禁煙にして正解・成功したという飲食店経営者たち 客・スタッフの喜ぶ声も多数

 飲食店業界のサイトで、詳しい記事がありました。

 飲食店3店舗が語る“禁煙化”がもたらす長期的なメリット。売上アップに成功の店舗も!
  =『Foodist Media』2022年06月16日=

 以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“ベルギービール専門店『フリゴ』……以前は全席喫煙可能で、来店客の3~4割が喫煙者だった……客層は30代後半~50代の男性が多いというのも喫煙者の割合が比較的高かった理由かも……週末ともなると、タバコの吸い殻がトマト缶いっぱいになるほど喫煙者が多かった。しかしここ5〜10年ほどで、客の声にも変化が見られた”

“「『横の人がタバコを吸っているからこの席は嫌です』とか『タバコの臭いが漂わない場所はどこですか』という副流煙を嫌う声が結構あって」……スタッフからも……「カウンターの人がタバコを吸っているから、その人の前に立ちたくない」「タバコの臭いがつくのが嫌」などの意見が増え、荒木氏は段々と禁煙化について考えるようになった”

“「ここ数年で喫煙者の数自体が減っているという実感もあり、禁煙化のタイミングを窺っていて。2020年4月の法律施行を機に禁煙化に踏み切りました。同じように法律の施行があったから、禁煙に変えられたというお店も多いと思います」”

“喫煙者からの声がありつつも荒木氏は「禁煙化して良かった」と、今回の自身の決断に納得感を示す……「やっぱりタバコの煙に邪魔されることなく、もっと純粋に食事やビールを味わってもらいたい」”

“実際、禁煙化以前より来店していた非喫煙者の方が頻繁に訪れるようになったり、滞在時間が延びたり、よりよく使ってもらっているという実感が……スタッフからも「快適に働けるようになった」という声が聞かれ、改正健康増進法の目的であった「働く人の健康を守る」を達成できているようだ”

 改正法の話を中心に書かれていますが、東京都なので条例で、従業員がいれば禁煙にしなくてはならないはず。店に近いという全面喫煙店は、一人または家族でやっているのでない限り、違反になります。

 次は関西では有名な、お好み焼きのチェーンです。

“禁煙化に踏み切ったことで、売上がアップしたという飲食店も少なくない……全国で75店舗を展開する1973年創業のお好み焼専門店『千房』グループも、客単価や売上がアップした”

“「……心配していたほどの売上や客足減少はなく。むしろファミリー層の利用が圧倒的に増え、店舗によっては客単価や売上が上がりました」”

“全店舗で禁煙化したところ、1日あたりの売上が平均で4.9万円増加(17.5%増加)しており、特に高級路線の店舗で売上の増加が大きかった……「タバコの煙を気にせずゆったりできる環境整備ができたことで、滞在時間注文数がアップしたのではないか」と中井氏は推測する”

“「社員からは『禁煙化したら、半分以上のお客様が来なくなってしまいます』と断言されたりもして。従業員自体の喫煙者も多く、なかなか理解を得るのに時間がかかりました」”

“そこで中井氏は、禁煙化を求めているという消費者の声や、いろいろな飲食店経営者の方に伺った禁煙化によるメリットを社員へ伝え、理解を得ていった。

「世の中的に『タバコを吸っている人がいるお店に行きたくない』『タバコを吸っている人の隣に座りたくない』という声もありましたし、そういったニーズに応えていくのは当然かな、と。特に『串カツ田中』さんが全店禁煙化されたことについては世間の反応も大きかったので『企業のブランドイメージを保つためにも禁煙化は有効だ』と一つの説得材料にしましたね」”

“8年ほど前から段階的に店舗の禁煙化を進め……ファミリー層やインバウンドの来店客が多く、禁煙化の影響が少なそうな店舗から段階的に禁煙化を始めた”

“2020年4月、全店舗を禁煙化。「法改正がなかったら舵を切れなかったかもしれません」と中井氏が話すことから、「改正健康増進法」施行が禁煙化の後押しとなったことも窺える”

“禁煙化したことで「働くスタッフの観点からも、間違いなく良かった」と断言する中井氏。アルバイト従業員は20代前半の女性が多いということで、禁煙化に喜ぶ声が多く聞かれるという”

“喫煙者からの反応も気になるところだが「世の流れだからしょうがないよね」と一定の理解を示す人が多い”

“「個人的にタバコの灰がついた手で作られた料理を食べたくなくて。5年前からバックヤードは禁煙にしていますし、タバコを吸った後は徹底的に手を洗うよう厳しく伝えていますが、従業員の健康を守るためにも会社全体で禁煙化を後押ししていきたいですね」”

