有名公園の喫煙所「実験」増設に禁煙学会が抗議 「漏れ放題」「受動喫煙を増やすだけ」「健康増進法に違反」 北海道札幌市・大通公園
昨日に続いてまた「実験」の問題です。
先日お知らせ、札幌の象徴的な公園に、ここも「実験」名目で喫煙所を増設する件(→「実験」? で公園に煙が漏れる喫煙所を増設 「本末転倒」「全面禁煙」の意見 ~ 札幌・大通公園‘23.11/9)に対し、いつも動きの早い「日本禁煙学会」が抗議、中止するよう申し入れを行ったと、各マスコミで報道されています。
札幌市の観光地・大通公園での喫煙実験に「異議あり」 日本禁煙学会
=『朝日新聞DIGITAL』2023年11月17日 19時30分=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“観光名所・大通公園で12月から始める喫煙に関する実証実験に日本禁煙学会などは17日、中止を求めた。公園の周辺ビルには喫煙所が少なく、昼時は園内での喫煙も目立っている。市は実験で園の利用環境が向上するか検討するというが、学会側は「受動喫煙の機会を増やすだけ」と批判。将来的には園内の全面禁煙を求めている”
“大通公園の西1~4丁目は、市の条例で歩きたばこや灰皿なしの喫煙が禁じられ、3丁目には屋根と扉が付いた喫煙所もある。ただ西5~12丁目は制限区域でなく、受動喫煙対策が問題になっていた”
“老朽化が進んでいる公園について、今月2日から魅力向上に向けた検討を始めた。実験はその一環で、西5丁目にパネル型の喫煙所と灰皿を日本たばこ産業の協力を得て、12月上旬から2025年3月末まで設置する予定”
“日本禁煙学会の松崎道幸・道支部長は「新設する喫煙所はついたてで囲んだだけでたばこの煙が漏れ放題。子どもを屋外の受動喫煙の害から守ることを求める健康増進法にも違反している」”
“北海道医師会の長瀬清・元会長は「道内の女性の肺がん患者が全国に比べて多いのは喫煙が一因」”
“ 市は20年にさっぽろ受動喫煙防止宣言を出し、健康増進法などの規制対象外でも各人が配慮することをうたう。ただ、22年度の喫煙率は18・2%で男女とも全国の数値を上回っている”
「魅力向上」のために喫煙所だと? 煙が漏れ被害者多発が魅力なのか?
地元紙も。
大通公園の喫煙所、増設実験撤回を 禁煙団体が札幌市に要望書
=『北海道新聞』2023年11月17日 19:52(11月17日 21:56更新)= ※同紙は無料登録で全文が読めます。
“大通公園に喫煙所を増設する実証実験を巡り、日本禁煙学会北海道支部……と日本禁煙推進医師歯科医師連盟北海道支部(長瀬清支部長)は17日、喫煙所を増設しないよう求める要望書を市に提出した”
“ 要望書では、設置予定の喫煙所に屋根や扉がないことについて、たばこの煙や有害物質が「漏れ放題」と指摘。喫煙所設置により受動喫煙の機会が増えるとともに禁煙推進の妨げになるなどとして、実証実験をやめるよう求めた”
“ 今後、道医師会など道内の医療関係団体にも設置反対の賛同を求め、再度市に要望書を提出する”
札幌の大通公園に新たな喫煙所設置へ 可能エリアでの喫煙が問題?市は「禁止ではないが様々なご意見が…」
=『HTV 北海道テレビ放送』2023年11月17日 18:11= ※リンクは非公開となりました。以下の引用のみお読みください。
“毎日、多くの人が利用する大通公園。札幌市は今月から未来の大通公園のあり方を考える検討会を開き、再来年度にも公園の大規模改修をはじめる計画……その中で、議題として上がっているのが「喫煙マナー」”
“札幌市民)
「さっきもベビーカー引いていたら、喫煙されている方がいらっしゃったので、子どもいると回り道して避ける感じだったので」”“喫煙所など大通公園の喫煙所は屋根付きの西3丁目のみですが、喫煙者が特に多く見られる西5丁目に喫煙所を新設……設置されるのは、屋根がない高さ2・4メートルあるパネル型の喫煙所。一度に20人ほどが利用できる広さ”
