだったが、実は長い間、喫煙していて、肺が弱っていた可能性がある”と伝えられています」”

“厚生労働省に新型コロナとたばこの関連性を示す報告書を提出した日本禁煙学会の作田学理事長……「……最大の要素が喫煙で、喫煙者は非喫煙者の14倍、悪化するリスクが高かった。高齢のリスクは8.5倍程度だったので、どれだけたばこのリスクが高いかわかります。喘息などの持病がない、元気な若者が重症化する背景に、喫煙が関係している可能性が高い」”

“前出の田淵副部長……「たばこを吸っていると肺の組織が破壊されてしまう……ウイルスは……私たちの細胞内に入り込んで増殖します。たばこを吸っている人では、ウイルスが細胞内に入り込む受容体(入り口)の数が多いよう……また……ニコチンは免疫機能を低下させます」
 このことは、インフルエンザやSARS(重症急性呼吸器症候群)などのウイルスを用いた研究でも明らかになっている。ただし、ニコチンの害は禁煙すれば数日で改善するという”

“4月1日施行の「改正健康増進法」では、屋内施設での喫煙が原則、禁止となった。だが、大きな飲食店やホテルでは、屋内でも専用の喫煙所で吸える。
「今後危惧されるのは、こうした喫煙所。感染しやすい人たちが“三密”に集まり、クラスターが起こる可能性がある」(田淵副部長)”

 一方、おかしな対応が。

 3密回避へ喫煙所の窓開放 北海道庁 「受動」防止に矛盾と批判も
  =『毎日新聞』2020年4月10日 08時32分(最終更新 4月10日 12時43分)=

“北海道庁敷地内で職員らが利用するプレハブ小屋の喫煙所が……「3密」を避けるため、窓やシャッターを開け放っている。民間で喫煙所閉鎖が相次ぐ中、4月に受動喫煙防止条例の一部が施行されたばかりの道の庁舎でたばこの煙が漏れ出る本末転倒の状況に批判の声が上がっている”

“3月中旬、……「3密」空間の危険性が指摘され始め、……喫煙所の2枚あるシャッターのうち1枚を開放……昼休みには続々と職員が集まり、室内はいっぱいに。プレハブの外でたばこに火を付ける人の姿も

“改正健康増進法では、受動喫煙を防止する義務を管理者らに課している……19年7月から全国の学校や行政機関の庁舎などで敷地内全面禁煙が進められ、道内でも道受動喫煙防止条例も施行され、市民の健康を守る動きが加速する”

“道職員厚生課……「煙などの苦情などは届いていない。5月の閉鎖が決まっており、喫煙する職員が禁煙する準備期間」”

“ある道議は「煙が外に漏れ出て、受動喫煙の防止に矛盾している。閉鎖する施設もある中、道の対応に問題がある。知事はどう考えているのか、改正法の規定に反するのではないか」”

 JTの見解も?

 重症化リスクのたばこは販売停止になるのか JTの回答は…
  =『AERA』2020.4.10 17:00=

 報道はまず状況説明から。

“「新型コロナウイルスに対抗する最善策は、たばこ業界が直ちにたばこの生産とマーケティング、販売を停止することだ」……「国際結核肺疾患連合」は世界に向けて、こう呼びかけた”

“大阪国際がんセンターの田淵貴大医師……「喫煙者は肺が弱っているので、肺炎になりやすい……喫煙者あるいは過去に吸っていた人は、新型コロナウイルスに感染した場合の重症化リスクが約1.7倍……人工呼吸器をつけなければならないほどの重篤化や死亡リスクでは約2.9倍……慎重な解釈が必要ですが、喫煙がリスクになることは間違いありません」……「同じコロナウイルスであるSARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)が流行したときも、喫煙者は重症化しやすいことが指摘されています……」”

 そして、喫煙の是非? について。

““禁煙”の声は少しずつ広がりをみせる。これに危機感を募らせるのが愛煙家たちだ。一日に約20本のたばこを吸うという神奈川県の会社員男性(40)は、ツイッター上で「#禁煙」がトレンド入りしたことをみて、慌ててたばこ10箱分を買いだめしたという……フランスでは、安いたばこを買い求めようと外出禁止令を破ってスペインへ向かった男性が山で遭難した。男性はその後救助され、罰金が科された”

“国内約60%のシェアを占めるJT(日本たばこ産業)に取材を申し込むと、広報から書面で次のように回答を得た。
「……科学的な調査結果等が限られており、喫煙と重症化との関連のみならず……多くの情報について未だ明らかになっていないものと承知しております」
「このように、科学的な根拠となる情報が十分でない中で、喫煙と新型コロナウイルス感染や重症化との関連性を結論付ける、あるいは対策や方針を打ち出すことは時期尚早であり……未だ明確になっていない、との見解を示しているものと承知しています」”

“今後、日本でたばこの販売が停止する可能性については、「たばこは、たばこ事業法等で規定された合法な嗜好品です。当社としては関連法令に則り、適切に販売を継続してまいる所存です」”

 会員提供、いまだ喫煙営業を続けている店の隣に、防護服の人たちが?
感染者発生? [北新宿1-12-13、撮影’20年4月15日(水)]

[当サイト関連記事]
〈前回までの報道〉
 やはり喫煙所は感染の危険大・喫煙者には要注意を~報道その1 ’20年4月13日
 感染危険性の「喫煙所」と「喫煙者」~報道続々(報道その2) ’20年4月15日
〈要請活動〉
 ≪緊急要請≫ 最も感染の危険性が高い「『喫煙所』の休・廃止を」受動喫煙撲滅機構は神奈川県・県知事に要望を送付しました ’20年3月23日
 感染防止のための「喫煙所」休・廃止の要望、県から回答がありました ’20年4月6日
 「喫煙室閉鎖の要請」を松沢成文理事が首相と厚労相に提出 ’20年4月11日
 狭い「喫煙室」は感染・蔓延の原因に! 閉鎖・撤去を各団体が呼びかけています ’20年3月4日
 各地で喫煙室が休・廃止に~まだある喫煙所には申し入れを~禁煙学会も緊急要請、文面を公開 ’20年3月16日
〈論説〉
 「コロナウイルスに思う公益の在り方」公益社団法人 受動喫煙撲滅機構 理事長 田中 潤 ’20年3月3日
 「マスクと受動喫煙撲滅」論説:公益社団法人 受動喫煙撲滅機構 田中 潤 理事長 ’20年3月17日
〈過去の報道〉
 受動喫煙で「感染症」増大の危険 ’20年2月17日
 病原菌が受動喫煙で“進化”?! 薬も効かなくなる?! 黄色ブドウ球菌の変質についての研究発表 ’19年11月

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