加熱式タバコの路上喫煙に不快の声、しかし自治体によって規制が違う?
やはりこういう声が出ています。
おなじみの法律サイトで、受動喫煙撲滅の旗手・岡本光樹弁護士がわかりやすく解説しています。
加熱式タバコの「歩きタバコ」が不快、なぜ自治体によってはOKなのか
=『弁護士ドットコムNEWS』2021年12月22日 10時31分=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“「なんか臭いぞ。歩きタバコじゃないのか」。……東京・港区の路上で、前を歩いている会社員の男性から、ぷーんと漂ってくる臭さに耐えられなくて、憤った……よく見ると加熱式タバコだった。加熱式タバコであったとしても、歩きタバコは法的にNGだと思っていたので、調べてみると、東京・港区は今年の10月から規制対象になっていた”
“港区が9月までOKだったということなら、今でもOKな自治体は他にありそうだ。例えば、千葉市のサイトをみてみると、加熱式タバコは規制の対象外とある。
加熱式タバコの「歩きタバコ」の扱いについて、なぜ各自治体で差が出てしまうのか。岡本光樹弁護士に聞いた”
“加熱式タバコが、「健康増進法」上、燃焼させるタバコと区別されたのは2018年7月の改正からであり、また「たばこ税法」上、「加熱式たばこ」の区分が新設されたのは2018年10月施行からです。
これら以前に制定された条例では、加熱式タバコの存在を具体的に念頭に置いていませんでした……既存条例の解釈又は条例の改正・新設などにおいて、自治体の対応が分かれました”
“条例の目的が何かによって、結論が異なってきます。
①環境美化、ポイ捨て防止
②火傷や火災等の被害防止
③屋外の受動喫煙防止”“①が目的の場合、加熱式タバコもポイ捨ては起きているので、規制対象にすべきと考えられる……②が目的の場合、加熱式タバコの路上喫煙で火傷や火災等は起こりにくいので、規制対象にしないと考えられる……③については、前述の健康増進法改正により、屋外での加熱式タバコ使用も……配慮義務が導入され……③屋外の受動喫煙防止を条例の目的に位置付ける自治体も増えています”
なるほど、紙巻タバコの歩行喫煙を規制してきた自治体のうち、①③に無関心で②だけの意味で歩行喫煙を禁止しているようなところ以外は、加熱式タバコも規制すべきということですね。
しかし③の解釈が、また違うところがあるようです。
“③の観点で、加熱式タバコに罰則をかけるかどうかは、自治体によって判断が分かれていると思われます”
“条例の目的(①②③)、手段(罰則の有無、標識・啓発の方法など)、政治的な判断(首長・議会)などが異なる結果、各地の条例及び規制状況が多様なものになっています”
さらりと述べていますが、市長など市区町村の首長や議会の議員が、喫煙者だったりタバコ産業と癒着していたりという「政治的な」ことから、条例の目的の解釈まで、変わってしまう、ということのようです。
【参考】『STOP受動喫煙 新聞』31号、大和浩教授の連載の後半「トップが喫煙者だと対策が進まない」、沖縄県の保健所の詳細調査もお読みください。
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓で引いてみてください。
’21年元日から区立公園が禁煙に。「区内全域」で歩きタバコ・ポイ捨て禁止……しかし“立ち止まり”路上喫煙はOK??! ~ 東京都江東区 ’21年11月
やはり臭い、嫌がられている加熱式タバコ ’21年3月
加熱式タバコでも受動喫煙・悪臭はヒンシュクを買っています ’20年5月
“よくわからないから” 許される? 加熱式タバコ・受動喫煙の害は ’21年7月
加熱式タバコも“感染リスク”があります ~ 受動喫煙も注意 ’21年5月
加熱式タバコは紙巻きタバコと変わらない ’21年1月
加熱式タバコ禁止も入れた、新・禁煙マーク(シール)完成、頒布しています「タバコ問題首都圏協議会」 ’21年2月
“新型タバコ”=〈加熱式タバコ〉と〈電子タバコ〉=について、「正しい知識を持ちましょう」~ 自治体広報~奈良市 ’21年2月