“日本禁煙学会などは、新たな喫煙所の設置に反対の声をあげました。
日本禁煙学会 松崎道幸北海道支部長)
「この喫煙コーナーは、灰皿をついたてで囲んだだけでタバコ煙は漏れ放題」”
札幌・大通公園に新たな喫煙所は必要?市の実証実験の背景に、“改正健康増進法”で路上喫煙に関する市民からの意見増加か
=『HBC 北海道放送』2023年11月17日(金)19時21分更新= ※リンクは非公開となりました。以下の引用のみお読みください。
“ あちこちでたばこを吸う人が目立つ札幌市の大通公園で、来月から新たな喫煙所をつくる実証実験が行われます。
新しい喫煙所は、いるのか、いらないのか。意見は分かれています”“記者会見したのは、禁煙を呼びかける学会の医師ら……新たな喫煙所を設置する実証実験が始まることに反対しています”
“泉優紀子記者(大通公園西5丁目・16日)
「こちらでは来月上旬から利用ができる喫煙所の設置にむけた工事が始まっています」……昼休みの時間帯、たばこを吸いに来る人が続々と集まります。
西1丁目から4丁目は喫煙制限区域ですが、西5丁目は区域外”“ 大通公園に、新たな喫煙所はいる?いらない?公園周辺で聞いてみると…。
いる派
「通行する人から結構白い目で見られるから、できれば目隠しがあった方が」
……たばこを吸わない人からは…。
いる派
「人が多いからたばこを吸わない人は(煙などで)迷惑する」
いらない派
「そういうものは一切やめよう。(喫煙所を)つくるのもいらないと。臭いもするから子どもにもかわいそう」
いる派
「雪がとけたら、たばこの吸い殻がいっぱい落ちている。火事とかもこわい」”“市に寄せられた路上喫煙に関する市民からの意見の件数を見てみると、大通公園では2019年度には年間で3件でしたが、2020年度からは2桁に増えています。
改正健康増進法が施行され、屋内の喫煙スペースが減ってきた時期と重なり、中で吸えなくなった人が吸える場所を探して外に出てきた、とも考えられます”
遅れて別の大手紙も報道。わりと詳しく述べています。
札幌・大通公園に喫煙所 実証実験に禁煙学会が「待った」
=『毎日新聞』2023/11/21 12:05(最終更新 11/21 14:47) 819文字=
“喫煙所を設置し、その効果を検証する札幌市の実証実験に対し、日本禁煙学会北海道支部などが「受動喫煙の機会をさらに増やす結果になる」などとして、中止するよう求めた。大通公園内の喫煙を巡り、「たばこの煙が流れてくる」などといった苦情を受け、市は実験を計画。その実験自体に「待った」をかけた格好だ”
“ 市みどりの推進課によると、大通公園は市ポイ捨て防止条例に基づき、1~4丁目は喫煙が禁じられているが、5~12丁目は喫煙可能……受動喫煙への苦情のほか、「ポイ捨てがある」「吸っている姿が見えて、景観がよくない」などと苦情がある”
“実証実験は12月上旬~2025年3月下旬、天井のない「パーティション型喫煙所」(約18・8平方メートル、15~20人用)を公園の5丁目に設置し、喫煙者、非喫煙者双方の公園利用者の意見を聞くなどして、空間をすみ分ける効果があるか検証する”
“施設はJT(日本たばこ産業)が寄贈する”
“日本禁煙学会北海道支部と日本禁煙推進医師歯科医師連盟北海道支部は17日、連名で中止の申し入れを市に提出。禁煙学会の松崎道幸支部長は「大通公園は子どもやお年寄りが多く利用しており、たばこを吸える場所や、受動喫煙が防止できない施設を増やすことは道民の健康にとってマイナスになると言わざるを得ない」と指摘。さらに、「喫煙できる場を増やすことは、禁煙を頑張っている人の足を引っ張ることになる」などと訴える”
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