「公共喫煙所ゼロ」の広島市 ケチつける議員が 市長が的確に否定“「公衆酒場」も作るのか?”
広島市は屋外、公共の喫煙所がゼロだそうです。
それにケチをつける議員がやはりいますが、市長の反論が実に的確です。
受動喫煙対策に取り組む広島市で議論! 「公共喫煙所ゼロ」の是非
=『週刊エコノミストOnline』2022年8月23日=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“中国・四国地方最大の都市・広島市では、全国に先駆けて受動喫煙対策に取り組み、広島駅前・観光地の公共喫煙所はゼロになった。ところが、ここへきて新たなフェーズ(局面)を迎えようとしている”
“現在、広島駅を中心に各地で再開発が進められ……その他、市内では再開発ラッシュの様相を呈している”
“にわかに問題視されてきたのが、「公共喫煙所の有無」についてである。これまで広島市では、国に先駆けて受動喫煙対策に取り組んできた。20年の改正健康増進法施行前、早くもJR広島駅前の喫煙所や平和記念公園内の喫煙ブースが撤去された”
“市経済を立て直すため、最大の起爆剤とされる再開発だが、他都道府県や外国人訪問客に対し、喫煙所が一つもないことを問題視する声が市議会で飛び出した”
“ 3月10日、定例市議会の予算特別委員会で、自民党・市民クラブの山路英男市議は、常態化していたポイ捨てをなくすための方策として、これまでの市の対策は間違いではなかったと評価しつつも……一層の観光客誘致に取り組もうとしている中、駅周辺に一つも公共喫煙所がないことに異論を唱え、喫煙者も非喫煙者も共存できる公共空間でのゾーニングが必要と訴えた”
“ しかし、答弁に立った松井一實・広島市長は「(受動喫煙をなくす)理想を求め続ける」と語り、公設の喫煙所増設はしないと明言した”
“松井市長の答弁はにべもなかった。「お酒に関して〝公衆酒場〟ってありますか? 市が経営している酒場はあるかという発想。だから、公共空間にはつくらない。酒場や喫茶店で喫煙できる施設をつくる。その最初の設備投資に市が支援する」”
「公衆酒場」のたとえは、禁煙活動者などからときどき出る、明確なたとえですが、どうして一般・自治体ではいわれないのかと思います。酒場を自治体が作ったらきっと非難されるでしょう。なのに喫煙所は許されてしまっているのは異常です。この市長のおおやけの明言で、一般化してほしいものです。
しかし記事は、“状況が変わってきているのでは”、と続きます。どうもこの記事は、先の引用のあとのお好み焼き店ビルの記述からしても、市長の姿勢への「にべもなかった」「取りつく島がない」「頑なな姿勢」だの批判的な表現からしても、喫煙所を設置すべきとの方向・タバコ産業側の視点で書いているようです。
“ そんな〝頑(かたく)なな姿勢〟だった広島市だが、状況が変わりつつあるという。広島市関係者は語る。
「6月、松井市長は単身上京し、ターミナル駅の公共喫煙所などを視察したり、国会議員との面談を行ったそうです」……「松井市長はこれまでと違って柔軟な姿勢に変わりつつあるのではないか」(同)との見方がある”“山路市議と同会派の川口茂博市議も6月14日の一般質問で、駅周辺に公共喫煙所が一つもないことでポイ捨てが増えるなどの悪循環を指摘した”
“国からの通達の影響もあるのではないかとの指摘も……通達とは、今年1月に総務省が都道府県、政令指定都市の財政担当部局や議会事務局にあてた事務連絡……たばこ税に関して〈屋外分煙施設等の整備の促進〉という項目が記されていた。要は、地方たばこ税を積極的に屋外分煙施設などの整備に活用してほしいというものだ”
タバコの税収は、タバコ撲滅や受動喫煙撲滅のためにはほとんど使われてこないできました。以下の過去の記事などで何度も書いていますが、税には本来、懲罰的な意味はないのです。タバコには「たばこ税」ではなく、「課徴金」として、思い切り値上げして、タバコ被害撲滅にだけ使うべきなのです。
タバコ産業はこんな喫煙所を作ってしまいます。
(『STOP受動喫煙 新聞』36号に詳報)
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓で引いてみてください。
“ポイ捨て”1000円の罰則、範囲拡大を検討=広島 ’22年5月
条例化も、路上喫煙がなかなか減らず?! なんと条例無視の灰皿が36個も! ~ 広島県福山市 ’22年8月
「違反職員」のために、喫煙所を復活させようとしている自治体 =広島= ’21年8月
閉鎖し再開した喫煙所が再度閉鎖に ~ 東広島市 ’20年12月
「コンビニ喫煙所の撤去を」医師会が各社に要望 ~ 広島県 ’22年5月
喫煙所があっても「ポイ捨て」「路上喫煙」の解決にはなりません ~ 論説・ジャーナリスト石田雅彦氏 ’22年5月
中心街の喫煙所「全撤去」の熊本 喫煙者も理解 しかし一部議員“財政のため” “喫煙を増やせ” ’22年4月
駅前に増設した喫煙所が利用開始 受動喫煙に不安の声 ~ 福島駅 ’22年8月
タバコの「税」はなんのために? ’22年5月
「公衆酒場」
わかりやすい!
税金で喫煙者にサービスとかありえないです。
たばこ税、狡猾ですね。
税収にすることで、灰皿設置にお金をまわせるようにしているのか。
苦渋に満ちた松井市長の表情が目に浮かんでくるようです。
課徴金にすべきですね!
いっそ、誰も買えないくらいの値段にして欲しい。