日本が受動喫煙“地獄”だった頃

 過去から現在への受動喫煙・タバコ問題を振り返る記事がありました。

 日本がタバコ天国だった頃(TBSアーカイブ秘録)
  =『TBS NEWS DIG』2023年5月22日(月) 12:03=

 以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“かつて日本は……地下鉄、飛行機、レストラン、どこに行ってもタバコが当たり前に吸えた……会議室はデフォルトでモクモク。路上の吸い殻も通常風景”

“日本にタバコが伝来したのは1543年。鉄砲とともにポルトガル人が日本に持ち込んだ……紙巻きタバコの登場は1881(明治14)年”

“軍で配給され、兵士達は精神の安定や、戦闘が終わった安堵をタバコとともに味わった……戦後の日本の税収の約20%はタバコ税だった……物資不足の戦中戦後のこと、配給は1日3本

高度成長期に入ると物不足やタバコ不足は解消し……日本の成人男性の喫煙率は80%以上”

“刑事ドラマのラストシーンでは、すべての謎が解決した後、刑事たちがうまそうにタバコをくゆらせていたものでした。女性を救ったヒーローが、タバコを吸った後、オートバイで立ち去っていくCM。それを「ステキ」と見つめる若い女性……そういうのがタバコのイメージだった”

 ここから時代の転換へ。

“タバコが不健康であるというのは、1960年代に既に指摘されていました。イギリス王立内科医学会が1962年に発表したレポートに「タバコを1本吸うと寿命が5分30秒縮まる」と書かれていた”

“そうでなくとも、タバコがケムい、吸い過ぎると気分が悪くなる、などの弊害は喫煙者にも非喫煙者にもすでに分かっており、70年当たりからじわじわと禁煙運動は高まっていった”

1976年には新幹線の禁煙車が導入……受動喫煙の害が叫ばれ、80年代からは分煙の時代となっていきます。電車ホームにも喫煙コーナーがもうけられ、喫煙者の「どこでも喫煙」は少々分が悪くなっていきます”

1987年には山手線原宿・目白駅で終日禁煙が始まり……愛煙家の大反発を食った”

“しかし時代の波には抗えませんでした。1999年にはJALとANAが機内の全面禁煙をスタート……先進各国の航空機もとっくに禁煙になっていました”

90年以降、もはや分煙・禁煙は日本だけの問題ではありませんでした。世界的な嫌煙権運動の中、日本でもさまざまな施策が……中でも大きかったのが、2002年8月に公布された『健康増進法』……学校、病院、劇場、集会場、事務所、官公庁、飲食店など、すべてで分煙が義務化……これに合わせて2002年10月には千代田区でタバコポイ捨て禁止条例が施行”

“家でも喫煙者は日に日に肩身が狭くなっていき……ベランダで一服するように。その姿は「ホタル族」などと揶揄されました”

“21世紀に入って……
◎自動販売機は「taspo(タスポ・たばこ自動販売機の成人識別システム)」カードが必要に
◎その自動販売機自体が激減(タスポ導入時の約50万台から2021年現在で12万8千台に)
◎タバコ税の大幅値上げ
◎東京五輪に伴う完全分煙条例
◎喫煙所が相次いで撤去へ”

“もはやこの現状でもタバコを吸っている愛煙家は、そちらの方が「堅い意志!」と言えるかもしれません”

 奇しくも、今週(’23年5月27日)のリモート講演ではその健康増進法と禁煙化についてがテーマです。
  →今年もあの日の講演イベントがリモートであります ~ 「MASH」主催 ’23年5月27日(土)14:00~16:15

[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓で引いてみてください。
 鉄道(駅・列車)の禁煙化の歴史 ’23年5月

 以前は飛行機は喫煙自由、いまでは喫煙は「日本人の恥」 ’22年1月

 ゴルフ場の受動喫煙の今昔・禁煙化への道のり ~ 『禁煙ジャーナル』最新347号 ’23年2月

 レンタカーの禁煙事情 ~ 喫煙車は「絶滅危惧種」? ’22年12月

 1970年代は受動喫煙だらけ ~ 当時を描くドラマのタバコ描写は? ’22年6月

 「車の灰皿」「ライター」はもう15年前(2008年頃)から付いていません ’23年4月

 「嫌煙権」運動45周年! 『みんなの嫌煙権』最新号は記念・特大号です その① ’23年2月

 職場の受動喫煙・最新調査(’22年12月実施) いまだ4割が受動喫煙被害、6割が対策強化を望むも、約半数の企業が対策なし ’23年3月

 禁煙化は “以前に戻ることはない”「ニューノーマル(新常態)」に ’21年12月

 約100年前(大正時代)から受動喫煙の健康被害は指摘されていた! 「視力障碍(しょうがい)」を起こすとも?! ’19年3月

 タバコは「嗜好品」ではない ~ 『広辞苑』などで削除されています ’23年2月

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日本が受動喫煙“地獄”だった頃” に対して1件のコメントがあります。

  1. コドラ より:

    日本が受動喫煙“地獄”だった頃って今でも地獄は続いています。
    コンビニなどの店の出入り口付近に灰皿が置いてあり、そこで吸う人は多いし、いないから大丈夫だと思ったら、窓を開けて車の中で吸っていたりして、受動喫煙の被害にあう。
    いつになったら、受動喫煙から解放されるのだろう…

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