接客業でタバコ臭は損失なだけ ~ 客への「三次喫煙」撲滅へ、企業が取り組み
楽しく買い物に行って、店員の吐く息や服がタバコ臭かったら、気分が台無しです。
買う気が失せる人も多く、また健康被害がある人にとってはけっこう深刻な問題です。その店から足が遠のく人もいるでしょう。
このまえ紹介しました、イオンの取り組み →全グループ従業員、勤務中禁煙・45分前からも喫煙禁止に~イオン / 〈続報〉イオンの就業中・就業前45分からの喫煙禁止 ~ “人権侵害” 論を弁護士が否定 は、それへの対策です。
そのような客への「三次喫煙」を、撲滅させるべく、ある企業が取り組んでいるとの、プレスリリース(マスコミへの広報)がありました。三次喫煙についての説明も詳しく、ためになりますのでお読みください。
接客の新常識!サービス業での就業時間内禁煙などで三次喫煙防止によるUX向上にリンケージが寄与へ
=『PR TIMES』(株式会社リンケージ)2021年2月15日 11時00分=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“急速に禁煙が推奨される背景には、「三次喫煙」の存在があります。三次喫煙とは、環境たばこ煙そのものに曝露される受動喫煙とは異なり、たばこの火が消された後も残留する化学物質を吸入することです。……三次喫煙を防ぐ方法はすでに明らかで、それは屋内を完全禁煙にすることだと言われています”
“調査(※2)によると、喫煙者がどこでタバコを吸うかは関係なく「タバコの煙やニオイが気になる人」は8割を超えており(回答者は元喫煙者/非喫煙者)、いまや喫煙者が気をつけるべきは健康への影響だけに留まりません。サービス業においては特に、清潔感と同様に身体が纏う「タバコの匂い」がサービスの品質を低下させる要因になるため、これまで以上に気を遣う必要性が高まっています。最近では国内小売最大手のイオン発で三次喫煙を防止する取り組みが推進されるようになりました”
“弊社サービス導入企業の1社でもあるイオンは先日、健康経営推進の大きな取り組みの一つとして、健康保険組合と連携して、国内の全事業所で「就業時間内禁煙」「敷地内禁煙」を開始すると発表しました。対象はグループ従業員約45万人で、これらは利用客及び従業員間での望まない受動喫煙を防止する目的で実施されます”
繰り返し、三次喫煙・受動喫煙の問題についての、専門的な解説・提言が続きます。
“三次喫煙とは「喫煙者の身体に付着した化学物質を、他の人が吸入することによって生じる受動喫煙」のことです。皆さんもエレベーターなどの狭い空間で「一緒になった喫煙者の身体からたばこの臭いがする」と感じたことはないでしょうか?これが三次喫煙です。
以前は「たばこの臭いぐらいは我慢すべき」と考える人が少なくありませんでしたが……発がん性物質を含む化学物質は、臭いを感じる数倍の距離まで拡散していることが分かっています。つまりたばこの臭いを感じた時点で、その人は受動喫煙による健康被害を受けているのです”
“加熱式タバコならいいだろう”などという、タバコ産業の宣伝に洗脳された屁理屈についても、言及しています。
“加熱式たばこは紙巻きたばこに比べて臭いが少ないものの、煙に多くの化学物質が含まれている点は変わりありません。むしろ臭いが少ないことで、周囲の人は気が付かないうちに三次喫煙に暴露される可能性もあります。また喫煙所で他の人が吸った紙巻きたばこの煙が身体に付着し、外に広げてしまう場合もあります”
“三次喫煙の認知は徐々に広まっており、たばこの臭いに敏感な顧客も増えています。「店員から受動喫煙を受けた」と感じた顧客は、今後もその店舗を利用するでしょうか?”
“身体に付着した化学物質が除かれるまでには、喫煙所を離れてから40分以上かかることが分かっています”
“喫煙者は非喫煙者に比べて年間数十万円の労働生産性低下が知られています”
“サービス業では顧客への三次喫煙防止も考慮し、勤務前や休憩時間も含め業務に関連した時間帯は全面禁煙を目標にすべきです”
“喫煙者が「自分たちだけが不利益を受けている」と感じてしまうと、職場の雰囲気が悪くなり、禁煙対策も難しくなります。まずは能動喫煙及び三次喫煙も含めた受動喫煙の健康障害や労働生産性低下について伝え、職場を全面禁煙にする必要性を丁寧に説明することから始めましょう”
“喫煙者が「自分たちだけが不利益を受けている」と感じてしまうと”……とは、たしかにそうですが、最も不利益なのは、受動喫煙の被害者だということを、念頭に置いて、受動喫煙撲滅を進めてほしいと思います。
店頭喫煙を許さない、立派な店員さん(何度か既出)
【追記】本件、続報も掲載しました。
〈続報〉イオンの就業中・就業前45分からの喫煙禁止 ~ “人権侵害” 論を弁護士が否定 ’21年2月
[当サイト関連既報]※他にもありますので、検索窓で引いてみてください。
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