また教員が“隠れ喫煙”! 子どもたちが学校で受動喫煙被害 “苦しい”“頭が痛い”“授業に集中できない” 悲痛な訴えに地方紙が調査 岐阜の小中学校

 ひどい学校教員がまた出ました。今度は、小中学生たちが受動喫煙の被害を訴え、地方紙が徹底的に取材し追及しています。
 子どもたちの勇気ある発言に感心するとともに、指導ができない学校の責任を問いたいと思います。

 教員が「隠れ喫煙」 生徒が頭痛、臭いも「三次喫煙」
  =『岐阜新聞Web』2021年07月02日 07:55=

 以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“ 「禁煙のはずの学校で、先生がたばこを吸っている」……県内の小学生らから2件の情報が寄せられた。改正健康増進法の定めで、学校は敷地内禁煙だ。例外として受動喫煙対策が取られた屋外喫煙所を設置できるが、どちらの学校にもそうした喫煙所はない”

“取材を進めると、教員が駐車場にとめた自分の車の中でこっそりたばこを吸う不適切な「隠れ喫煙」が明らかとなった”

たばこ臭くて授業に集中できず

 1件目の相談は、岐阜市内の中学校を今春卒業した女子生徒が寄せた。3年生だった昨年度、担任の男性教員のたばこの臭いに悩まされたという。生徒たちの間で「〇〇先生(男性教員)は、たばこ臭い」と知られており、敷地内にとめた車の中でたばこを吸う姿が生徒たちに目撃されていた。授業に遅れて現れることも何度かあり、決まって「すごく臭かった」という

“女子生徒は最前列の席だったため「たばこの臭いが気持ち悪くて頭が痛くなって授業に集中できなかった」と振り返る。近年、こうしたたばこの臭いを「三次喫煙」と捉えた対策が進む”

“ 学校側は「生徒が帰った夕方以降、敷地外に出て吸う教員はいるが(男性教員の件は)認識していない」と説明。改めて敷地内や就業時間内に喫煙をしないよう周知を図るとした”

 授業にも遅れるとは、職務怠慢まで起こしている、教育者として失格なダメ人間ですね。
 学校も喫煙を知っていながら、知らん顔をしていたようです。
 もしみなさん自身の学校(当サイトは未成年者も読んでくれています)や、お子さんお孫さん、お知り合いの子からこういった被害の話を聞いたら、学校と役所(教育委員会)に苦情を即、申し入れましょう。
 ☆末尾に、私なら学校にこう言うという案・見本を記載しました。

 つぎは小学校の被害です。

校長も学校で喫煙「やめられない」

 もう1件は羽島郡内の小学校。保護者を通じて児童から「校長先生がたばこを吸っているのを見た」と複数の情報が寄せられた。取材に対し、この男性校長は「いつも自分の車の中で吸っている」と喫煙していることを認めた……敷地内にとめた車の中も規制の対象だ。校長は「そうだとは思っていたが、敷地外へ出て吸うのは(人目があり)まずいと思った」と語った

“今後について「……吸った後は子どもの前に出ないよう気を付ける」と喫煙を続ける姿勢だ”

“ 保護者の一人は「たばこやライターを落として、子どもが知らずに触ることもあり得る。校内での喫煙は絶対に許されない」と憤る”

 とんでもない校長ですね。学校でトップの人間が、よくそんなことが言えたもんです。

 記事は、学校でのこの問題をさらに取材しています。

“ある中学校の女性教員は「校長など管理職がたばこを吸う学校は(喫煙の規制が)緩みやすい」と指摘する。過去に別の学校で、管理職が吸うたばこの煙のせいで体調を崩した経験がある。「今は法律で決まっているし、そもそも就業中なんだから学校敷地内の禁煙は当然」。しかし今の勤務校でも複数の喫煙者がおり「何人かは車の中で隠れて吸っているようだ」”

“高校に勤務する喫煙者の40代男性教員は「敷地外で吸うと、休憩時間であっても『仕事をサボるな』と近所から苦情を言われる。車の中もだめなら事実上、吸える場所がない。法律で規制されたことは重々承知しているけど、納得はできていない」”

“ 2019年7月の改正健康増進法の一部施行により、学校や病院、児童福祉施設、行政機関など……は敷地内禁煙となった……「特定屋外喫煙場所」を設けることはできるが、両校にはない。県保健医療課の担当者は「車内で吸っているのであれば、違法行為だ」と指摘する”

