住宅の受動喫煙問題が英語紙『ジャパンタイムズ』で掲載されました 改正法・飲食店の加熱式タバコ問題も言及

 兵庫県明石市のマンションで隣人からのひどい受動喫煙に遭い、規約を変えさせるなど活動した当機構会員については、当サイトと『STOP受動喫煙 新聞』で紹介してきましたが(→末尾にリンクを記載)、このほど英語新聞の取材を受け、掲載されました。
 ※余談ですが私は「英新聞」という間違った日本語は使いません。たとえば『JYUDO KITSUEN SHIMBUN』だったら「英字」ですが日本語で、『パッシブスモーキング ニュースペーパー』なら日本字ですが英語です。

 弁護士などの取材も載せています。

 In Japan, neighborly debates light up over secondhand smoke
  =『the japan times』May 30, 2024=

 以下、グーグルの自動翻訳から抜粋します。明らかな漢字などの間違いは訂正しましたが、微妙な文はそのまま引用しています(「……」は文省略・太字化は引用者によります)

 日本では受動喫煙をめぐって近隣住民の間で議論が巻き起こる
  =『ジャパンタイムズ』2024年5月30日=

“日本が大型レストラン、オフィス、その他多くの公共の場での屋内喫煙を禁止してから4年……世界禁煙デーを迎える中、規制がまだ及んでいない重要な空間、つまり個人の自宅での受動喫煙をめぐる議論が高まっている”

“改正健康増進法は、居住空間での受動喫煙は対象としていない。これは、集合住宅や狭い住宅に人が密集して住むことが多い日本では懸念される問題だ”

“隣人のバルコニーから漂ってくる受動喫煙にさらされると、深刻な健康問題を引き起こす可能性が……受動喫煙が非喫煙者の肺がんやその他の病気のリスクを高めることは、長い間実証されてきました”

“2021年7月のある日、兵庫県明石市で57歳の女性が、自宅アパートのリビングからたばこの臭いがすることに気づいた。それは、引っ越してきたばかりの隣人の臭いだった。

臭いに耐えられないと感じた彼女はバルコニーに行き、隣人が喫煙しているのを目にした。彼女は喫煙をやめるように頼み、隣人はそれに従った。

しかし、翌朝には喫煙が再開され、毎日続けられました”

“女性は動悸がして目がかすむようになり、何度も隣人に苦情を訴えたが、夫妻はベランダの反対側で、空気清浄機に向かって喫煙するなど「すでに配慮している」と弁明……マンションの管理規約には、住人が室内で喫煙することを禁じる旨の記載はなかったとも主張しているという”

“「まるで自宅が喫煙所と化したようでした」……「煙がいつこちらに来るか予測できませんでした。もう窓を開けることができませんでした」”

 そして弁護士の意見。

“受動喫煙の被害者に数多くアドバイスをしてきた弁護士の岡本光樹氏は、この問題は日本で何年も前から一般的だったが、多くの人が外出を控えたり在宅勤務を始めたりした新型コロナウイルスのパンデミックでさらに深刻化したと”

“日本の裁判所の判決はまちまちだ。

2012年、名古屋地方裁判所……マンションの真下に住む喫煙者を訴えた原告勝訴の判決を下した。この判決は、マンションのバルコニーでタバコに火をつける喫煙者によってもたらされた苦痛を認めた初のケースで、原告に5万円の損害賠償を命じた。

岡本氏は、この事件は多くのメディアの注目を集め、バルコニーでの喫煙が非喫煙者の近隣住民の権利を侵害することになるという認識を一般の人々に広めるのに役立ったと”

健康増進法には、喫煙が禁止されていない場所で喫煙する場合であっても、「受動喫煙を防止するため、周囲に配慮しなければならない」という条項がある。

岡本氏は、これは住宅にも当てはまり、近隣住民の受動喫煙による健康被害について交渉したり、訴訟を起こしたりする根拠を人々に与えると述べた。

「しかし、この条項には罰則がないため、喫煙者は非喫煙者への配慮から、喫煙本数を減らしたり、 加熱式タバコ……に切り替えたりしていると主張する状況が生じている」……「この法律は喫煙者に都合のよいように解釈される可能性がある。実効性がない」”

“岡本氏は、隣人が本当に喫煙していたかどうかを証明するのも難しいと”

“近年では、国の法律よりも受動喫煙に対して厳しい条例を制定する自治体も出てきている。例えば、兵庫県の条例では、20歳未満の人や妊婦が住む住宅や車内での喫煙を禁止している。

岡本氏は現在、家庭内喫煙者に対するさらに厳しい措置を求める兵庫県民のロビー活動に協力している。県は今年初め、3年ごとに行われる見直しプロセスの一環として、条例の改定に関する議論を開始した”

