近鉄特急も車内「全面禁煙」に → もう「喫煙できます」が“ウリ”にならない・マイナスとなる時代です

 新幹線が、全国的に全禁煙の上にすでに車内の喫煙室も無くしているのに、JR東海が中心の東京~九州間の車両だけが、車内に喫煙室を残し続けていましたが、それもようやく廃止になると決まったことは、大いにマスコミをにぎわせました。
 →ようやく新幹線が全線・車内「完全禁煙」になります ’23年10月

 しかし、同様に喫煙室を残していた、私鉄「近鉄」近鉄特急が全席禁煙に~ただし車内に喫煙室を残します は、まだ続けるのか……、と思っていたら、遅れて、こちらも廃止にするとの発表がありました。
 実施は、新幹線より早くなります。その理由はいかに?

 特急列車内の喫煙室を廃止します
  =『KINTETSU News Releas(近鉄ニュースリリース)』2024年1月10日=

“近鉄では、これまで車内喫煙のニーズにお応えするため、特急列車に喫煙室を設置し、分煙に努めてまいりましたが、近年の健康増進志向の高まりなどを踏まえ、2024年3月1日(金)から、特急列車内の全ての喫煙室を廃止します。

(以 上)”

 特急列車の全席禁煙化等について
  =「近畿日本鉄道」公式サイト=

“ 近鉄では、改正健康増進法施行を踏まえ、2020年2月1日から特急列車を全席禁煙とさせていただきました。

※2024年3月1日(金)から、特急列車内の全ての喫煙室を廃止します。
何とぞ、ご了承いただきますようお願いいたします。

※電気加熱式たばこ・電子たばこについては、健康増進法に則り、通常のたばこと同様の取扱いとします。”

 「喫煙のニーズにお応えするため」「分煙に努めて」とか、「近年の健康増進志向の高まりなどを踏まえ」とか、われわれから見るとなんかいやらしい表現ですね。

 マスコミ報道も。

 近鉄の特急列車が全面禁煙に ことし3月1日から列車内の喫煙室を廃止
  =『CBCnews』2024年1月10日(水) 14:44=

 以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“近畿日本鉄道(近鉄)は、ことし3月から特急列車の喫煙室を廃止すると発表……2020年3月に特急列車の喫煙車を廃止したあとも、列車に喫煙室を設けていましたが、健康増進志向の高まりを踏まえて廃止を決めたということ”

“喫煙室となっているスペースの今後の活用法については未定”

“〇喫煙ルームが設置されている

大阪上本町、鶴橋、京都、大阪阿部野橋、布施、大和八木、生駒、学園前、大和西大寺、丹波橋、高の原、橿原神宮前、近鉄四日市、津(14駅)”

 近鉄の全特急列車ついに「禁煙」へ 東海道新幹線なども春から
  =『乗りものニュース』2024.01.10=

“同社は私鉄で唯一、現在に至るまで喫煙室を運用していました”

“鉄道施設の禁煙化は、2003(平成15)年に受動喫煙防止義務を課した健康増進法が施行されて以降、本格化”

“喫煙室は2024年1月現在、近鉄特急のほか東海道・山陽・九州の各新幹線と、JR東日本の「TRAIN SUITE 四季島」など一部の豪華列車に設置されているのみです”

 近鉄 特急列車の喫煙室 ことし3月から廃止へ
  =『NHK NEWS WEB』(京都 NEWS WEB)01月11日 08時23分=

“近畿日本鉄道は、一部の観光特急を除いて、「ひのとり」や「アーバンライナー」などの特急列車には喫煙室を1か所以上、設置し分煙対策を進めてきました”

乗客から「喫煙室を廃止してほしい」という要望がここ数年、増えていたということで……特急列車に設置しているあわせて126か所の喫煙室をことし3月1日から廃止することに”

“吸いたいという乗客に対しては、▼京都駅や▼大阪上本町駅、▼大和西大寺駅など、14の主要駅にある喫煙ルームを利用するよう呼びかける”

“JR東海とJR西日本がことし春に東海道・山陽新幹線のすべての喫煙ルームを廃止し、非常用の飲料水を保管するスペースとして活用……一方、「サンライズ瀬戸・出雲」などの寝台列車では喫煙ルームの設置を継続

 調べてみましたら、新幹線は順次「全席」禁煙となっていき、最後に「こだま」が’20年4月全席禁煙となったのですが、近鉄特急が全席禁煙としたのもその2カ月前です。
 今回はJRより3カ月遅れての発表ですが、実施は早くなります。
 新幹線の車内完全禁煙化は「’24年春」とあいまいで、実は5月になるのではとの見通し(鉄道に詳しい人より「予約システムの修正には半年ぐらいかかるため」)もあるのですが、近鉄は3月としているので、“後出し”ながら1~2カ月ほど早い実施となります。

 名古屋~京都~大阪の利用では、新幹線よりスピードは遅くても何しろ安いので、多く利用されています。“ライバル”との競合・競争と思われます。

「喫煙できます」は“売り文句”にならない時代

 新幹線がいつまでも喫煙室を残した理由は、とうに禁煙化した飛行機との競合、つまり「喫煙可」で売るのだろう、との見方が大勢を占めていましたが、この近鉄の“右ならえ”は、喫煙できることがもはやサービス・売りにはならない時代になった=喫煙所からの受動喫煙がヒンシュクを買うことのほうが多くなった、ということです。

 なおそのあたりの状況、実は新幹線でもまだ続く問題、などは、『STOP受動喫煙 新聞』45号(’24年1月)の大和浩教授の連載で詳しく述べています。新幹線の禁煙化の歴史も一覧にしていて、資料になる論説ですのでお読みください。

 

写真は大和教授ご提供(『STOP受動喫煙 新聞』45号掲載)、
近鉄特急の喫煙室、屋内区間での使用禁止時(’22年)

 
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓やカテゴリーで引いてみてください。
 99の直営飲食店が完全禁煙に ~ 近畿日本鉄道 ’19年2月

 新幹線の喫煙室廃止は当然! 大和教授が解説する煙の漏れと三次喫煙の害 「喫煙ルームを残している限り、受動喫煙をゼロにできない」「もっと早くになくしておかねばならなかった」 ’23年10月

 「吸った帰りのやつらの臭いに苦しめられてきた」「悪者なんだから、お前たちって」 新幹線の禁煙化に芸能人が正論 ’23年11月

 中国の“新幹線”車内は完全禁煙、その理由は? ~ 日本はなぜ喫煙可? ’21年7月

 新幹線が「全席禁煙」に! しかし残る問題が? ’19年6月

 新幹線は完全禁煙にならないのか? 東海道新幹線・喫煙室「1つ」は会議室に変更するが・・・ ’21年8月

 「強まる嫌煙社会」?連載開始 第一回は新幹線の禁煙化の賛否の声から ~ 意見募集も ’23年11月

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