 最後はうってかわって、大きくはなさそうなバーです。違うきっかけで禁煙にしたとのこと。

“「法改正を機に」という飲食店が多い中、異なる理由で禁煙化に踏み切った飲食店もある。大阪・高槻で1991年に創業したオーセンティックバー『福田バー』だ。

「大阪府から喫煙者は店内の一か所にまとめるよう要請があり、新型コロナウイルス感染の危険性が高まると感じ、全面禁煙に踏み切りました」……店舗の入口には「コロナ対策のために禁煙しています」という張り紙が”

“「いずれは禁煙にせなあかんと思っていたのですが、周りに気を遣いながら吸ってくれる常連さんもいて、なかなか踏み切れず。とはいえお店の構造上分煙も難しいし、タバコの煙が非喫煙者の方に行かないよう気遣うのも嫌で。今回のコロナ禍を機に2021年11月に全席禁煙に……」”

“オーナーからは「儲からないし、禁煙は反対」と言われたそうだが……現場のスタッフからは「禁煙に賛成」という声が聞かれ、後押しとなった”

デメリットはなかったかと尋ねると「禁煙にする前ぐらいから喫煙者も2〜3割に減っていましたし、特になかったです」”

“「……『吸えないならほか行くわ』っていう人もいましたが、そういう人は別に来てもらわなくていいかな、と。もしお店に本当に来たいなら、1~2時間くらい喫煙を我慢してくれると思いますので」”

“「タバコを吸う人がいっぱいいたら、吸わない人が来なくなるので、結局喫煙可能でも禁煙でも客足は変わらないと思う。サービスするならマナーの良い人たちにしていきたい」と福田氏。その真摯な姿勢は常連にも伝わっているのか、マナーの良い喫煙者は禁煙になってからも来店しており、外の喫煙所でタバコを吸うなどしてお店では喫煙していない”

“スタッフからも評判だ。「以前より快適そう働いていますね。喫煙可能な時代は、スタッフがマナーの悪い喫煙者に注意しなくてはいけませんでしたが、そういったトラブル自体減ったので、スタッフの負担も減ったと思います」……店の風紀も良くなったと話す……トラブルを防ぎ、お店で過ごす人たちに安心・安全に過ごしてもらうための心がけにも思えた”

 記事の最後は結論など。
 なおこの記事は、『ケムラン』主催者の提供で、大和浩教授の研究の一環として制作されたとのことです。

“ロイヤリティの高い顧客の集客に繋がったり、客単価や売上アップに成功したり、飲食店のブランドイメージを向上させることができるなど……禁煙化のメリットが明らかになった”

“顧客だけでなく従業員の健康を守ることは、長く安心して働いてもらうために経営者として必要な視点”

“ほかにも禁煙化した飲食店のインタビューをまとめたWebページがあるので、気になる方はぜひチェックして欲しい。

■“屋内完全禁煙”飲食店の検索サイト「ケムラン」 -ケムラン掲載店の禁煙化のヒント集-

画像はもっと前から全店禁煙にしていたチェーン店

 
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓で引いてみてください。
 従業員の約7割「全面禁煙にして」 ’18年6月

 6割近くの人が禁煙の飲食店に行こう(喫煙可の飲食店は避けたい)と思っています ~「日本医療政策機構」アンケート調査結果 ’18年9月

 女性客増!名古屋でも大手居酒屋が完全禁煙化で成功 ’18年10月

 禁煙じゃなければ断ろう ~「本当は禁煙にしたいお店」の後押しを ’18年11月

 受動喫煙症についての相談と回答 ③ 喫煙ラーメン店のバイトで発症 ’19年1月

 老舗店が禁煙化で「健康回復・ロス減・優良客ばかりに」と多くの成功が ’19年6月

 禁煙のスナックも増えています ’19年8月

 女性たちの本音=“飲み会は参加したいがタバコ臭いのはイヤ” ’19年9月

 やはり消費者の過半数が「禁煙」店を選択・飲食店の禁煙に賛成しています ’20年3月

 飲食店4月禁煙化、その後の実態調査 ’20年8月

 禁煙化は “以前に戻ることはない”「ニューノーマル(新常態)」に ’21年12月

 最新調査(’21年末)「“分煙”はダメ」一般人の過半数を超える ’22年3月

 禁煙店の新しい検索サイト「ケムラン」~完全禁煙店のみ掲載! ’18年10月

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