 過去の健康被害の実証例、平山論文も引用。

1981年、国立がん研究センターのがん疫学者、平山雄氏は、受動喫煙と肺がんとの関連を示す世界初の研究を発表……26万5000人にアンケートを送り、喫煙者の妻で非喫煙者が肺がんにより死亡する確率は、非喫煙者の妻の1.45倍であることを発見”

“平山氏の最初の論文が英国医学雑誌に掲載されて間もなく、タバコ業界のロビー団体は平山氏の研究の信用を失墜させる大規模かつ組織的なキャンペーンを組織した”

“論文が発表されてから20年以上経った2004年、受動喫煙の影響は科学的に証明され、国際がん研究機関は受動喫煙が肺がんを引き起こす可能性があるという「十分な証拠」があると結論”

“疫学者、片野田耕太氏は、喫煙者と非喫煙者を隔離すれば受動喫煙の問題が解決できるという主張や、加熱式タバコが健康リスクを軽減するという認識には懐疑的……健康増進法では、100平方メートル以上の飲食店は全面禁煙にするか、飲食を禁止する喫煙専用室を設けるかを選択できるとされている。しかし、同法では加熱式タバコ専用の喫煙室では飲食が許可される”

“「製品にはタバコの葉が含まれているので、間違いなく有害だ」……「公衆衛生の世界で取られている予防的アプローチに基づけば、(議員らは)加熱式タバコ製品に特別扱いすべきではなかった。しかし、最終的には業界執拗なロビー活動が勝り、議員らは屈服したのだ」”

条例テンプレート

住民間の紛争を避けるために政府ができることの一つは、より多くのマンションに自宅での喫煙に対する姿勢をより明確にするよう促すことだと片野田氏……国土交通省がマンション管理規約の雛形を作成し、非喫煙者の受動喫煙防止権利を明記することで、この目標を達成できると……マンション管理会社はすでに、規約の起草に国土交通省の雛形を参考にしているが、その多くは喫煙に関する条項がない。

「厚労省は、入居者に喫煙を許可するもの、条件付きで喫煙を許可するもの、喫煙を禁止するものの3つのテンプレートを用意して、その中から選択できるようにすることができます」……「どのテンプレートを参考にするかは各アパートの自由ですが、禁煙オプションがあれば、より一般的になるかもしれません」”

“兵庫県在住の女性は2023年3月、マンションの管理規約を……過半数の投票により変更し、バルコニーでの喫煙や「受動喫煙により居住者に損害を与える行為」を禁止するという小さな勝利を手にした。

しかし、条例は隣人の喫煙を阻止できなかった……現在、条例で喫煙が明確に禁止されている場所へ引っ越す準備をしている”

“「この問題が表面化するまで、自分が受動喫煙で苦しむことになるとは思ってもいませんでした」……「いつ自分に起こるかはわかりませんから」”  

そのマンションの改正規約。『STOP受動喫煙 新聞』43号より。

 
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓やカテゴリーで引いてみてください。
 マンションで受動喫煙撲滅の規約が新たに! 自室も「近隣に受動喫煙被害を与えること」は禁止に ~ 兵庫県明石市 ’23年5月

 マンション“近隣に受動喫煙の被害を与えない”規約改訂が、再度大手紙で取り上げられました ’23年6月

 43号=’23年・夏号=発行 「マンションの受動喫煙を禁止とする規約成立」など役立つ情報を多数掲載 ~ 唯一の“受動喫煙問題”定期刊行紙『STOP受動喫煙 新聞』 ’23年7月

 マンション・アパートでの受動喫煙「被害者たちの声」が増えている 規約改正も実現 ’23年11月

 “受動喫煙の可能性がある喫煙は禁止” マンション規約が新たに “喫煙者側が証明すべき” ’23年12月

 住宅の受動喫煙撲滅、条例化に向け、議員が質問 = 兵庫県明石市 ’23年9月

〈その他の関連〉
 =46号=発行・『STOP受動喫煙 新聞』’24年春号 ~ 市営住宅で後遺障害、裁判に!/駅前喫煙所を撤去せよ!(大和浩教授連載)/喫煙所で路上喫煙は減ったのか? 鎌倉市回答/完全禁煙マンション建設中……等々、他にはない情報いっぱいの専門紙です! ’24年4月

 窓を閉めていてもダクトから受動喫煙?! “換気扇下の喫煙はベランダ喫煙と同じ”、不可としたマンションも ’23年5月

 アイドル“コメットさん”がマンション受動喫煙被害で発症! 救急搬送も! 家族と離れホテル住まいに…! 大場久美子さんを襲った理不尽な悲劇! ’24年4月

 「禁煙集合住宅」に申し込み殺到、12倍にも! 「完全禁煙」棟は「共用部のみ禁煙」棟の2倍! ’24年4月

〈平山雄(たけし)氏について〉
 受動喫煙 健康被害の科学的研究発表は’80年代から ’18年8月

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