 先の校長にしろ、この高校教員にしても、学校にいるあいだは一切吸わないことにするか、卒煙するか、仕事を辞めるか、いずれかしかないのです。

 なお、“トップの人間が喫煙者だと、規制がユルい”ということは、調査結果があり、『STOP受動喫煙 新聞』31号(’20年7月)では大和浩教授の連載の中で、グラフ図示で詳述しています。

 『岐阜新聞』記事は、次にその大和教授の三次喫煙の調査結果とコメントも紹介しています。

呼気の有害物質45分続く

 女子生徒がたばこの臭いによる頭痛を訴えたように、喫煙後の体や衣服に染み付いた「たばこ臭」を「三次喫煙」と捉え、健康被害をもたらすリスクがあるとして対策に乗り出す動きが各地で進んでいる。

 「教室という逃げ場のない空間での三次喫煙は、気管支ぜんそくなどの発作を起こすリスクがある」と話すのは、受動喫煙の被害を研究している産業医科大(北九州市)産業生態科学研究所の大和浩教授(61)だ。「たばこを吸うと、口の中や気管支にヤニが付いて、呼吸をするたびにニコチンやホルムアルデヒドなどの有害物質が吐き出される」と指摘する

“実験では、喫煙前の状態に戻るまでに45分かかるとの結果を得た。こうした大和教授らのデータを基に、三次喫煙のリスクを防ぐ取り組みが各地で進む”

“ 京都市の洛星高校は昨年、生徒会からの申し入れを受け「喫煙後45分以内に授業がある場合、喫煙することは禁止」とのルールを設けた。教員のたばこ臭に悩む生徒の声が学校を動かした”

“ 大人向けの対策も進む。コンタクトレンズ大手のメニコンは出社の1時間前からの禁煙をルール化し、従業員だけでなく来客にも同様の対応を求める。奈良県庁は喫煙者に対して、同県生駒市役所は喫煙後45分間について、それぞれエレベーターを使わないよう職員や来庁者に呼び掛ける”

“ 福島県は今年4月、「ふくしま受動喫煙防止条例」を施行。条文の中で「……消した後に残留するたばこの臭気やその他の残留物に関して……配慮に努めなければなりません」と三次喫煙防止の視点に踏み込んだ”

  

“ かつて一部の生徒が隠れてたばこを吸い、教員が叱りつける構図があったが、今や立場は逆転……大和教授は「喫煙は有害、と教えるのが学校。敷地の内外や年齢にかかわらず、喫煙はしないということを生徒たちに身をもって教えてほしい。教師の呼気がたばこ臭いなんて反面教師だ」と訴える”

保護者が子どもを助けよう

 私に就学の子がいたら、学校に以下のように言います。

 「担任は必ず非喫煙者で」
 「そもそも喫煙者を教員として居させるべきではない。今いる喫煙教員は、学校が責任を持って、短期間で卒煙をさせること。それまでも、学校にいる時間は喫煙禁止とすること」
 「うちの子の教室に来る教員はすべて非喫煙者で。無理なら、入室の一時間以上前から喫煙しないことを規則に」
 「喫煙職員をリストアップすること。他の保護者と共有し、他の子も被害がないようにする」
 「今後、子どもたちがちょっとでも臭ったり、喫煙職員を発見した場合は、このような苦情を繰り返し、改善なき場合は現状を公開する」

 といったことを主張します。
 昨今、異常なイチャモンをつける親が問題になっていますが、それに比べれば、これらは正当な主張です。

 前出記事にあったように、授業に集中できなければ、将来にも関わります。健康被害もじゅうぶんありえます。
 受動喫煙・三次喫煙を、甘く見てはいけないのです。

 

[当サイト関連既報]※他にもありますので、検索窓で引いてみてください。
 タバコ臭い教師に生徒が「三次喫煙」禁止令を制定 ’20年9月

 「吸っていない」ウソつき教頭が懲戒処分に ’20年11月

 高校生5人が自治体・市に「受動喫煙対策」の活動=要望書(喫煙所の撤去)を提出! ~ 沼津市長へ、静岡県立 沼津東高校 ’18年9月

 加熱式タバコ・三次喫煙で職を追われた ’21年3月

 職場の受動喫煙撲滅が一般化しつつあります=来社も「1時間前から吸って来てはいけない」サードハンドスモーク(三次喫煙)対策も ’19年9月

 〈続報〉イオンの就業中・就業前45分からの喫煙禁止 ~ “人権侵害” 論を弁護士が否定 ’21年2月

 “分煙”では受動喫煙が発生! 職場のこれからの対策は/“喫煙の自由”は? ’19年7月

 新たに「受動喫煙防止条例」が施行されました ~ 福島県 ’21年4月

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